叶えば所詮、夢物語
黄蘗
「凄いなー」
玄関を出てすぐ目に入ってきたのは、種々が生い茂る草原だった。
それは先が見えないほど広く、見渡す限り植物が生えていた。しかもこの日は晴天。程よく暖かく、爽やかな風まで吹いていおり  とても心地いい。こんな所で寝れたら さぞ気持ちいいだろうに
しかし、そんな事している時間はない。真紅たちは自分の力について何もわからないのだ。早く能力を理解し、使いこなさなければ。そのためにはまず、魔物を見つけないと元も子もない。そんな真紅たちは取り敢えずまっすぐ行ってみる事にした
魔物を求めて直進中、僕はふと疑問におもった、それは蜜柑と若紫の2人がなぜついてきてくれたのか。蜜柑の方は瑠璃が居るからというのもあると思うが……聞いてみるか
「ねぇ、蜜柑と若紫はなんで僕についてくれたの?  自分で言うのもあれだけど、あの時の僕かなりヤバい人だったよ?」
そんな真紅の唐突な質問に答えは意外とすぐに返ってきた。
「確かにあの時のお前は異常だった。でも言ってる事はまともだった、だからついてきた。それと、実は俺の目  少し薄めなんだよ。お前だったら薄くても変な扱いしなと思ったしな」
確かに色が薄かったらどんなチームに振り分けられるかわからないし、どんな扱いをされるかわからない。僕が若紫の立場だった、そんな危険な賭けには挑戦しないでついていくだろう。
質問に答えてもらい疑問が解消させると、今度は真紅に対し若紫が質問してきた
「逆に聞くけど、なんで俺を選んだ。お前とそんな話した記憶ねぇーけど」
「うーーん、確かにそんなに話した事ないし、見た目はオールバックで怖いけど、授業で少し話した時意外と良い人だなぁーって思って。そもそも僕、あんまり人と喋らないから、話して良い印象だった人が若紫しかいなかったっていうのもあるけど」
「そうか」
若紫は少し照れながらも返事をしてくれた
若紫との一連の会話が終わると、蜜柑が真紅の質問に答えてくれた
「えっと………  私も、あの時の真紅怖かったよ。でも瑠璃から聞いてた話からはそんな悪い人には見えなかったから………それに瑠璃もいるし」
それを聞いた時、蜜柑と瑠璃が一緒のチームに出来て良かったと思った。そして2人には僕と同じように  蜜柑には瑠璃が必要で、互いに支えあってほしい。真紅は改めて2人を同じチームにして良かったと思った
皆のそれぞれの理由を話しているうちに、雑木林が見えてきた。真紅たちは出発地点からかなりの距離を装備を背負ったまま歩いたので、皆バテバテだった。そんな時、オアシスの如く表れたのはこの雑木林だ。真紅たちはあと少しと、自分の体に喝を入れ  なんとか木陰まで着くことができた。
そして木陰に着くなり、皆はすぐに寝転んでしまった。この世界には魔物がいるのに無防備すぎる。
「みんな!!  魔物が出てきたらどうするのさ!!  休むならせめて座った方がいいよ」
「大丈夫だよ〜  ほんと真紅は心配症なんだから。まだ、魔物の1匹も見てないし大丈夫だって」
そうなのだ。真紅たちは出発して今まで、1度も魔物に遭遇していない。それがこの緊張感のカケラもない雰囲気を作り出し、翡翠がこの甘い事を考えしまう原因だ。
しかし真紅は後悔する。もっとちゃんと注意していればと
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