春夏秋冬〈シーズン〉〜異世界を翻弄する最強4人兄弟〜
第20話 〜別行動〈ハルト〉1〜
「さぁて、何をしようかな……」
5人が別行動になった後、ハルトはショーランの街を探索…というより、暇そうな雰囲気で黙々と歩いていた。
『いらっしゃーい』や、『まいど!』のような商売人の声が連呼する中、ハルトは1つ気になることがあった。
「そーいえば、この世界には奴隷って居るのかな?」
そう。異世界名物、奴隷があるのかどうか……
ハルトは、にわかオタクなりの知識は持っていたので、一度、そのような考えが頭に浮かんでしまった。嫌、オタクなら当然の心理なのだと春とは心の中で勝手に決めつけた。
ハルトは疑問を抱いたりすると迷わずその疑問にぶち当たるタイプだ。すぐさま奴隷が売っている店を探した。時間的に残り3時間ほどだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
歩き始めてから1時間。探し始めてから55分が経過した。ハルトは未だに街中を彷徨っている。ここだけの話になるのだが、ハルトはただ、この1時間同じ所を3周しただけだ。そう、ハルトは方向音痴だった……
「はぁぁ、奴隷ってどこに売っているんだろう……」
ハルトがそう、弱音を呟いた時、街中の人混みの中から1人の男が話しかけてきた。
「それならわたくしにお任せください」
「!?」
ハルトはすぐに後ろを振り向いたが、ハルトの後ろには誰もいなかった。すると……
「すいませんな、驚かせてしまったようで。まぁまぁ、驚かないで下さい、あなたのお言葉を少々耳にしましたな。奴隷を…探しているんですよね」
「……ああ」
不意に後ろから声がした。おそらくハルトが振り向いた瞬間に背後に回っていたらしい。しかも通行人の人々は俺たちを不審に思っていない。つまり誰もこの男のことを指南していないのだ。ハルトもいくらプライベートといえど“気配察知”は常に作動していた、もし仮に、近くに人が不自然に近づいてこようものならそれ相応の対応をするつもりだ。
しかし、ハルトの“気配察知”の範囲内にそんな人物は1人もいなかった。つまり言える事はこの男の強さはそんじょそこらのものではないという事だ。
スキルLv.3+ハルト自身の強さでさえ捉えなかった人物なのだ。単純な戦闘でハルトが負けるわけないが、だとしても…そうだとしてもこの男ただの奴隷商などではない。
「おっさん何もんだ?」
ハルトは振り返らずに少し強気に声を掛けた。
「はっはっは、ただの奴隷商ですよ。それに、あなた様の実力はすでに分かっております。敵に回せば……戦闘になれば、わたくしは1秒たりともその場に立たないでしょうな」
はっはっは、と笑いながら答えた男の姿を良く見ると、白い髭を生やした60代前後の黒いフードを被った180センチメートルほどの老人だった。しかし、少しその姿に反してこの男の強さは凄まじい事は、ハルトはしっかりとわかっていた。
「立ち話もなんでしょう。さあさあ、こちらへどうぞ」
そう告げられ、老人の跡を追いかける。その間もハルトはその老人のすごさを感じていた。そう。誰も彼を目視出来ないのだ。かろうじてハルトは“気配察知”のおかげで何とかなっているが、そのほかの一般人は見向きもしない。足跡1つ立てずに、通行人に1ミリもかすらずに路地裏へと入っていった。
一度迷うと一生出られなくなりそうなほど入り組んだ路地裏を老人はスタスタと歩く。さっきの忍び足はどこにいったと言わせるかのよう堂々と歩く。
「これ、戻れるのかな……」
「ご安心を。ちゃんと地図を配ります」
ハルトは帰りの事を心配しながらも黙々と歩いて行く。
「着きましたぞ」
路地裏に入って1分ほどで奴隷商についた。感覚としてはヤンキーのたまり場のような感じだった。木でできたボロい外装にいつなったか分からない赤色のペンキが至る所に模様のような感じで塗ってある。
恐らくだがここは、結構いいお店なのだと思った。根拠は無いが、ただ、この男の強さからするにもとは冒険者かなんかなんだろう。
『ギィィィ……』
開けると同時に古くなったドアの音が店内を包む。いつ掃除したか分からないような内装。黄ばんだ床。天井を見ると、蜘蛛の巣や雨漏りもしていた。
「だっ、大丈夫なのか…」
「ははっ、店の出来には問題大有りですが、商品の良さなどは保証致します」
ここは奴隷商。商品というのは恐らく奴隷の事だろう。ハルトは一応、15000ラドを持ってきたのだが、すぐに買うかどうかは決断しにくい。もし仮に、買って帰ったとして、みんなはどういうか……明らかに引くと予想される。それどころか、特にフユカからは普段からは想像もできない怒りっぷりを見せる事だろう。
「一応、見せてもらおうか」
「かしこまりました」
「そういえばこの店はおっさん1人なのか?」
「いえ、あと2人ほどこの店で働いているものがおります」
「どこにいるんだ?」
「商品の食事と私たちの食事の分の買い出しに…それと、わたしの様に奴隷を買いたいと思っている方々の勧誘に行っております」
「へぇ…」
「とにかく奥へ…お話しはそこで致しましょう」
「ああ」
ハルトは、もはやレジなのかそうでは無いのか分からなか くなっているカウンターの横にあるドアを開け、奥の部屋へと進む。一応“気配察知”で何人ほどいるかは把握しているので、迷う事なく進む。
「これが、私が経営する店の商品です」
5人が別行動になった後、ハルトはショーランの街を探索…というより、暇そうな雰囲気で黙々と歩いていた。
『いらっしゃーい』や、『まいど!』のような商売人の声が連呼する中、ハルトは1つ気になることがあった。
「そーいえば、この世界には奴隷って居るのかな?」
そう。異世界名物、奴隷があるのかどうか……
ハルトは、にわかオタクなりの知識は持っていたので、一度、そのような考えが頭に浮かんでしまった。嫌、オタクなら当然の心理なのだと春とは心の中で勝手に決めつけた。
ハルトは疑問を抱いたりすると迷わずその疑問にぶち当たるタイプだ。すぐさま奴隷が売っている店を探した。時間的に残り3時間ほどだ。
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歩き始めてから1時間。探し始めてから55分が経過した。ハルトは未だに街中を彷徨っている。ここだけの話になるのだが、ハルトはただ、この1時間同じ所を3周しただけだ。そう、ハルトは方向音痴だった……
「はぁぁ、奴隷ってどこに売っているんだろう……」
ハルトがそう、弱音を呟いた時、街中の人混みの中から1人の男が話しかけてきた。
「それならわたくしにお任せください」
「!?」
ハルトはすぐに後ろを振り向いたが、ハルトの後ろには誰もいなかった。すると……
「すいませんな、驚かせてしまったようで。まぁまぁ、驚かないで下さい、あなたのお言葉を少々耳にしましたな。奴隷を…探しているんですよね」
「……ああ」
不意に後ろから声がした。おそらくハルトが振り向いた瞬間に背後に回っていたらしい。しかも通行人の人々は俺たちを不審に思っていない。つまり誰もこの男のことを指南していないのだ。ハルトもいくらプライベートといえど“気配察知”は常に作動していた、もし仮に、近くに人が不自然に近づいてこようものならそれ相応の対応をするつもりだ。
しかし、ハルトの“気配察知”の範囲内にそんな人物は1人もいなかった。つまり言える事はこの男の強さはそんじょそこらのものではないという事だ。
スキルLv.3+ハルト自身の強さでさえ捉えなかった人物なのだ。単純な戦闘でハルトが負けるわけないが、だとしても…そうだとしてもこの男ただの奴隷商などではない。
「おっさん何もんだ?」
ハルトは振り返らずに少し強気に声を掛けた。
「はっはっは、ただの奴隷商ですよ。それに、あなた様の実力はすでに分かっております。敵に回せば……戦闘になれば、わたくしは1秒たりともその場に立たないでしょうな」
はっはっは、と笑いながら答えた男の姿を良く見ると、白い髭を生やした60代前後の黒いフードを被った180センチメートルほどの老人だった。しかし、少しその姿に反してこの男の強さは凄まじい事は、ハルトはしっかりとわかっていた。
「立ち話もなんでしょう。さあさあ、こちらへどうぞ」
そう告げられ、老人の跡を追いかける。その間もハルトはその老人のすごさを感じていた。そう。誰も彼を目視出来ないのだ。かろうじてハルトは“気配察知”のおかげで何とかなっているが、そのほかの一般人は見向きもしない。足跡1つ立てずに、通行人に1ミリもかすらずに路地裏へと入っていった。
一度迷うと一生出られなくなりそうなほど入り組んだ路地裏を老人はスタスタと歩く。さっきの忍び足はどこにいったと言わせるかのよう堂々と歩く。
「これ、戻れるのかな……」
「ご安心を。ちゃんと地図を配ります」
ハルトは帰りの事を心配しながらも黙々と歩いて行く。
「着きましたぞ」
路地裏に入って1分ほどで奴隷商についた。感覚としてはヤンキーのたまり場のような感じだった。木でできたボロい外装にいつなったか分からない赤色のペンキが至る所に模様のような感じで塗ってある。
恐らくだがここは、結構いいお店なのだと思った。根拠は無いが、ただ、この男の強さからするにもとは冒険者かなんかなんだろう。
『ギィィィ……』
開けると同時に古くなったドアの音が店内を包む。いつ掃除したか分からないような内装。黄ばんだ床。天井を見ると、蜘蛛の巣や雨漏りもしていた。
「だっ、大丈夫なのか…」
「ははっ、店の出来には問題大有りですが、商品の良さなどは保証致します」
ここは奴隷商。商品というのは恐らく奴隷の事だろう。ハルトは一応、15000ラドを持ってきたのだが、すぐに買うかどうかは決断しにくい。もし仮に、買って帰ったとして、みんなはどういうか……明らかに引くと予想される。それどころか、特にフユカからは普段からは想像もできない怒りっぷりを見せる事だろう。
「一応、見せてもらおうか」
「かしこまりました」
「そういえばこの店はおっさん1人なのか?」
「いえ、あと2人ほどこの店で働いているものがおります」
「どこにいるんだ?」
「商品の食事と私たちの食事の分の買い出しに…それと、わたしの様に奴隷を買いたいと思っている方々の勧誘に行っております」
「へぇ…」
「とにかく奥へ…お話しはそこで致しましょう」
「ああ」
ハルトは、もはやレジなのかそうでは無いのか分からなか くなっているカウンターの横にあるドアを開け、奥の部屋へと進む。一応“気配察知”で何人ほどいるかは把握しているので、迷う事なく進む。
「これが、私が経営する店の商品です」
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