私の世界〜「部活の後輩と付き合ってみた」スピンオフ〜

きりんのつばさ

3人登場










「な、な、な、なんで3人がここにいるの!?
というか国木田眠っていたよね!?」
確か国木田には睡眠薬を飲ませて眠らせたはず……
「そりゃ飲みましたよ睡眠薬……
だけど起きたよ。
ーーこの2人に起こしてもらった」
「えっ……」
「実は僕らと同じ電車の違う号車に2人を乗せて
いたんだよ。元々、君が何かしてきそうだったから
僕らが宿泊するホテルから樋口さんが出てきたら
僕の部屋に入って、起こしてくれるように頼んだ」
「いや〜なんかスパイみたいでドキドキしましたぜ〜!!
で、俺と澁澤さんは先輩を起こした後に
樋口さんが黒幕を呼びそうな場所をいくつか
ピックアップして見張っていたんですよ。
……って危ねぇな!!」
と死角からきた一撃を避けて、カウンターを決める森。
改めて後輩の運動神経の良さを見た。
「そう言えば樋口さん。最近ストーカーがいるって
話をいていたよね」
「う、うん。そうだけどそれが……?」
この前に地元で襲われてから、誰かに見られている
感じがして、国木田達に捕まえてもらったが、それ以降も
誰かの視線が感じた。
「その犯人さこの人」
と国木田が指を指したのは……
「広樹……?」
「おい〜!? それ言わなくてよくないか!?」
「……だって明らかに不審者だったぞ君。
僕があの時弁明しなきゃどうなっていたか……」
「それはすまん……」
「何で広樹が……?」
「それはだな……」
「それは樋口先輩が心配だったからですよ」
「次はお前かーー!!」
今度は森が広樹よりも先に答えていた。
そして先に言われていた広樹はそのイライラを周りにいた
男性達にぶつけていた。
「え、え、え、え、え!?私が心配……?
だって広樹って私の事嫌いなんじゃないの!?」
だって前回、同窓会で会った時も散々言っていたのに……
「……まさかだと思うけど樋口さん?
君、何で澁澤君が君を庇っていたのか分かってない?
ーーごめん〜森そっちに1人行った!!」
「分かりました〜!!」
「広樹が私を庇う理由……?
私がトロイ幼馴染だから?」
「「はぁ……」」
何故か国木田と森に溜息をつかれた。
「……だろうと思った。分かっている……
分かっている……大丈夫だ……」
広樹に至っては若干落ち込んでいた。
「私何か間違っている……?」
「間違っているも何も……何も分かって無いよ」
「ちょっとどう言う意味、それ?」
「それは……果たしてそれは僕が言っていいのか……
本人の口から聞いた方が良いよな……」
「お。俺か!? 俺が言わなくちゃいけないのか!?
あんな恥ずかしい事を!?」
広樹が急に慌て始めた。
「ねぇ広樹」
「どうした翔子……?」
「どうして私を助けてくれたの……?」
「やっぱり聞いてくるよな……普通
ーーって邪魔してくんな!!」
と広樹が1人を片付けると大方カタがついていた。
「う、嘘でしょ……」
三浦亜紀はさっきまで圧倒的に有利だったのに
一気に形勢逆転されて顔が青ざめていた。
(この3人凄すぎでしょ……)
「よし!!終わりましたね!!
ーーそれでこいつどうします?」
森が三浦の方を指差して言った。
「そうだね……こいつは無視していいと思うよ?
樋口さんはどうする?」
「私は……」
私は少し考えてみることにした。
「ねぇねぇ三浦ちゃん」
「な、な、な、何よ」
「今の発言録音したもの全て色んな場所に転送した」
「なっ!?」
広樹達が暴れている時にスマホで今まで録音していたもの
それまで保管していた音声を色々な箇所に送った。
……無論彼女の父親の悪事も含めて。
「まぁ明日以降、今まで通りに優等生の仮面は
使えないだろうね。
ーーだが〜とりあえず!!」
私は拳を握りしめ、腕に力を入れると
「私の怒りを食らうがいい〜〜!!
翔子ちゃんパ〜ンチ!!」
と三浦亜紀の顔を思いっきり殴った。
「うぐっ……」
思いのほか上手く入ったのか、彼女は少し飛んで
動かなくなった。
「あれ……翔子ってそんな力あったっけ?」
広樹はとても驚いた表情をしていた。
まぁそれもそうか。
私が体を鍛えるようになったのは広樹が私の前から
いなくなってからだ。
「翔子!?大丈夫か!? 怪我ないか!?」
広樹は私の方に来るなりそう言ってきた。
「わ、わ、私は大丈夫だよ……」
「良かった……!!」
「えっ……」
何故か私は広樹に抱きしめられていた。
「俺はお前に何かあったらと思ったら……
心配で……!! 良かった……本当に良かった」
「え、え、え、え、ええーー!!」
私は急な展開に混乱していた。
(広樹が私を抱きしめている!?
そ、そんな夢みたいなことが……
ってこれ現実だよね!? そうだよね!?)
私が幼い頃から憧れていた展開にドキドキしながらも
まだ物事の展開に頭が追いついていなかった。
「あの……お二人さん」
「何……国木田、邪魔しないで」
「……仲良いところすまないが後ろに僕達いるんだけど
ーーどのような反応をすればよろしいかな?
「「あっ」」
そう言えば後ろに国木田達がいた事を忘れていた。
「ひゅうひゅう若いねお二人さん〜」
と昔ながらの茶化し方でからかってくる森。
(よし。森は帰ったら痛い目合わせてやろう。
例えば、彼女に森のいかがわしい趣味でも送って
あげようかな〜〜)
「ねぇ森」
「はい、なんすっか?」
「ーー後輩が調子に乗んなよ?」
私は笑顔で森を脅迫していた。
「ひぃ!? すいません!?」
「……今のは自業自得だそぞ。
とりあえず場所移動しない?」
と国木田の提案に乗り、私達はその場所を後にした。









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