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異能バトルの絶対王者が異世界落ち

チョーカー

作戦会議

 「と言うわけで、ナナを預かるようになった」

 俺は詳細は伏せ、適当な作り話をアスカにした。
 まさか「俺、爆弾」なんて言わるわけがない。どんな自己紹介だ。

 「構いません! ナナちゃんはお姉ちゃんと同じお部屋で暮らしましょうね」
 「……」

 おい、今まで見た事ないくらいの勢いで首を横に振ってるぞ

 「そんなに照れなくていいのですね!」

 アスカはナナを抱きあげて自室に去って行った。

 「アスカ、意外と力あるな。小さいとは言え、暴れ狂ってるナナを小脇に持って行ったぞ」
 「えぇ姫様も先頭に立って戦うため、日ごろから自身を鍛えていますので」

 そう言ったのはライスだ。
 初対面、初決闘時には知らなかったが、近衛兵として最強として、魔王討伐作戦の指揮を取るのがっこのライスらしい。
 要するに俺に取って上官って立場だ。 

 「それで戦況ってのは、どうなっているんだ?」
 「では、こちらをご覧ください」

 ライスは地面に地図を開いた。

 「ここが我が国である」
 「うむ……」
 「そして、ここが魔王の本拠地である『マグン』だ」
 「う、うむ……」

 俺はこの世界の事を良く知らない。
 だが、この世界が―――いや、この星の面積が地球と一緒だとしたら……

 「ユーラシア大陸横断と同等レベルの距離を魔王軍と戦いながら本拠地まで攻めて魔王の首を取って来いって事か」

 無理も良い所だ。
 しかし、ライスはこう説明した。

 「そう思うのは当然と思うが……安心しろ」
 「?」
 『魔王軍』は要所である都市を落として占領しているだけだ」
 「だけ……」

 俺は少し考える。

 「魔王軍は進軍を開始して何年だ?」
 「『マグン』の若き魔族の王が『魔王』を名乗り、世界に宣戦布告。進軍開始してから3年だ」
 「たった3年で、この国の数を落として来た? いや、進軍速度が速過ぎる」
 「その通りだ。国の拠点を統治しているが……統治しきれてるわけではない」
 「統治しきれてない。そうか! 戦線を伸ばし過ぎて支配下のコントロールが効きにくくなっているのか」

 「そのお通りだ」とライスはニヤリを笑った。

 今、この国は最前線の戦場だ。しかし、戦地に兵を送っている様子はない。
 いや、送っているのは送っているのだろうが……あまりにも少なすぎる。

 「おそらくは膠着状態。戦争が止まっているのか?」

 「御名答」というのがライスの返事だ。

 おそらく魔王軍は領地拡大を急ぎ過ぎた。
 滅ぼした国々と言っても人間が全滅しているわけではないのだろう。
 都市を落として、住民を奴隷に落としたとしても、その国に住む全ての住民を支配した事にはならない。
 例え、王族が健在で、現勢力下での統治権を代行させれば————それでも兵士の残党も入れば、レジスタンスなど抵抗組織は現存しているはず。 それも、ほぼ全ての国にだ。
 つまり―———

 「つまり、『魔王軍』は息切れを起こした?」
 「その通りだ。だから、今なのだ。 戦争が停止した隙に少数精鋭部隊で各国の要所を―――支配を任せている魔族を倒せば……我らは押し返せる」

 「なるほど……つまりは電撃戦か」と俺は唸った。
 それから————
 「で? 実行するのはいつからだ?」と聞いた。

 「そうだな。騎士団の計画では―———」

 しかし、ライスの言葉は、ここで止まった。
 なぜなら―———

 「悲鳴? 何があった?」

 そう女性の悲鳴が聞こえたのだ。

 「いくぞ!」と俺は自室を飛び出した。
 

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