私の世界〜「部活の後輩と付き合ってみた」スピンオフ〜

きりんのつばさ

迷子・・・?






結局私は今週は学校を休み
来週から登校することにした。
その日は午後に母親と3日ぶりの外に出た。
父親は家で仕事をしなければいけなくなり
一緒に行けなくなった。
「私も翔子ちゃんと一緒に遊びに行きたかったな〜
・・・クソッ、仕事入れた奴覚えてろよ ︎」
父親はややキレていた。
幸い母親が免許を持っていた為、車で県外に軽く
ドライブをした後、買い物をして帰った。


そして次の日の金曜日
私は1人で外出をする事にした。
これからは否が応でも1人で行動しなくてはいけない。
その為に1人で外出する事にした。
流石に朝から私服で外を歩いていたら
職質かけられてしまうかもしれないので
夕方に出かける事にした。
そして家から出たのはいいのだけど・・・
「・・・ここ、どこ?」
私は迷子になっていた。
目的のデパートまでは最寄りの駅から電車を使って
行けたのだが・・・
「まさか・・・デパート・・・内で・・・迷子?」
どうやら私は致命的に方向音痴らしい。
まさか今まで広樹に道を全て任していた弊害が
ここで出てくるとは・・・
「地図・・・見ても分からない
人には・・・怖くて聞けない・・・」
そういえば前に広樹が言っていた

「いいか翔子?お前は絶対1人で歩くなよ?
絶対守れよ?探す人がめちゃくちゃ困るからな」
「?大丈夫・・・広樹いる」
「多分、翔子は意味が分かってないんだろうなぁ」
「???」
その時の私は頭を横に倒していたと思う。

(・・・広樹・・・その時の言葉の意味・・・
今・・・分かったよ・・・)
今まで私が迷子になる度、広樹が汗だくになりながら
私を見つけていた意味が今分かった。
と目の前に私がよく行くチェーン店のカフェがあった。
学校帰りに週一で飲む。
「・・・飲み物・・・飲んで考えよう・・・」
相変わらずマイペースな私だった。


「・・・うん・・・相変わらず・・・美味しいな」
私はそのカフェで抹茶ラテのアイスを飲みながら
これからどうしようかと考えていた。
・・・ちなみに注文時は
「いらっしゃいませ ︎ご注文はお決まりですか」
「(黙って抹茶ラテのアイスを指差す)」
「抹茶ラテのアイスでよろしくでしょうか?」
「コクコク(黙って頷く)」
「お、お会計は500円となります・・・」
「(また無言で無料券を渡す)」
「あ、ありがとうございます」
私は恒例の一言も発せず注文した。
その時の店員さんがとても困惑していたのが分かった。
「だって話すの・・・無理・・・」
まだ私にはかなりハードルが高い。
今までは広樹が私の通訳をしてくれていたが
これからは1人でやっていかなければならない。
「・・・嫌だなぁ・・・話すの・・・
でも・・・相変わらず・・・ここの抹茶ラテ
美味しい・・・」
私は抹茶ラテをすすりながら思った。
「というか・・・お母さんに・・・頼まれてた」
すっかり本来の目的を忘れてしまっていた私は
抹茶ラテを飲み干すと、渋々目的の場所を
人に聞くのであった。


「何とか・・・買えた・・・」
私は母に頼まれた物を買い終わり、ベンチに座っていた。
何とか人に聞き、目的の場所に行けた。
「あっ、そういえば・・・本の発売日・・・」
いつも読んでいる作家さんの最新巻の発売日が
今日だった事を忘れていた。
時間を見るとそれなりの時間だった。
「・・・お母さんに・・・連絡して・・・
買って帰ろう・・・」
私はすぐに読みたかった為、本屋に向かった。


ーー正直この時、真っ直ぐ帰れば良かったと思う。

何故なら広樹がいなくなった真相を知らずに済み
復讐なんて考えなかっただろうから。

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