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異能バトルの絶対王者が異世界落ち

チョーカー

第九次異能力戦争 初戦決着


 フォーム……
 格闘技に関わらず、スポーツなどでフォームが重要視されている。
 それは―――体の反動、勢い、体重移動。
 これらを使い、自身の筋肉から発揮する力以上の動きを可能とするためである。

 ゆえに―――

 異能力で加速した俺の体から繰り出される拳は————

 人間のソレとは比べ物にならない威力が乗る。
 キョウジの体は浮き上がり、室内の端―――壁と衝突。
 さらに追撃。1撃2撃3撃……連撃に次ぐ連撃。
 しかし、止められた。 拳が掴まれた。
 直後―———視点が回転する。

 (投げ? あの僅かなモーションで?)

 浮遊感。
 そして地面に叩き付けられた衝撃が全身に伝わる。
 視線の端でキョウジの追撃が見えた。
 蹴り……いや、踏付けフットスタンプか。
 予想以上に体は動かない。地面を這い、体を転がして回避する。
 だが、全ては避けきれない。背中が、腹部が、キョウジの踵で踏みつけれる。
 それでも距離をとり、片膝をついて立ち上がろうと―———
 走ってくるキョウジの姿を捉える。
 膝蹴り。それも―———真空飛び膝蹴り
 俺は両手で顔面を守る。

 衝撃

 吹き飛ばされる。
 追撃を防ぐため、体に走るダメージを無視して立ち上がる。
 しかし―――

 異能『白朧剣インビジブル

 全身に鋭い痛み。鮮血が飛び、遅れて斬られた事に気づく。

 「流石だな『異能殺し』。紙一重で動脈を斬られるのは防いだか」
 「っ……何をした?」
 「ふん、何の事だか?」

 俺の異能『肉体強化(大)』を上回る攻撃。
 何かをしている……いや、もしかしたら……
 俺は自分の胸を見る。俺の体と同化して、意識しなければ認識すら難しくなっている『異能の剣』

 「俺の身体能力を低下させている?……のか?」

 「正解だ」と言葉と同時にキョウジの蹴りが飛んでくる。
 見えているにも関わらず、体が鈍い。ガードが間に合わない。
 側頭部に蹴りが直撃。 意識が薄れる。

 「この剣は、刺した者に苦痛を与え3日後に死ぬ。しかし、それだけの効果ではない」
 「————ッ!?」
 「ゲームで言うデバフ効果。相手に気づかれず、その身体能力を低下させる効果がある。さらに————」

 キョウジは俺の胸に刺さった剣を手に取る。

 「相手が異能力者ならカルマ値を吸い取る事ができる」

 力が抜けていく。
 反対に半透明だった『異能の剣』が具現化していく。

 「二度の戦争勝者。奇蹟を2度起こせる業の深さ。それを全て手に入れれば『絶対王者』など、ならなくても―———」
 「いや、お前の負けだキョウジ。」

 異能『物体破壊バンカーバスター

 「同化していた状態では壊せなくても、具現化して実体を得た剣なら無条件で破壊できる」

 『異能の剣』は音もなく砕け散った。

 「————貴様! 白朧……」
 「待てよ。俺のカルマが外部へ漏れてる状態で異能を使う気か?」
 「ハッタリを―――

 異能『白朧剣インビジブル

 不可視の刃が俺を切り裂く。
 そうキョウジは想像していただろう。
 しかし、現実は―———

 「自身のカルマ値より外のカルマ値が多い。魔法とか覚えてたら、それも武器にできたのだろうが」

 俺は能力の暴発を誘った。
 キョウジの刃は自身の体を切り裂いた。
 いや、それだけでは終わらない。 キョウジの異能に反応して、外部に溢れたカルマが―———
 全て刃に変化する。 肉眼でも見えるほどの具現化した強力な刃が全て————

 キョウジへと吸い込まれるように―———

 「……た、助けてくれ!?」

 叫び声が響いた。 



 第九次異能力戦争 初戦

 『異能殺し』VS『神の存在証明』

 ――― 決着 ―――
 

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