春夏秋冬〈シーズン〉〜異世界を翻弄する最強4人兄弟〜
第21話 〜別行動〈ハルト〉2〜
ドアの奥へと入ると、そこには、小さな檻に首輪や手錠を嵌められてほぼ裸の状態で所々傷が付いている少女たちが!!!
居なかった。
まず檻というよりケースの様な場所に手錠などをつけられていないしっかりと服を着た可愛らしい女の子たちがいたのだ。
(んん〜〜……別に良いんだけど、なんか思っていたのと違うっていうかなんていうか。いや!ここは少女達がひどい状態じゃない事を喜ぶべきなのだ!決して、テンプレなどに左右されているわけじゃ無いのだ ︎!)
ハルトの頭の中で思考のせめぎ合いが行われた。結果的に喜ぶという結論なのだが、もし自分の想像通りに、傷ついた少女達が居たのならばそれはそれで良いものでは無いだろう。
少女達は全員で7人左右に3人ずつペットショップかの様に置かれている。そして奥に1人だけ、檻に入れられた少女がいた…………
「なんでこんなに良い施設なんだ?これは奴隷商としては普通なのか?」
「普通ではありませんよ。大体は手錠を嵌められ、檻の中に入れられて喋る事も禁止食事も3日に一度ほど、水浴びなどはほぼ行われないとこがほとんどでしょう」
やはりこの店が良いだけであって、ほかの奴隷商と言ったらハルトの予想した通りの施設の様だ。
「それだったら、どうしてこんな風にしてるんだ?」
「それは明らかにこちらの方が店の利益になるからですよ。ここはどちらかというと貴族専用の奴隷商でしてな。質がよければサービスとして、多めに払ってくれる事だってあるのですよ」
だからこんなところにあるのか。と、ハルトは考えた。貴族専用の奴隷商が大通りに堂々と建っていたら、ほかの客がいつ来るか分からない。
それに、人件費も高くつかない。
どうやらこの店ではご飯は1日1回、水浴びは3日に1度ケースの中には、本人が一番欲しいと行ったものを1つだけ置いている。恐らくこの奴隷商は相当奴隷に優しいのだろう。
「しかし、条件は厳しいですよ。まず女性限定で顔は平均以上のみの性関係がない人のみとなっております。その中から特にずば抜けている6人が、この店へ来れるのです」
「そうか……んじゃあ、なんで今は7人いるんだ?あの奥のやつは誰だ?」
「…あの子は私が拾った子なのです。町外れの小さな村で産まれ、産まれた時から忌み子扱いされていてな。獣人族の耳と魔人族の角それに加えてエルフの耳。吸血鬼族の赤い目と鋭い歯に天使族の羽。そして人族。6種族の遺伝子が混ざり合って出来た子なのです。それに微量ですが、あの子は5種族の特性を使えるのです。
獣人族の身体能力の高さ、エルフの魔法の強さ。
魔人族の総合的なパワー、天使族の回復魔法に飛躍能力
そして吸血鬼族の魔眼と血を吸って力を得る能力。
それが、人族のあの子にはあるのです」
「!?……」
ハルトは胸が痛くなった。自分のせいじゃないのに産まれた時から周りと……普通と違うから忌み子扱いされ、碌な飯も出さずに放ったらかし。
折角産まれてきたのにそんな理由で1人の少女をの人生を潰した人たちに怒りを覚えた。
ハルトはこの手で何人もの人を殺してきた。しかし、殺す事を楽しいと思ったことも面白いと思ったこともない。
ただ、闘うのが好きなだけだ。日本にいた頃もおんなじだ。最初に人を殺した日はひたすらに泣いた。「ごめんなさい」「ごめんなさい」と何度も何度も……
だからハルトは、仕事とはいえ人を殺すことになった時には自分で(兄弟で)そのターゲットの事を調べ、親のためになど、お金を取られた、敵討ちなどの理由があればしっかりと対応している。ハルトが殺すのは私利私欲のために人を殺す完全なる悪や、ただただ人を殺すことが好きな狂人だけだ。
ハルトという男は4人の中で一番人を殺し
4人の中で死ということについては一番厳しい男なのだ。
だからこそ、ハルトはその少女の事を可哀想と思った。
「あの子の名前は?それと、6種族の遺伝子が1人に集まっているって…あの子は耐えきれるのか?」
「耐えきれるわけがないでしょう。時が経つにつれあの子はだんだん壊れていき、今は暴走状態にあります。今は私のスキルで安静ですが、このままではいつか死んでしまいます。それと、あの子の名前は“ルル・ロキミオ”と言い、先祖に獣人族と魔人族と吸血鬼族と天使族とエルフがいます」
「治せるのか?」
「今、この世界にある魔法では無理でしょう」
「今…この世界にある魔法………」
ハルトの考えていることはナツミのスキルで新しい魔法を創り、あの子……ルルを治すという方法だ。
「ちょっと帰っても良いですか?いつか……嫌、明日必ずきます」
「分かりました。ではここへの地図を用意しましょう」
「ありがとうございます」
あたりはもう夕方を迎え、街の賑やかさは、夜の賑やかさへと移り変わろうとしている。
そろそろ帰らないと、みんなも怒るだろうからここで一度帰り、明日、また来よう。と思った。
「気をつけて」
地図を片手にハルトはドアを開けた。『ギギギ』と古びた音がなる。地図を頼りに右へ左へ……そしてギルドへ、ギルドに着く頃にはすでにあたりは暗くなっていた。
ギルドの扉を開ける。ギルドの近くを歩いていた時から聞こえていた冒険者たちの笑い声や話し声が、扉を開けた瞬間に何倍にもふくれあがる。
開いて右奥。そこにいたのはアキヤとフユカとガンバだった。
「よっ、どこ行ってたんだ?」
「ああ、それはーーーーーーーーーー」
「奴隷商。やろ?」
ガンバ、ハルト、アキヤの順で話を進めた。
「でもそれ以上の何かが奴隷商で起こったんだね?」
「ハハッ、何でもかんでもお見通し……ここまでバッサリと言われたらちょっと怖いな」
ハルトがアキヤの凄さに毎度ながら驚くも、当たっていることに少し恐怖心が湧いた。
「今日行ってきた奴隷商にーーーーーーーーーー」
居なかった。
まず檻というよりケースの様な場所に手錠などをつけられていないしっかりと服を着た可愛らしい女の子たちがいたのだ。
(んん〜〜……別に良いんだけど、なんか思っていたのと違うっていうかなんていうか。いや!ここは少女達がひどい状態じゃない事を喜ぶべきなのだ!決して、テンプレなどに左右されているわけじゃ無いのだ ︎!)
ハルトの頭の中で思考のせめぎ合いが行われた。結果的に喜ぶという結論なのだが、もし自分の想像通りに、傷ついた少女達が居たのならばそれはそれで良いものでは無いだろう。
少女達は全員で7人左右に3人ずつペットショップかの様に置かれている。そして奥に1人だけ、檻に入れられた少女がいた…………
「なんでこんなに良い施設なんだ?これは奴隷商としては普通なのか?」
「普通ではありませんよ。大体は手錠を嵌められ、檻の中に入れられて喋る事も禁止食事も3日に一度ほど、水浴びなどはほぼ行われないとこがほとんどでしょう」
やはりこの店が良いだけであって、ほかの奴隷商と言ったらハルトの予想した通りの施設の様だ。
「それだったら、どうしてこんな風にしてるんだ?」
「それは明らかにこちらの方が店の利益になるからですよ。ここはどちらかというと貴族専用の奴隷商でしてな。質がよければサービスとして、多めに払ってくれる事だってあるのですよ」
だからこんなところにあるのか。と、ハルトは考えた。貴族専用の奴隷商が大通りに堂々と建っていたら、ほかの客がいつ来るか分からない。
それに、人件費も高くつかない。
どうやらこの店ではご飯は1日1回、水浴びは3日に1度ケースの中には、本人が一番欲しいと行ったものを1つだけ置いている。恐らくこの奴隷商は相当奴隷に優しいのだろう。
「しかし、条件は厳しいですよ。まず女性限定で顔は平均以上のみの性関係がない人のみとなっております。その中から特にずば抜けている6人が、この店へ来れるのです」
「そうか……んじゃあ、なんで今は7人いるんだ?あの奥のやつは誰だ?」
「…あの子は私が拾った子なのです。町外れの小さな村で産まれ、産まれた時から忌み子扱いされていてな。獣人族の耳と魔人族の角それに加えてエルフの耳。吸血鬼族の赤い目と鋭い歯に天使族の羽。そして人族。6種族の遺伝子が混ざり合って出来た子なのです。それに微量ですが、あの子は5種族の特性を使えるのです。
獣人族の身体能力の高さ、エルフの魔法の強さ。
魔人族の総合的なパワー、天使族の回復魔法に飛躍能力
そして吸血鬼族の魔眼と血を吸って力を得る能力。
それが、人族のあの子にはあるのです」
「!?……」
ハルトは胸が痛くなった。自分のせいじゃないのに産まれた時から周りと……普通と違うから忌み子扱いされ、碌な飯も出さずに放ったらかし。
折角産まれてきたのにそんな理由で1人の少女をの人生を潰した人たちに怒りを覚えた。
ハルトはこの手で何人もの人を殺してきた。しかし、殺す事を楽しいと思ったことも面白いと思ったこともない。
ただ、闘うのが好きなだけだ。日本にいた頃もおんなじだ。最初に人を殺した日はひたすらに泣いた。「ごめんなさい」「ごめんなさい」と何度も何度も……
だからハルトは、仕事とはいえ人を殺すことになった時には自分で(兄弟で)そのターゲットの事を調べ、親のためになど、お金を取られた、敵討ちなどの理由があればしっかりと対応している。ハルトが殺すのは私利私欲のために人を殺す完全なる悪や、ただただ人を殺すことが好きな狂人だけだ。
ハルトという男は4人の中で一番人を殺し
4人の中で死ということについては一番厳しい男なのだ。
だからこそ、ハルトはその少女の事を可哀想と思った。
「あの子の名前は?それと、6種族の遺伝子が1人に集まっているって…あの子は耐えきれるのか?」
「耐えきれるわけがないでしょう。時が経つにつれあの子はだんだん壊れていき、今は暴走状態にあります。今は私のスキルで安静ですが、このままではいつか死んでしまいます。それと、あの子の名前は“ルル・ロキミオ”と言い、先祖に獣人族と魔人族と吸血鬼族と天使族とエルフがいます」
「治せるのか?」
「今、この世界にある魔法では無理でしょう」
「今…この世界にある魔法………」
ハルトの考えていることはナツミのスキルで新しい魔法を創り、あの子……ルルを治すという方法だ。
「ちょっと帰っても良いですか?いつか……嫌、明日必ずきます」
「分かりました。ではここへの地図を用意しましょう」
「ありがとうございます」
あたりはもう夕方を迎え、街の賑やかさは、夜の賑やかさへと移り変わろうとしている。
そろそろ帰らないと、みんなも怒るだろうからここで一度帰り、明日、また来よう。と思った。
「気をつけて」
地図を片手にハルトはドアを開けた。『ギギギ』と古びた音がなる。地図を頼りに右へ左へ……そしてギルドへ、ギルドに着く頃にはすでにあたりは暗くなっていた。
ギルドの扉を開ける。ギルドの近くを歩いていた時から聞こえていた冒険者たちの笑い声や話し声が、扉を開けた瞬間に何倍にもふくれあがる。
開いて右奥。そこにいたのはアキヤとフユカとガンバだった。
「よっ、どこ行ってたんだ?」
「ああ、それはーーーーーーーーーー」
「奴隷商。やろ?」
ガンバ、ハルト、アキヤの順で話を進めた。
「でもそれ以上の何かが奴隷商で起こったんだね?」
「ハハッ、何でもかんでもお見通し……ここまでバッサリと言われたらちょっと怖いな」
ハルトがアキヤの凄さに毎度ながら驚くも、当たっていることに少し恐怖心が湧いた。
「今日行ってきた奴隷商にーーーーーーーーーー」
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