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劣等魔法の黙示録

雨草ハルタ

P.5 様相

「あ、こちらです!」

「えっ? まさかその声...ショウ...?!」

「そうですよ これが私の本来の姿です」

大きな銀色の狐がショウだという。つり上がった、水銀のうよな瞳がこちらを見つめていた。

「コッチの姿だと驚かれる方が多いので、普段は人型になっています」

動く度に艶やかな毛並みが、太陽光を反射して美しく色めく。

「触ってみてもいい?」

「いいですよ」

僕はその毛並みに、手をそっと触れさせる。

滑らかではあるが、しっかりともふもふもしている。気持ちいい...。思いっきり抱きついてみたい...

「平気のようで安心しました...」

まじまじと、毛を見つめて触れていたら、ショウが少し安心したように笑った。

「安心...? なのん心配があるの?」

僕は触れていた手を一旦離して、ショウに向き合った。

「普通の方は大抵、私の姿を見ると、怖がったり、酷い方は失神したりするんです」

平然として話しているようだが、少し寂しそうな声音だった。

「そうなの?確かに少し驚いたけど... 僕は...ほら、記憶ないし普通とかよくわかんないんだ。」

僕は両手でショウの顔へ手を伸ばした。ショウもそれに応じて少し頭を下げた。

「だから、君は僕にとっての普通だよ」

ショウの顔にそっと両手で触れた。

「そ、うですか... そんな事...初めて言われました...」

「まあ、記憶ない人なんてそうそういないからね」

「ふふ、そうですね 私、決めました!」

唐突にそう言うと、ショウは僕から一旦離れた。そして、何かを呟くとその姿は、人型のショウに戻っていた。

「貴方を絶対に立派な紳士に育て上げます!」

固く握った拳を天に突き上げてそう言った。また、唐突な...でも意思はかたそうだ。てか、紳士って...まぁいいか...

「紳士は...さておき、ご指導よろしくお願いします」

「はい!勿論です。中々ハードですがめげずに頑張りましょう」

その日から、僕とショウの2人の生活が始まった。


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