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劣等魔法の黙示録

雨草ハルタ

P.7 彼等

彼等と出会ったのは、この森だ。

ここは、黄昏の森と呼ばれており、時折、色んなモノが迷い込んでくる。

僕も、その迷い込んでくるモノの1人だ。倒れているところを、森の生き物達がショウに伝えてくれたらしい。

生き物達は、僕に良くしてくれる。色々な話を教えてくれたりする。

彼等の事も、生き物達が教えてくれた。

『トゥス、ベーチェ』

普通の声では、彼等とは意思疎通が出来ない。これは、僕の固有スキルの1つらしいと、ショウが教えてくれた。

『あ!主だ〜』

『あそぶの〜?』

キュイキュイと声を出して甘えてきた。
嘴で器用に、僕の腕の下に潜り込み、自分達の頭の上に、僕の手を乗せた。

『なでて〜』

『ぼくも〜』

彼等はヒポグリフ。見つけた状況から恐らく、双子だ。双子のヒポグリフは何故か、片翼で産まれる。その理由は諸説ある。
その為、自然界で生きていくことは難しく、親に捨てられることがほとんどだ。

見つけた時は小さかったが、半年で僕を乗せても問題無いくらいまで成長した。

彼等が満足した辺りで撫でるのを一旦やめた。

『遊ぶのはまた今度ね』

『あそんでくれないのー?』

『むうー』

体は大きくても、まだまだ遊びたい盛りの子供だ。

『今日は君達に話があって来たんだ』

『おはなしー?』

『なになにー?』

その後、彼等に急遽帰ってくることになった、ミルディンの事を伝えた。

そして、ミルディンは敵ではないし、僕らの仲間である事などを伝えた。

彼等は警戒心がとても強い。僕から伝えるのは、少しでもミルディンへの警戒心を緩めるためだ。

ショウは、2人を拾ってきた時から居たから、大丈夫だが、ミルディンとは会ったことがない。

『いいひとかなー』

『わるいひとかなー』

あどけない口調で話しているが、彼等の言うことはいつでも本心だ。もし、敵と認識したら、容赦なく襲いかかる。

それが、誰であってもだ。彼等はそういう生き物だと、学んだ。

「落ち着きがなくなってきたな...」

2人とも新しい人が増えると知って、興奮してきている。ギリギリまで2人のそばにいよう。




そろそろ、着く頃かねぇ...

空を飛ぶ大きな鳥の影。私はその鳥の背中に乗っている。

彼は、ウィングバードのトルク。私の使い魔の1人だ。

突然変異で他の個体との違いから、群れに捨てられ、黄昏の森で保護した。

『あと少し...』

『わかったよ、ありがとうねぇ』

トルクは、口数が少なく少しシャイだ。でもきっと、あの少年とは仲良くなれる。

「ショウがどこまで少年を鍛え上げたのか、楽しみだねぇ」

まもなく到着する。速達の手紙にそう書き記し、空へ放った。

空は、青く澄んでいる。何だかいつもりよも晴れ晴れと見える空を、手紙は太陽光を反射させながら送り主へと飛び去った。

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