私の世界〜「部活の後輩と付き合ってみた」スピンオフ〜

きりんのつばさ

同窓会開始



今回から同窓会編が始まります。




そして次の日
私は同窓会の会場に向かった。
国木田は既に会場にて準備をしているらしい。
(まぁ、とりあえず頑張りますか)
ただですらあまり仲良くが無い人達と同じ空間に
いるのが疲れるのに、私が嫌いな人達ときたら
入る前から気が滅入ってくる。
「よし、行くぞ〜!!」
私は同窓会が行われる会場に足を踏み入れるのであった。

「あ、あれ……?あんな美人、俺らの中学にいたか?」
「いや、見覚えが無いが……スタイルいいな……」
「あんな子いたかしら……」
次々に聴こえてくるのは、前に私がイメチェンした時と
同じ会話だ。
(まぁ〜中学の私ってただ身長が高い地味な女子
だったから仕方ないよね〜)
そんな中で1人の男性が私の方に近づいてきた。
「あ、あの〜名前教えてもらえるか?」
「私? 私は樋口翔子だよ〜?」
「「ええっ!?」」
やっぱり安定の反応。
「ひ、ひ、樋口って!? 嘘だろ!?」
「すげぇ〜美人になっている……」
「というかモデルみたい……」
「樋口さんって今何しているの?」
今度は確かクラスメイトだったはずの女性が
話しかけてきた。
「今、都内の大学3年生だよ〜
翔子でいいよ〜"さん"はいらないよ〜」
と話している中で、飲み物を配っている国木田を見た。
……中々似合っているじゃん〜。
(これあとで平塚に写真撮って送っとこ〜)
私は周りに気づかれないようにスマホのカメラを
起動させて、国木田を撮った。
「実は前から翔子と話してみたかったんだ〜」
嘘つけ。
お前なんて私が席に座っていても、いないもの
扱いしていたのを忘れてないからな。
「お、俺も俺も!!」
貴方は私にボールをぶつけて楽しんでいたよね?
「おい、抜け駆けはずるいぞ!?」
そして貴方の本を取ったりしたよね?
まぁ広樹が取り返してくれたけど。
(というかこの子達、本当に手の平返し凄いよね〜
中学の頃の私に何か興味すら無かったのにね〜)
試しに国木田の方を見ると、彼は私の元クラスメイト達を
見て、呆れているようだった。
「翔子って前から頭良かったよね〜」
「今、付き合っている人いるの〜?」
「いつまでこっちにいるんだ?」
と元クラスメイト達から質問攻めにあう私。
いつも彼らはそうだ。
自分達が興味を持つと、一斉にそちらに向く。
今回はその対象が私だったという訳だ。
「はいはい……」
(あぁ、面倒だな〜!! 私は貴方達に会うために
帰ってきた訳じゃないの!!)
同窓会が始まる前からかなりイライラしていた私だった。
(これは広樹の情報を集めるのに苦労しそうだな……
意味が無いと分かったらさっさと帰ろ)
そう決心した私だった。









ショートストーリー〜その時の同期〜

「うわぁ・・・樋口さん怒ってるぞ」
僕は飲み物の手配をしながらちょくちょく
彼女の様子を見ていた。
表情こそは笑顔だが、なんやかんや3年間
一緒にいると分かる。
・・・彼女、機嫌めちゃくちゃ悪い。
「こりゃ、本当に何かしでかすかもな・・・」
一応、止めるために呼ばれたのだが
出来れば問題が起きないでくれるに
越したことはない。
「頑張るか、僕」

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