恋愛探偵

慣れる

発見これこそ生き甲斐

グラウンド側の窓が音をたてて揺れ動いている。
ここは、とある田舎の中学校である。
僕の名前は笹木亮介という入学したての新入生で、今いるのは、学校の1ー2組教室の窓に近い席だ。
時折、風が吹いてきて窓ガラスが小刻みに揺れる。
先生の話は、全くと言っていいほど頭に入らなかったのに対して、風の音は全てと言っていいほど頭に入る。
また、風が吹いた。
その瞬間、亮介以外にも窓ガラスに目を向けた人物がいた。
ロングヘアと言うのだろうか。髪は長く、どの方向から眺めても美しい女の子だった。
勿論、言うまでもないが僕から眺めても美しい。
一瞬、時が止まったように感じた。このままこの状況が続けばいいのにと一瞬思ったが、あり得ないと思い現実に戻ることにした。
窓ガラスの音が止み、先生の声が聞こえてきた。

「はい、皆さん、これから自己紹介をしてもらいま
す。是非、この機会に仲良くなってください。」

その、声を聞いた途端全てに近い生徒が緊張した顔をお互いに見合わせた。
勿論、僕も例外ではなく、緊張を隠すことはできない。
この自己紹介で、第一印象が決まるのだ。
人間は、第一印象が大事だと思う僕にとって大切なことなのだ。人間の印象は、80%は第一印象で決まるそうだ。
しかし、例外が一人いた。
さっきの美しい女の子だった。
その子は、前を向き悠々と座っている。
まるで、楽しみにしていたような顔をして。
その姿に少々疑問を持ちながらも、自己紹介が始まった。
それぞれが緊張しながらも、なかなか良い自己紹介になっている。
そして、僕の番になった。
緊張してあまり上手く喋れる自信がなかった。
椅子から立ち上がり、息を大きく吸い、深呼吸をして話した。
「第三小学校から来ました。笹木亮介です、えーと趣味は、小説を読んだりすることです。特にミステリーがすきです。宜しくお願いします。」

言い終わり一息つく、上手くいったという感覚があるので安心した。
席に帰ると、さっきよりも先生の声がはっきりと聞こえるように感じた。やはり、それほど緊張していたのかもしれない。

前を見ると見覚えのある顔があった。
あの女の子だった。
それを見た瞬間、僕は興味が沸いてきた。


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初投稿です。最後まで読んでいただきありがとうございます。面白かったらお気に入りお願いします。それにより次回発表するか否か決めたいと思います。













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