~魂~ IN OUR SELF

うみかぜ

第54話 説得

リョウ達は仕事依頼屋「ビマック」に出された試練を見事にクリアした。しかし、オドマーテスの説得というミッションが残っていた。




リョウの部屋にリョウ、ガールナー、ジャータが集まった。
「なぁ。これって先にオドマーテスさんを説得するもんじゃなかったのか.........。」
誰に呼びかけているのか分からないリョウの話し方。誰も返事はしなかった。
「とりあえず、ガールナーは説得にこなくても大丈夫だ。」
「え?なんでよ。」
「なんか大事なところでド天然出して失敗しそうだから。」
「たまにひっどいこと言うわね。リョウは。」
ガールナーは頬を膨らましてそっぽを向いてしまった。ジャータの無言の圧力もリョウを焦らせた。しかし、それはすぐに解決した。
「いいわ。私、行かないことにする。確かに説得に行くのに余計なこと言ったら意味無いし、3人で押し寄せる必要もないしね。」
「なんか、すまん。」
謎の沈黙。しばし、気まずい空気が流れた。リョウはジャータの肩を叩いて「行くか。」といって一旦自室から退出した。ジャータとリョウはそのまま廊下で、どう話すかを、決め始めた。
「とりあえず、その星がどれだけピンチなのかを伝えた方がいいよな。」
「そうですね。でも、僕の役割には反対すると思います。星の電気系統を完全復活させるのは無理だろうと。」
「そうだな。ジャータを連れて行くことに意味があるからなぁ。.........」
そう言ってリョウは壁に寄りかかって俯いて考え始めた。しかし、ジャータは考えることをしなかった。そして、
「大丈夫です!僕が必ず説得して見せます。」
「だ、大丈夫なのか?」
「やってみせます。」

そうして、2人はオドマーテスの部屋にやってきた。いいか?といい、リョウはジャータを確かめる。無言で頷き、リョウはそのままドアを、ノックした。「はい。」と言う声が聞こえたのでそのまま部屋に入っていく。
「失礼します。今日はとあることで、交渉に来ました。」
「交渉?」
疑問形で聞き直した。それもそのはず。急に自分の部屋に来たかと思うと、いきなり交渉と言われたからには疑問を隠せない。ジャータも話し始める。
「単刀直入に言うと、僕、リョウさん、ガールナーさんで、別の星に仕事をしに行きたい。」
「ほう。」
「それの許可を取りに来たんだ.........。」
「それはいつじゃ?」
「明日。」
「明日?」
オドマーテスは一瞬にして、事情が分かったらしく、すぐに言葉を返してくる。
「ということはもう決まった出来事なのだじゃろ?なら行ってよかろう。」
「え!?いいのですか?」
「そんなもう決まってしまったことを私が止めて他、の方に迷惑をかけるわけにはいかぬ。」
「あ、ありがとうございます!」
「ただし、」
すぐに言葉を返す、オドマーテス。
「ちゃんと前もって言いなさい。次からは認めんからな。」
「はい。すいませんでした。.........」
といい、リョウとジャータはオドマーテスの部屋を退出した。
「まあ、.........とりあえずよかったな。オドマーテスの最後に言っていた言葉を聞く限り、次はきっとダメだろうから、今回がラストチャンスと思っておいた方がいいかな.........。」
「そうですね。絶対成功されてやりましょう。」
「おう。」
「それでなんですが、リョウさんがサズメタ(戦闘力測定装置)を持っていると聞きまして.........。それを貸して頂けないでしょうか?.........正確に言えば改良させて返します・・・・・・・・・
「え、まあいいけど。」
リョウはポケットを漁って、取り出しジャータに差し出した。
「はいよ。」
「ありがとうございます。」
ひとまず交渉は成立。ついに明日旅立つ。

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