異能バトルの絶対王者が異世界落ち
暗殺計画
『異能の剣』
大量の業を剣に込める事で発動する呪詛。
刺さった者には3日3晩の苦痛が与えられ死に至る。
————そのはずだった。
「……その大丈夫なのか?」
ライスは俺の胸に突き刺さっている剣を指差した。
俺は剣に触れようとしたが、そのまますり抜ける。
徐々にその存在感は薄れていき、今は半透明。
どうやら『異能の剣』は俺の体と同化が進んでいるみたいだ。だが————
「不思議な事に痛みがない」
苦痛を受ける異能力を―———呪詛をマトモに受けたにもかかわらず俺は苦痛を感じていない。
「こんな事があり得るのか? あの侵入者―――キョウジが能力に嘘を?」
「いや、違う。心当たりはある」
俺の異能力のうち、『猛牛の迷宮』を含んだ3つの能力が『××××(封印状態)』とステータスに表示されている。
『猛牛の迷宮』ともう1つの異能は、その使用条件から封印状態と表される理由はわかる。
しかし、最後の異能力は、『対異常状態(大)』だ。
「その異能力が呪詛を無効化しているのか」とライスは納得したが……
「いや、そう単純な話ではなく、あの膨大の業を完全に無効化できたとは思えない」
俺は素直に納得できなかった。
業は奇蹟の呼び水。それを完全に無効化するには同等のカルマ値が必要になる。
『対異常状態(大)』で対抗できるはずが……
「でも、『異能の剣』効果を弱体化させているのは間違いないだろ?」
「それは……確かにそう通りだ。原因はわからないが俺は戦える」
しかし、ライスは「戦える?……それは止せ」と止めた。
「戦うとしたら別だ。君が言う通り『異能の剣』の効果が0ではない以上————その不確定要素がある以上は戦うべきではない」
「なるほど、ライスはリアリズムだな。だが、戦士なら戦場で死ぬのは本懐なのさ」
しかし、ライスは「それは、君が死にたがりなだけじゃないのか!」とピシャリと反論した。
「そうかも知れないな」と俺は笑う。
「……けど、戦いには俺が必要になる。アイツの能力は俺が封印しているからな」
「お前、何をしたんだ?」とライスは怪訝な顔をした。
「アイツの異能力は他者と接触中に瞬間移動は使えない。 だから、アイツが最後に瞬間移動を使った時、糸を放った」
異能力『アリアドネの赤い糸』
俺の小指には不可視の糸が伸びている。
例え対象が異次元に逃げても追尾した糸だ。瞬間移動程度では逃れない。
そして、糸から伝わる情報は―———
「ライス、地図は持っているか?」
「あぁ、ここにある」と地図を取り出し、その場に広げた。
「アイツの———キョウジの居場所はここだ」
俺は指差す。
「……最前線だ」とライスは言った。
「元々の作戦は電撃戦だ。俺が死ぬ3日以内なら、敵の異能力を無効化できる。お前ならどうする?」
「……ズルいやつだ。だが、確かに奴は———あの異能力者は、我が王を暗殺しようとした。 血には血を。復讐には復讐を。暗殺には……暗殺だ」
大量の業を剣に込める事で発動する呪詛。
刺さった者には3日3晩の苦痛が与えられ死に至る。
————そのはずだった。
「……その大丈夫なのか?」
ライスは俺の胸に突き刺さっている剣を指差した。
俺は剣に触れようとしたが、そのまますり抜ける。
徐々にその存在感は薄れていき、今は半透明。
どうやら『異能の剣』は俺の体と同化が進んでいるみたいだ。だが————
「不思議な事に痛みがない」
苦痛を受ける異能力を―———呪詛をマトモに受けたにもかかわらず俺は苦痛を感じていない。
「こんな事があり得るのか? あの侵入者―――キョウジが能力に嘘を?」
「いや、違う。心当たりはある」
俺の異能力のうち、『猛牛の迷宮』を含んだ3つの能力が『××××(封印状態)』とステータスに表示されている。
『猛牛の迷宮』ともう1つの異能は、その使用条件から封印状態と表される理由はわかる。
しかし、最後の異能力は、『対異常状態(大)』だ。
「その異能力が呪詛を無効化しているのか」とライスは納得したが……
「いや、そう単純な話ではなく、あの膨大の業を完全に無効化できたとは思えない」
俺は素直に納得できなかった。
業は奇蹟の呼び水。それを完全に無効化するには同等のカルマ値が必要になる。
『対異常状態(大)』で対抗できるはずが……
「でも、『異能の剣』効果を弱体化させているのは間違いないだろ?」
「それは……確かにそう通りだ。原因はわからないが俺は戦える」
しかし、ライスは「戦える?……それは止せ」と止めた。
「戦うとしたら別だ。君が言う通り『異能の剣』の効果が0ではない以上————その不確定要素がある以上は戦うべきではない」
「なるほど、ライスはリアリズムだな。だが、戦士なら戦場で死ぬのは本懐なのさ」
しかし、ライスは「それは、君が死にたがりなだけじゃないのか!」とピシャリと反論した。
「そうかも知れないな」と俺は笑う。
「……けど、戦いには俺が必要になる。アイツの能力は俺が封印しているからな」
「お前、何をしたんだ?」とライスは怪訝な顔をした。
「アイツの異能力は他者と接触中に瞬間移動は使えない。 だから、アイツが最後に瞬間移動を使った時、糸を放った」
異能力『アリアドネの赤い糸』
俺の小指には不可視の糸が伸びている。
例え対象が異次元に逃げても追尾した糸だ。瞬間移動程度では逃れない。
そして、糸から伝わる情報は―———
「ライス、地図は持っているか?」
「あぁ、ここにある」と地図を取り出し、その場に広げた。
「アイツの———キョウジの居場所はここだ」
俺は指差す。
「……最前線だ」とライスは言った。
「元々の作戦は電撃戦だ。俺が死ぬ3日以内なら、敵の異能力を無効化できる。お前ならどうする?」
「……ズルいやつだ。だが、確かに奴は———あの異能力者は、我が王を暗殺しようとした。 血には血を。復讐には復讐を。暗殺には……暗殺だ」
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