神企画による人間の鬱病克服プロジェクトby異世界(今後は小説家になろう様でご覧頂けると幸いです。)

Starch

サポート(常にとは言ってない)

「お腹減った…。」

 私は今森の中にいた。イースによるとここを抜けると町に着くらしい。だからそこを目指すことにしたのだが…。

「イース、制服手ぶらで森を抜けるとか普通に無理何だけど。何で私生きてんの?」

『そこは「何で私ここにいるの?」っていうんだよヒナ。…んー…ほい、これでいい?』

 目の前に大きな袋が出現した。中には着替え、鉄製の胸当て、肩掛けカバン、

そして短剣が一本。

「狩れとでも?」

『うん♪』

 私は何も考えないことにした。この威厳の欠片もない神は自由で、めちゃくちゃだ。まあでも私は死ねない訳だし、何とかなるだろう。

『そのカバンね、この世界の道具で確か…300キロまでならいくらでも入ったはず……だよ。多分。まあただの便利なカバンだね。』

 何その四次○ポケ○ト。まあでも使えるなら使っとこう。私は服を着替え、胸当てと短剣を装備。制服は肩掛けカバンに入れた。

『じゃあ私寝るから。何かあったら起こしてね~。』

「え!?ちょっと!」

 暗くなり始めた森に中学生を一人おいて寝る。そんな神がいるだろうか。ここにいる。サポートって何だろう。

「食べなくでもいいけど…どうしよう。」

 どうしよう。このまま歩くのはきついし、軽く木の実でも食べようか。死なないし。
 そんなことを考えていると…
ガササッ!
 近くから何かが飛び出してきた。それはゆっくり近づいてくる。

「…ウサギ?」

 何かと思ったらただのウサギだった。それはやけに弱っていて、私の足元に倒れた。普通ならここで「キャー」とか何とか言うんだろうけど、私はウサギが死んでも何も感じなかった。この辺りが病んでると言われるのだろうか。
 私はそれを食べることにした。

「火…じゃなくて血…抜かないと」

 大体の血抜きをして、肉を食べる分だけ切り分ける。食べない分は近くに埋めた。

「火…異世界なら出たりしない…?」

 私は指先から炎を出す自分をイメージする。するとそこから小さな火の玉が出てきた。

「この辺燃やそうかな…。」

 流石にそれはやめ、大人しく枯れ葉に火を着けて肉を焼き、かぶりつく。味は分からなかった。

「さて…行くしかないか…。」

 私は徹夜で森を抜けることにした。
 その時の私の気分は最低だった。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品