強大すぎる死神は静かに暮らしたい
死神は疲れた
死神になってどれ程の時間が経っただろうか
百年?五百年?それとも千年?
恐らく千年くらいだろうか
人だった頃の記憶なんて残っちゃいない
覚えているのは僕の名前がラトと言う事
神として生きるのに疲れた事
あとは、なんだろう?
あ、昨日の晩御飯がシチューだった事かな
「ラト様!朝です!起きてください!!」
元気な女の子の声が聞こえる
寝ていた僕からしたらうるさい女の子の声だけど
「うぅん、もう少しだけ……」
「それはもう聞きました!起きてください!!朝ごはんがさめてしまいます!」
「うぅん、もう少しだけ……」
、
、
、
「朝ごはん、冷たいね」
「らとさま?いまなんとおっしゃいました?」
「メメがかわいいって言ったよ」
「ラト様、私の名前はメルです…」
「そっか」
「そっか!!?!?!?」
、
、
、
僕はラト、死神をやっている
人間達からは死を与える悪い神って言われてる
でもそれは違う、死は生ける者にとって大切な『終わり』である
僕は終わった体から魂を神の元へ導いているだけ
まぁ、導いてると言っても魂は勝手に神の元に行くんだけどね
報酬はその者の知恵と力、生まれた赤ん坊が泣くのは力と知恵を失ったから
知恵の濁流は言葉で表せるほど生ぬるくない、必要な知恵以外は全部捨てないと大変な事になる
報酬ってより呪いに近い
要するに神様の所に行く前の入れ物だ、神様は要らないものを都合よく渡せる存在が欲しかったんだろう
なんて言ったら死神って儚いと思わないかい?
、
、
、
「メリー、お茶を入れてくれないかい?」
「メルです、ラト様」
そんな声と同時に空っぽになったティーカップに紅い液体が満たされる
メリー……メル…だっけ?
メルは人間だ、何年前だっけ?十年くらい前?に僕の住んでる森に捨てられていた、から拾った、うるさいけど世話はしてくれるから楽だ
「?、ラト様?どうしました?」
その紅い眼がこちらに向く
「いつ見てもメリーの眼は綺麗な紅だね」
「ッ…あ、ありがとうございます…」
、
、
、
ここは僕の家
あまり人が来ないからお気に入りの森だ
人がいない森に家を建てるのは苦労したが気に入っている
僕の幸せだ
死神さんがカッコイイから書き始めます!
不定期です!気分です!結構妄想です!
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