私の世界〜「部活の後輩と付き合ってみた」スピンオフ〜

きりんのつばさ

崩壊〜その3〜



今回から話がどんどん重たくなっていきます








「な、な、な何言ってるの・・・?」
広樹が女子に暴力を振るった?
あの広樹が?
「樋口さん貴方は騙されているのよ ︎」
「ひ、広樹がそんな事するはずがない ︎」
広樹自身が他人にあまり暴力を振るわない。
というか女子に振るうなんてありえない。
だって・・・
(広樹、ヘタレ・・・)
そうなのだ。
広樹はかなりのヘタレであるから女子に暴力を
震えるような人物では無かった。
「おら立てよ ︎犯罪者 ︎」
数人が広樹を羽交い締めにして
クラスの男子が広樹に蹴りを入れる。
「やめて・・・ ︎」
私は叫ぶ。
昨日までみんなあんなに仲良かったのに
一気にクラス中が広樹の敵になった。
その中でクラスの女子が衝撃的な事を言ってきた。
「樋口さん ︎貴方もあのクズに暴力を振るわれて
言うこと聞かされていたんでしょ ︎」
「ち、違う・・・ ︎暴力・・・振るわれて無い」
広樹は私に暴力を振るった事なんて一度も無い。
そもそも私は広樹の言う事なら何でも聞く。
といっても彼は私に理不尽な事を言わない。
また別の女子が
「そんなクズが怖いからって無理しないでいいよ ︎
今なら言えるよ ︎」
何て言ってきた。
(誰なの・・・?こんな事したのは・・・?)
私は混乱していた。
改めて広樹の方を見ると
「ふぅ・・・もう終わりか?」
既に広樹は自分を羽交い締めにしていた
男子数人を倒していた。
(やっぱり広樹は強い・・・)
・・・広樹は普通に強い。
ただの運動部や集団でしか殴れない様なクズとは違い
数人対1人を軽く勝ってしまうタイプの人間だ。
彼もそれを分かっているためか、基本的に暴力は
振るわない様にしている。
「翔子、怪我は無い?」
「う、うん・・・」
そりゃ転んだだけだからね。
とそこへ広樹と私の間に女子数人が立ち塞がった。
「ち、ちょっと樋口さんに近づかないでよ ︎犯罪者 ︎」
「あんたみたいなクズがこんな良い子に触らないで ︎」
(・・・貴方が私の何を知ってるの?
私とロクに話した事無いくせに・・・ ︎)
今まで私をとことん空気扱いしてた癖に
いきなり手の平返しをされた。

ーー今まで私と話した事無い癖に

ーー今まで私を無視してた癖に

ーー今まで私を散々雑に扱っていた癖に

「君達 ︎何をしているんだ ︎」
とそこにやってきた教師によってその場は収まった。
広樹と広樹を羽交い締めにしていた数人は教師に
連れていかれた。
私はというと・・・
「樋口さん、今まで辛かったでしょ」
「あんなクズによく相手にしてあげたね」
と数人の女子達に慰められいた。
(広樹・・・)
私はただ私の幼馴染が心配だった。

その日広樹は早退した。

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