召喚された賢者は異世界を往く ~最強なのは不要在庫のアイテムでした〜
第12話 転職
三日の時が経過した。
未だに森の奥へと潜っている。
次元収納に入っていた【テント】で休むと、魔物が寄ってこない。これはゲームの性能をそのまま引き継いでいたのだ。
しかもテントの中身は見た目と違い、中に入ると十畳くらいのスペースが確保され、ベッドとソファーが置かれている。
MMO時代に廃ゲーマーの勢いでひたすら狩りをしていたが、さすがに実際となると精神的と肉体的な疲れは寝なければ回復しなかった。
食事は森に行く前に串焼きを大量に買っており、それを齧りながら食事としていた。
倒してきたのは依頼に出ているオークだけではない。
出てきた魔物を次々と両手剣を振り回し葬っていく。
オーガやフォレストベア、フォレストウルフなど多岐に渡る。倒した魔物はすぐに次元収納に仕舞っていく。
次元収納の中ではカウントがただ増えていくだけで重さを感じることもない。
戦いの中で色々な収穫もあった。武器など、魔物の血のりで切れ味が悪くなると、一度次元収納に入れてから取り出すと、綺麗な状態で出てくる。
着ているローブについても同じだった。
そして俺は自分のステータスを眺めながら、多分にやけている。
◇――――――――――――――――――――◇
【名前】トウヤ・キサラギ
【種族】人間族
【性別】男
【年齢】16歳
【職業】回復術師
【称号】召喚されし者
【レベル】99
【特殊スキル】神眼 全属性魔法使用可 全スキル取得可 次元収納
【スキル】剣術 体術
【魔法】神聖魔法
【従魔】黒曜馬
◇――――――――――――――――――――◇
ついにレベル99まできた。
目指していたレベル100になったら、転職ができるはず……。
経験値100倍というチート指輪に感謝をする。
そして期待を込めてまた剣を持ち魔物へと襲いかかる。
――そしてその時は来た。
オーガを倒した時に全身が漲るように感じた。
魔物を次元収納《ストレージ】に仕舞い、俺は期待をしてステータスを開く。
◇――――――――――――――――――――◇
【名前】トウヤ・キサラギ
【種族】人間族
【性別】男
【年齢】16歳
【職業】回復術師
【称号】召喚されし者
【レベル】100
【特殊スキル】神眼 全属性魔法使用可 全スキル取得可 次元収納
【スキル】剣術 体術
【魔法】神聖魔法
【従魔】黒曜馬
転職しますか YES/NO
◇――――――――――――――――――――◇
待ち望んでいた画面が現れた。
「やっとだ……やっとこれで俺は狂戦士を目指せる!! やったーー!!」
勿論、画面の【YES】を意識する。
◇――――――――――――――――――――◇
【転職できる職業】
魔法術師
高回復術師
◇――――――――――――――――――――◇
「えっ……そんな……」
期待をしていた一次職について表示されているのは【魔法術師】のみ。
二次職として【高回復術師】が表示されているのみだった。
俺は膝から崩れ落ちる。
「本気かよ……また魔法職かよ……」
早々に狩りをやめテントに引きこもることにした。どちらにしても職業を選択しなければ、これ以上レベルは上がることはない。
一次職のレベル上限が100であったからだ。
「どちらにするか……二次職を目指してもいいが、回復魔法は魔法書を読んですでに全て使える……意味がないか。魔法術師なんてやったことねぇぞ……。しかも魔法なんて知らねぇ……」
俺はテントの中で胡坐を組み、今後の事を考えた。
――そして一つの結論を出した。
「どの職でも剣持てば変わらないよな……」
俺はにやりと笑い、ステータスを開き職業を選択する。
そしてローブを身にまとい両手剣を持ち、テントからまた魔物を求め森を彷徨い始めた。
◇――――――――――――――――――――◇
【名前】トウヤ・キサラギ
【種族】人間族
【性別】男
【年齢】16歳
【職業】魔法術師
【称号】召喚されし者
【レベル】1
【特殊スキル】神眼 全属性魔法使用可 全スキル取得可 次元収納
【スキル】剣術 体術
【魔法】属性魔法 神聖魔法
【従魔】黒曜馬
◇――――――――――――――――――――◇
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コメント
ばけねこ
剣に魔法を付与してそのまま一気にレベル上げそう…
ストレスマッハ
脳筋ヒーラー
ノベルバユーザー252686
高回復師選ぶんだと思ってた
自称クズ
考え脳筋で草
伊予二名
ガッチガチの殴りwiz(・ω・)