~魂~ IN OUR SELF

うみかぜ

第22話 驚きは何度でも

「ガハッっっ!小童はどうやら終わりのようだな!」

リョウは今まで普通に暮らしてきた高校生。急に『闘え』と言われてもそんなことができるはずもなかった。





「待て!ハンバス!私の事、忘れてない?」
「まぁ、そう急ぐなガールナー。後でじっくりと遊んでやる。」
「遊ぶ?ふざけないで!リョウを見殺しにできるわけがないでしょ!!私は全力であなたを倒す!!」
「ふんっ! くだらねぇ仲間意識だ。人の心配するなら自分の心配しな! 」


「はぁっ! 」
(早い!)

「 カード!」
(ビリビリ!!)
ハンバスはガールナーの一瞬の隙をつき、ガールナーの横側目掛けて高速移動。脇腹に全力の蹴りをだした。
それをガールナーは魔法で食い止めようとする。両方の力が交わって破壊音がなっていた。


「くっ! 」
(ぱリンっ! )
相打ちだった。両者一旦下がり、体制を立て直す。

「はぁはぁ……」
(危なかった……。あんなのまともに食らったら即死だわ。このままだと勝てる気がしない。作戦をたてないと。)



「ほう。まさか俺様の蹴りを止めるとは……やるじゃないか。だが、この俺様が魔法を使えるのは知らなかっただろう!!」


「なんだって.........!?」
普通は武力を使える、武道家。魔法を使える、魔法使い。その片方にしかなれない。しかし.........、
超重力ビックダウス!!」

!!?
「うっ!うご……けない……。」
ハンバスは武力、魔法の両方を操れた。


「はははっ! 残念だったな!俺は武術も魔法も使える二刀流ダブルなのだ! これでもうお前たちはおしまいだ!! 」

「トドメだ!!」
ハンバスが手をあげて技を出そうとした。その時、
「待てよ……。」
!?


リョウは顔が前を見てないまま起き上がった。
「ふんっ。なんだ小童か。しつこいやつめ。」
「まだ終わっちゃ、いねーよ……」
リョウは俯きながら話している。話している声量は小さいが、そのどこかに力強さを感じる。


「なんだって?まだ終わっちゃいない?
馬鹿か! 話すのがやっとじゃないか!  そんな状態からどうするつもりだ! 拍子抜けも甚だしいわ! 」

「だから……だから終わっちゃいねーんだよ!!!」


(ギュイーン!)

「何ィ!?」
(ドスッ!!)
「グワァー!!!」


リョウは影を残すように一瞬にして、ハンバスの目の前に現れた強烈なパンチを入れた。


「最後の決着をつけようじゃないか。ハンバス!」

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