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劣等魔法の黙示録

雨草ハルタ

とある村にて

僕はみんなと違う。

僕の髪は暗闇のように真っ黒い。目は血のように真っ赤い。

なんで僕はみんなと違うの?だから僕は《バケモノ》って言われるの?

僕の孤独を癒してくれたのは、師匠と森のイキモノ達だけだった。

師匠は、僕を褒めてくれるし、叱ってくれる。決して容姿が変わっているからって疎んだりしない。

イキモノ達は、僕の話を聞いてくれる。みんな僕を大好きな仲間と言ってくれる。愛しているんだと言ってくれる。
でも、何故かそのイキモノ達は僕と同じでみんなから《バケモノ》と呼ばれ疎まれていた。

僕はいつも通り家を出た。少し歩くとそこにはいつもの様に、数人の少年がいた。

「おい!バケモノ。」

センターに立っている体格の良い少年が、僕に石を投げつけてきた。
それは、僕の頭にあたり地面に落ちた。
頭からは赤い液体が流れる。僕は特別気にすることもなく歩き出した。

「うぇ~気持ち悪いな相変わらず。お前なんかとっとと死んじまえよ!居るだけで不愉快だ!」

そう言うと、周りの子達も石を投げ始めた。

ゴツっ、ガツッ。石は僕の身体に容赦なくあたり、傷や痣をつくる。

僕にはそうして出来た傷や痣が絶え間なくある。

僕は森へと向かう。いつもなら、この辺で少年達は引き返す。

しかし、何故か少年達はそうしなかった。



僕がいつもの様にイキモノと戯れていると、どこからか叫び声が聞こえた。

僕の傷を舐めてくれていた“ショウ”と名ずけたイキモノと急いで駆けつける。

すると、そこには、あの少年達がいた。みんな顔を真っ青にしている。その目線の先にはイキモノの中でもヤンチャなクマがいた。

そのクマは少年達目掛けて爪を振り下ろした。僕は咄嗟に庇った。

少年達は自分が殺られたと勘違いをして気絶した。

僕は少年達を、運ぶために立ち上がった。すると、ある違和感を感じた。それは、左足の感覚がなく地面についていないような気がした。

恐る恐る見ると、本来あるべき足が左にはなく、ぼとりと落ちていた。断面からは赤黒いものが滴り落ちた。

(「仕方がない...」)

僕が唯一、師匠から教わったある魔法を使った。すると、左足の断面から赤黒い足のようなものが生えた。

よし...これで、何とか歩けそうだ。

僕は1人の少年を背負い、両手に2人は挟み、残りの1人はショウに協力してもらった。

左足からは、まだ、赤黒いものが滴り落ちている。

僕が村につく頃には、日が暮れていた。ショウには、村人を怒らせるといけないから村の近くで分かれることにした。

僕を見つけたのは、少年達のリーダー格の父親だった。

薄暗くなった森を、松明を焚きその灯りが僕を照らした。

僕を見るやいなや言葉を失った。そして、みるみる内に顔の血の気が無くなっていった。

僕はなぜ、そんなにその父親が青ざめた顔をしたのか、理解出来なかった。

とりあえず僕がその父親にリーダー格の少年を引き渡す。
他の少年達の親も来ていたのでそれぞれに引き渡す。

ひと通り作業が終わると、意識を失った。

最後に聞こえたのは「すまない...」
最後に見えたのは、顔をクシャクシャにして泣きそうな大人の顔だった。

僕の意識は深い深い闇に落ちていった。




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