私の世界〜「部活の後輩と付き合ってみた」スピンオフ〜

きりんのつばさ

奴らも同罪










それ以降はつつがなく同窓会が進行していった。
……私に言い寄ってくる野郎どもは絶えなかった。
そしてお開きの時間となった。
「今日はみんな集まってくれてありがとう!!」
幹事のクラスメイトが中央でそう言った。
「「おお〜!!」」
「またこれからも集まれる事を期待してます!!」
(私は二度と来ないけどね)
広樹がいないなら私にここを訪れる理由は
両親以外全く無い。
そもそも広樹の悪口を言った奴らと二度と同じ空気を
吸いたくない。
「この後、一応二次会もありますので予定が無い人は
是非来てください!!」
となんかそう言っていたが、私は無視して会場を出た。


外に出ると国木田もほぼ同時に出てきた。
「すまん、待たせた」
「いや、いいよ。というよりも今回私のワガママに
付き合わせてごめんね?」
「いいよ僕は。でも樋口さん……」
「ん?何かな?」
「流石にさっきのはマズイよ……
もし僕が止めなければ何をするつもりだったの?」
「う〜んとね〜秘密をバラしたり〜社会的に抹殺
しようかな〜と思っていたよ?」
私がそういうと彼は手を頭に当て、大きな溜息をついた
「あのね……樋口さん、大好きな人の悪口を言われて
怒る気持ちも分かるけどさ……」
「国木田、貴方は何言っているの?」
「い、いやだからね?」
「ーーあの中に人なんていた?」
「えっ?」
「いやさっきの会場に人なんていないでしょ?
あっ、国木田は人間だよね。ごめん〜」
「いやいや君のクラスメイト達がいたじゃないの?」
「クズはいたけど、国木田以外に人なんているの?
いたら私に教えてほしいな〜」
と言うと国木田は驚いた顔をして
「まさか君は……」
「ーー私は広樹をいじめた奴らを人間だと思わない。
無論、見ていた奴らも同罪だよ?」
「樋口さん……」
「あっ、そういえば1つ忘れていた〜」
と言うと私はスマホを取り出してある操作をした。
「何をしているんだい樋口さん?」
「ん〜?私をナンパしてきた奴らの秘密を
クラスメイト達に送信中〜」
「ち、ちょいちょい!?何しているんだい!!」
「だって許せないじゃん
ーー広樹をいじめておいて自分達はのうのうと
暮らせるなんてさ。せめて全員分の秘密を
バラさなかっただけでも感謝して欲しいな」
「……本当にいいのかい?」
「ん〜? 特になんとも思わないよ?
だって国木田だって平塚がいじめられたら
許せるの? 我慢出来る? 私は無理」
「だけどさ……」
彼は困った表情をした。

ーー国木田は優しすぎる。

ーー人をあまり責められない。

ーー今回の行為だって私が全て悪い。

ーーなのに彼はどうにかして私を止めようとした。

(国木田、貴方のその性格は長所でもあり短所だよ)

「いいの、国木田。
あ〜あ結局、何も情報無しか〜」
「そうだね……てか明日も大学じゃん」
「ガンバ〜」
「……人を付き合わせておいて、酷く無いか?」
「まぁまぁ〜落ち着いて〜後でとびっきりの
デートスポット教えてあげるからさ」
「不安要素しかないんだけど……」
と私が話していると……

「やっと見つけたぞ、樋口」








次回やや、ピンチ

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