私の世界〜「部活の後輩と付き合ってみた」スピンオフ〜
そのまま一生苦しめ
私が復讐を断念した、次の日
「あぁ……嫌だな」
私は朝から憂鬱だった。
何せ今日、担任がいる学校に行くという事は
自ら警察に捕まえてくださいと言っている様なものだ。
……ちなみに両親には伝えてない。
(だって言えるはずが無いじゃん……)
私を大切に育ててくれた両親に最低な行為を
してしまったのだから。
「はぁ……」
私は登校中に数え切れないほどのため息をした。
「おはよう……」
「翔子ちゃん、どうしたの? 元気無いけど……」
「あぁちょっと寝不足でね……」
「大丈夫? 無理はダメだよ?」
「うん、ありがとうね」
とクラスメイトと話をしていると遂に朝のホームルームを
告げるチャイムが鳴った。
(はぁ……私も終わりか……これで担任が来て
私の顔を見た瞬間、叫ぶだろうな)
まるで処刑台の階段を登っている様な気分だった。
時が経てば経つ程、階段をゆっくりとだがしっかりと
上に登っている様だ。
だがいくら待っても担任は来なかった。
その代わりに来たのは副担任だった。
「すまないが今日からしばらく俺が担任だ。
君らの担任の先生である◯◯先生は体調を崩されて
しばらく入院する事になった」
(え? 体調を崩した?)
私は副担任が言った発言に驚いていた。
昨日、私は担任に怪我はさせていない。
強いて言うなら灯油をかけたぐらいだ。
「先生、◯◯先生はどれぐらいで戻ってきますか?」
私は気になり副担任に尋ねた。
「不明だ。1ヶ月後かもしれないし、1年後かも
しれない。俺らも分からない」
副担任がそう言うと、クラス中が一気に騒がしくなった。
「あの放送のせいかも……」
「そうだよね、なんか怖いね」
「てかあれやったの誰だろうな?」
クラスメイト達が口々に言っていた。
「はい、お前ら静かにしろ。とりあえずしばらくは
担任は俺、授業は別の先生が代わりにやるからな」
と言うと、副担任は教室を去っていった。
(一体、何が起きているの……? ちょっと今日の放課後
調べてみよう)
そして放課後……
私は担任が入院している病室を見つけ出し訪れていた。
受付の人にはクラスのお見舞いと言い、病室を聞き
その病室に向かった。
「確か……この近くのはずだよね」
受付の人に聞いた部屋番号は確かこの近くのはず……
と探していると担任の名前が書かれた病室を見つけた。
「ここか……ちょっと覗き見て帰ろうっと」
病室に近づいた瞬間
「嫌!! 嫌!! やめて!! 私は悪くない!! 
悪いのはあいつよ!!」
女性の叫び声が聞こえてきた。
気になり病室を少し覗くと、そこには暴れて看護師に
抑えられている担任がいた。
「◯◯さん!! 落ち着いてください!!」
「ダメです!! 全く聞く耳持ってないです!!」
「薬用意して!!」
「わ、分かりました!!」
「火が!? 熱い!! わ、私は悪くない!!
私が何をしたのよー!!」
どうやら私が海の底以上に深く恨んだ復讐対象は
精神がやられた様だ。
「あらら、私が手を下す前に壊れちゃった、か。
まぁあんたには丁度いい罰だろ?
ーーそのまま一生苦しめ」
私はその病院を後にした。
もう二度とこの場所を訪れる事は無いだろう。
私の復讐は半分は成功して、もう半分はよく分からない
状態で終わってしまった。
ーーここにて私の復讐は一応終わりを迎えた。
あと数話で過去編が終わります。
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是非お時間がありましたら
お付き合いください!!
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