皇女伝説

天月 ゆめの

お別れ

シエル皇子の姿が見えなくなると、カイとリリアンが駆け寄ってきた。
「セレーネ!行ってしまうの?」
「なんで受け入れるんだよ!つか、本当に皇女様なのか!?」

リリアンとカイは取り乱しながらも私に話しかけてきた。

「うん。どうやらそうみたいだね...」
「そんな...」
「どうしてそんなに落ち着いていられるんだよ!俺はもっとセレーネと一緒に居たかったよ。」

「私も何故こんなに落ち着いていられるのか不思議だけど...なんか当たり前って感じがするんだよね...」

私もなんでこんなに落ち着いていられるのか分からない。ただ、何かに導かれているように感じた。どうしてだろう?

「とにかく、今日は解散としよう。セレーネ...様は明日は早いですからお休みになった方がいいですよ。」

カイとリリアンの父である領主様が口を開く。

「そ...そうですね。」

ここにしてようやく村長が動き出した。
領主様も村長も事の重大さを理解しているためなかなか受け入れられなかったんだろう。

領主様に慣れない言葉で話しかけられながら私は村長が用意してくれた部屋へ行く。カイとリリアンが何か言っていたけれど、領主様に止められていたため気にしなかった。
用意された部屋は皇女様だからと、村で一番豪華な部屋だ。

「明日か...セレーネ皇女。なんか慣れない響き...」

謎に落ち着きながら私はベットの上で意識を手放した。

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