異能バトルの絶対王者が異世界落ち
侵入者の正体
「この先は大広間だ。今の時間……我が王もそこにおられるはず……」
ライスは悲痛な声でいった。
「そうだ結界は? 敵が魔族だとしても、侵入を妨げる結界があるのではないか?」
「無論だ。この城内で魔法を利用した外からの侵入は弾かれる。しかし、何らかの手段で潜り込んだのかもしれん……」
「————ッ! 先に行かせて貰う」と俺は異能『赤い閃光』を使って先行する。
目前は大広間の扉。護衛である兵士が倒れている。
この瞬間、騒動の原因が敵襲だという事が明らかになる。
俺は勢いのまま、扉を開いた。
「————ッッッ!?」
何人もの兵士が倒れている。ただの兵士ではなく、装備の良さから王直属の騎士団だとわかる。
ならば、王は?
……いた。場所は部屋の奥。
王だけではなく、アスカもナナもいた。
アスカは王を庇うように前に出て、剣を構えている。おそらく、倒せれた騎士の剣だったのだろう。
その剣先はここからでも震えが見て取れる。
そして、そのアスカを庇うようにナナがほうきを構えている。
構えている? 庇っている?
誰に対して?
決まっている。侵入者からだ。
侵入者は黒い服。顔も布で覆われて隠している。
長剣は抜いておらず、腰に鞘ごと指している。
代わりに手にしている武器はナイフだ。
「お前が敵か!」
俺の接近に気づいていなかったソイツは驚きを見せながら振り向く。
「このタイミング」
無防備なソイツの顔面に拳を叩き込んだ。
そのはずだった。
「むっ……避けられた」
一瞬、敵影を見失う。 だが————
「そこだ!?」
俺は体を捻ると背後に陣取っていた侵入者へ裏拳を飛ばす。
裏拳打ち
手ごたえはあった。だが————
「ちっ……浅いか」
侵入者は距離を取るように後ろへ飛んだ。
————否。
侵入者のナイフが、その腕が伸びたかのように俺の顔面に向かって来る。
「ちっ……」と舌打ちしながら腕を振るい弾こうとする。
「なんだと!」
しかし、できなかった。
空振り。弾く直前で侵入者の姿が消える。
「瞬間移動の魔法。これが魔法の戦いか」
おそらく、ヤツの腕が伸びたように見えた方法。
あれは、後ろに飛んだと思わせて、瞬間移動で前に飛んでいたのだろう。
またしても俺の背後から、侵入者が現れた。
おそらく、ここにいる騎士たちを殺した方法もコレか。
背後への連続移動を利用してナイフで一突き。
それは騎士たちの全員がうつ伏せで殺されていることから、わかる。
矜持の高い騎士たちに取って、何よりも屈辱的な殺し方……
「だが、俺には通用しない」
侵入者はナイフを構えた状態で止まった。まるで体を透明な縄で拘束されたかのようだ。
事実、拘束している。
「異能『アリアドネの赤い糸』 お前には見えないだろうが、俺の小指から不可視の糸がでていて、お前を捕縛している。……おっと瞬間移動で逃げても無駄だぞ。この糸は、例え異次元に逃げても、お前を追尾する」
俺は侵入者を動けないのを確認すると「もう大丈夫だ。安心しろ」とアスカとナナに声をかけた。
ナナは空中に文字を出す。
(いや、読めないっての)
しかし、それを見たアスカが――――
「ダメです! その男は、その男が使っていたのは魔法ではなく————」
小指から糸の感覚が消える。
糸が切断された? 馬鹿な!?どうやって?
疑問符が頭に浮かんだ直後、アスカの声が届いた。
「————異能力者です!」
ふり返れば、またしても背後からの攻撃。
ギリギリで腕を掴んでナイフが俺の体に侵入するのを防ぐ。
だが、防げたのはそれだけ。侵入者の拳が俺を叩く。
「ぬぐっ……」
両足から力が抜けて体が沈む。片手を地面につき、倒れるのを防いだ。
「瞬間移動に対応するとは流石だな絶対王者。私の名前はキョウジ。第六次異能力戦争の残党であり————
今回の戦争である————
第九次異世界戦争の参加者だ」
ライスは悲痛な声でいった。
「そうだ結界は? 敵が魔族だとしても、侵入を妨げる結界があるのではないか?」
「無論だ。この城内で魔法を利用した外からの侵入は弾かれる。しかし、何らかの手段で潜り込んだのかもしれん……」
「————ッ! 先に行かせて貰う」と俺は異能『赤い閃光』を使って先行する。
目前は大広間の扉。護衛である兵士が倒れている。
この瞬間、騒動の原因が敵襲だという事が明らかになる。
俺は勢いのまま、扉を開いた。
「————ッッッ!?」
何人もの兵士が倒れている。ただの兵士ではなく、装備の良さから王直属の騎士団だとわかる。
ならば、王は?
……いた。場所は部屋の奥。
王だけではなく、アスカもナナもいた。
アスカは王を庇うように前に出て、剣を構えている。おそらく、倒せれた騎士の剣だったのだろう。
その剣先はここからでも震えが見て取れる。
そして、そのアスカを庇うようにナナがほうきを構えている。
構えている? 庇っている?
誰に対して?
決まっている。侵入者からだ。
侵入者は黒い服。顔も布で覆われて隠している。
長剣は抜いておらず、腰に鞘ごと指している。
代わりに手にしている武器はナイフだ。
「お前が敵か!」
俺の接近に気づいていなかったソイツは驚きを見せながら振り向く。
「このタイミング」
無防備なソイツの顔面に拳を叩き込んだ。
そのはずだった。
「むっ……避けられた」
一瞬、敵影を見失う。 だが————
「そこだ!?」
俺は体を捻ると背後に陣取っていた侵入者へ裏拳を飛ばす。
裏拳打ち
手ごたえはあった。だが————
「ちっ……浅いか」
侵入者は距離を取るように後ろへ飛んだ。
————否。
侵入者のナイフが、その腕が伸びたかのように俺の顔面に向かって来る。
「ちっ……」と舌打ちしながら腕を振るい弾こうとする。
「なんだと!」
しかし、できなかった。
空振り。弾く直前で侵入者の姿が消える。
「瞬間移動の魔法。これが魔法の戦いか」
おそらく、ヤツの腕が伸びたように見えた方法。
あれは、後ろに飛んだと思わせて、瞬間移動で前に飛んでいたのだろう。
またしても俺の背後から、侵入者が現れた。
おそらく、ここにいる騎士たちを殺した方法もコレか。
背後への連続移動を利用してナイフで一突き。
それは騎士たちの全員がうつ伏せで殺されていることから、わかる。
矜持の高い騎士たちに取って、何よりも屈辱的な殺し方……
「だが、俺には通用しない」
侵入者はナイフを構えた状態で止まった。まるで体を透明な縄で拘束されたかのようだ。
事実、拘束している。
「異能『アリアドネの赤い糸』 お前には見えないだろうが、俺の小指から不可視の糸がでていて、お前を捕縛している。……おっと瞬間移動で逃げても無駄だぞ。この糸は、例え異次元に逃げても、お前を追尾する」
俺は侵入者を動けないのを確認すると「もう大丈夫だ。安心しろ」とアスカとナナに声をかけた。
ナナは空中に文字を出す。
(いや、読めないっての)
しかし、それを見たアスカが――――
「ダメです! その男は、その男が使っていたのは魔法ではなく————」
小指から糸の感覚が消える。
糸が切断された? 馬鹿な!?どうやって?
疑問符が頭に浮かんだ直後、アスカの声が届いた。
「————異能力者です!」
ふり返れば、またしても背後からの攻撃。
ギリギリで腕を掴んでナイフが俺の体に侵入するのを防ぐ。
だが、防げたのはそれだけ。侵入者の拳が俺を叩く。
「ぬぐっ……」
両足から力が抜けて体が沈む。片手を地面につき、倒れるのを防いだ。
「瞬間移動に対応するとは流石だな絶対王者。私の名前はキョウジ。第六次異能力戦争の残党であり————
今回の戦争である————
第九次異世界戦争の参加者だ」
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