叶えば所詮、夢物語
戦闘 ー青紫ー
「イギィィーー!!」
ゴブリン達の甲高い叫びと共に真紅達は臨戦態勢をとる。
この場にいる全員が瞬時に目を発動させ、真紅は皆の剣に能力を添付。瑠璃はメンバー全員の身体能力、剣の切れ味の向上。蜜柑は範囲回復を発動した。
真紅の能力は見たもの拡張する。故に重さを変えぬまま、切れる範囲だけを拡張するしたのだ。
それに加え瑠璃によって切れ味及び身体能力を向上させれてるため、若紫の一振りで同時に3体も真っ二つにした。
翡翠も銃と短剣でゴブリン達を牽制しつつ、圧倒的な速さでし仕留めていく。短剣で攻撃し、瞬時に後ろへ後退し銃で仕留めるを繰り返す
皆それぞれ、自身の武器を用いてゴブリン達を次々と倒していく
一体どれほどの時間が経っただろう。
息をする暇が生まれた頃には、真紅達の周りはゴブリンの死体で埋め尽くされていた。
どうやら真紅達はゴブリンとの命の駆け引きにおいて勝利したようだ
しかしそんな中、勝利への美酒に酔いしれる事は出来なかった。
おびただしい数の死体、臓物、血生臭、その他色々な要因が、喜びなど跡形もなく掻き消してゆく
真紅逹はこの血の海の中、ただ立ち尽くしていた
自分はどんな風になっているのだろう。きっと全身真っ赤だ。だって自分自身から血の鉄臭い匂いがするのだから。
何故こんな光景を見ているのにも関わらず、何故なにも感じないのだろう。自分で自分が気持ち悪いと感じてしまう
感覚が、狂ってしまったのだろうか
しかし翡翠と蜜柑はそんな真紅とは対照的だ
翡翠と蜜柑は生き残る為、戦いに集中していたのだろう。戦いが終わり集中が切れ、ふと我に返った時、目の前に広がる地獄絵図に嘔吐している。
瑠璃と若紫は2人の事を看病しているが、看病している2人の顔も険しくなっている。
真紅は取り敢えず、ゴブリンの肉片をまとめる。そうしているうちに平常な感覚に戻り、臓物と血生臭さに込み上げる吐き気を我慢しつつ一箇所にまとめる。
倒したゴブリンの合計  約120体前後。どうやってこんなにも沢山のゴブリを倒せたのか自分でも不思議に思ってしまう。
実は、無我夢中で戦っていた為、戦っていた時の記憶が残っていない。ただ残っているのは、肉を切った時の嫌な感触だけだった
真紅はゴブリンをひとまとめにすると、皆んなが集まる場所へ向かった。
翡翠と蜜柑は既に寝ており、瑠璃と若紫はうつむき座り込んでいる。そんな状態でも2人は警戒を怠っていない。
真紅は2人の元へ行き声をかけるが、2人の声はどこか弱々しく、若紫もいつものオラオラ感がない。
「大丈夫?」
「まぁ、俺は大丈夫だけどさぁ……女子2人はヤバいと思うぞ。若紫でもあんな感じになってるしな」
そう言い終えると瑠璃は若紫の方へと視線を移す。そこにはぐったりとした若紫の姿をがあった。
「うるせぇーぞ、バーカー …… はぁ〜  確かに気づいたらあんな風になってたら、かなりの衝撃だと思うぞ。俺もまあ……唖然としたぞ、あの風景には」
となれば、翡翠と蜜柑は相当キツかったのだろう。若紫でもこんな感じなのだから、女子2人は耐えられなかっただろう。
「そうだよね、 女の子にあれはキツイよね。そうなると、このままここに居続けるわけにはいかないよね。ここにいるだけで、嫌こと思い出すだろうし……」
「それじゃあ、街に向かうか?  俺たちもそれなりに強くなったこどだし」
瑠璃と真紅は同じ考えを持っていたようで、瑠璃の提案に真紅も乗ることにした。
「そうだね。そうしようか、それなら出発は早い方がいいよね。僕は明日の準備をしてるから。2人も休んでいいよ」
「バーカ、俺も一緒にーー」
「いいから!!……………大丈夫だから……何かあったら起こすから………」
真紅は今 自分の事で頭がいっぱいで周りに気を配る余裕がなかった。
そんな真紅の心情を察しているのか、若紫は「……そうか」と言い残し芝生の上で横になり寝てしまった。
《ごめん》
今日、5人は改めて知ったのだ。死に対する恐怖を
命を奪う重さを
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