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劣等魔法の黙示録

雨草ハルタ

世界が終わった日

【???目線】
その日は、随分と平和で平凡に満ち溢れていた。
今日は8月15日。時間はお昼をすごたところ。真夏日を記録しとても暑かったのを覚えている。
外に出たくない僕はだらしなく部屋のベットに寝そべっている。私はふと空を見る。今日はやけに鳥たちが騒がしく空を飛び回っている。

そんな、のんびりとした昼過ぎを過ごしていると、それは、突然起こった。

激しい光と衝撃。凄まじい音。しばらくして硝子が割れ窓とは言い難い窓から外を見るといつもの街並みは変わり果てていた。

嫌という程見てきた街は半壊状態。硝子は飛び散り、屋根は崩れ落ち、壁には所々に人型が焼き付けられていた。
逃げ惑う人々で道路は覆い尽くされていた。
建物の中に閉じ込められた人々の悲鳴。大切な人を失った人々の鳴き声。空を飛んでいたはずの鳥達の死骸。
そこはもう、僕の知る世界ではなくなった。

僕は階段を駆け下りて外に出た。空を見上げると何かが降ってきた。それは、真っ黒な雨。雲は何故か赤い。

僕の肌に黒い雨が当たり流れ落ちる。僕はとても嫌な予感がした。

「きゃぁぁぁぁ!た、助けて!!!!」
「うわぁぁぁぁ!溶ける!嫌だ!!」
「死にたいない。死にたくない。助けてお母さん!!」

突然、周りにいた人が苦しみ始めた。黒の雨が当たったところから溶けだしたのだった。

それはまるで、地獄のようだった。赤い雲と黒い雨がこの光景の異様さを際立たせている。跡形もなく溶けていく人と、それを見て悲鳴を上げ、溶けてゆく人々。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」
僕はその光景を目の当たりにし、尻もちをつく。そして、怯える体を無理やり起こして走り出した。どこを目指している訳でもない。ただ、この不安と恐怖から逃れたかった。もつれる脚を動かし、必死に走った。
走っても、走っても無事な人はいなかった。その目に映るものはみんな溶けてしまったか、もう既に死んでいた。

僕は叫びながら走った。「誰かーーーー!誰かいないのか!!!」

僕は目の端に黒い雨の中、うごめく人影を捕らえた。駆け寄り「大丈夫か?!」と肩を掴み振り返らせた。振り返った少女は、目がなかった。目が溶け落ちてしまっていた。そして、みるみるうちに溶けてなくなってしまった。最後に「助けて...何も見えないの...」
そう、言い残して。

僕は1人になってしまったのだと思った。

その後のことはあまり覚えていない。

赤い雲と黒い雨。溶けゆく人々。それが、僕のよく覚えている最後の記憶となった。

これが、世界が終わった日に起こった出来事。知っているのは恐らく僕だけだろう。

そして、僕はきっと次に目覚めた時には忘れているのだろう...

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