私の世界〜「部活の後輩と付き合ってみた」スピンオフ〜

きりんのつばさ

ボッチをなめないで


今回から樋口の高校時代に入っていきます





私と広樹は中学を卒業して、一緒の県立高校に進学した。
私の内申と学力ならもう少し上の県立に進学出来たが
広樹と同じところに行きたかった。
その思いを両親が認めてくれたのであった。

そして高校の入学式当日

私と広樹は中学と同じように一緒に登校していた。
「・・・家から一緒・・・えへへ」
「どうした翔子?」
隣を歩いていた広樹が不思議そうに聞いてみた。
「な、なんでもない・・・よ?」
広樹とまた毎日登校出来るからニヤニヤしていたとは
絶対言えない・・・
「そうか・・・変な翔子」
「・・・心外」
誰のせいだと思っているのだろうか・・・
まぁその気持ちを伝えてないから仕方ないけど。
「まぁいいや、なぁ翔子」
「ん?・・・何?」
広樹は歩くのをやめて、私の方を向いて
「これからまた3年間よろしくな ︎」
と笑った。
「・・・ッ ︎」
私はその笑顔を見た瞬間、心臓が止まるかと思った。
(やっぱり私は広樹が好きなんだ・・・)
どうやら私の予想以上にこの感情が日に日に大きく
なっているようだった。
(いつまで我慢出来るかな・・・)
「・・・本当に大丈夫かよ?入学式行けるか?」
広樹が本気で心配しているようだった。
「だ、大丈夫 ︎わ、私行ける」
高校生活初日から心配されている私だった。

そんな感じで広樹と話をしながら高校についた。
校門から入り、広場に向かうと私達と同じ様に
新入生が沢山いて、掲示されているクラス表を見ていた。
「おっ、翔子。クラス表貼られているぜ。
俺のクラスは・・・」
「私と同じ2組」
「見つけるの早っ ︎まだクラス表だいぶ先だよな ︎」
「・・・私視力、とても、良い」
「そう言えばそうでしたね・・・」
視力は私の数少ない自慢でかなり良い。
なので、遠くのクラス表で私と広樹の名前を探すのは
簡単な事だった。
「・・・初日、ボッチ回避」
「何というか翔子が言うと現実味があるな」
「広樹には分からない・・・ボッチの悲しさは・・・
ーー特に授業中の2人組を作るという無駄な行為は」
「・・・すまん、俺の気遣いが足りなかった」
「ボッチをなめるなよ?」
私は決めゼリフの様に言った。
「なめてないわ ︎」
やっぱり全力でツッコミをされた。
「・・・広樹、言い忘れてた」
「またボッチ関係か・・?」
「これから3年間よろしくね」
と私が言うと広樹は一緒驚いた顔をしたがすぐに
「あぁ、よろしくな ︎」
笑顔で返してくれた。

私達はこれから始まる高校生活に胸を躍らせていた。
少なくともこの時は何事も無く、広樹と3年間を
過ごして卒業出来ると思っていたはずだった。
・・・確かに1年生は何も起きなかった。
だが2年生にその問題は起きてしまった。




数話後に例のクズが出てきます。

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