悪ノ召使

ノベルバユーザー200617

哀れな兄弟

リン「ねえ、レン。」
 
レン「なんですか。王女様」

リン「これはどういうこと?」

レン「……」
外には色々大人達が群がっている。

リン「答えてくれないのかしら。」

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リン&レン「おぎゃぁぁ!おぎゃぁぁ!」

大人達「あら、可愛いわぁ♡」

大人達「おお、よぉしよし」

大人達「さすが未来の王女様...」

5年後
レン「リンちゃん、見て。四つ葉のクローバーだよ!」

リン「わぁ!ほんとだ!ねぇ、カイトお兄ちゃん!」

カイト「……ん?どうしたの?」

リン「レンが四つ葉のクローバー見つけてくれたの!」

カイト「お、いいな!」

リン「へへ、いいでしょー!」

大人達「リン、こちらにおいで。」

リン「えー?もぉー。」

レン「あ、リンちゃ…ん?カイト兄ちゃん?」

カイト「……ゴメンな」

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数年後
リン「あら、そのお花萎れてるわ。変えてきなさい」

メイド「かしこまりました。」

トットットットッ

リン「うん?…レ、レン…!?」

レン「お久しぶりですね。王女様...」

リン「レン……」

ギュッ

リン「会いたかったよぉ...レンー...」

レン「これから、何があっても、お守りします...」

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隣の国【緑の国】
レン「えーっと、あとは、帰るだけ...っと...」

緑の娘「あははっ」

レン「ん?」

緑の娘「あっ...こんにちは!ミクです!」

レン「こ、こんにちは...」

な、なんだ?胸がドキドキする...
こ、これが一目惚れ?

レン「ただいまお戻りしました。」

リン「……おかえり」

レン「どうしたのですか…?元気がないように見えますが...」

リン「ねぇ、お願いがあるの」

レン「どうしたのですか?」
相談か?珍しいな...

リン「緑の国の王女を殺してきて!」

レン「……え?ど、どういうことですか?」

リン「いいからっ!」

レン「……かしこまりました」

ミク「えーっと、お話があるんだよね?どうしたの?」

レン「………………」

ミク「うん?ど、どうしたの?だいじょ……」

グサッ

ミク「えっ……?」

パタっ

レン「…………」
あれ?なんで?なんで涙が止まらないの...?

リン「ありがとう。レン」

レン「……お役に立てて何よりです。」

リン「あっ、ねぇ、今日のおやつは何かしら?」

レン「今日のおやつはブリオッシュだよ。」

リン「わっ!ほんと!やったぁ!」

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大人達「王女を出せ!」

大人達「この悪魔め!」

大人達「人殺し!」

リン「ねぇ、レン。」

レン「なんですか。王女様」

リン「これはどういうこと?」

レン「…………」
外には色々大人達が群がっている

リン「答えてくれないかしら」

レン「逃げて。」

リン「は?どういうこと?ここはわた...」

レン「ほら、僕の服を貸してあげる。」

レン「これを着てすぐお逃げなさい」

リン「…………」

レン「大丈夫僕らは双子だよ」

レン「きっと誰にもわからないさ」

リン「……わかった……よ」

すっ

大人達「っ!?」こいつ……同党としている!?

レン「この、無礼者!」

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むかしむかし、ある所に、悪逆非道の王国の
頂点にいた、とても可愛い、僕の兄弟

目の前にギロチンがある。
王女様……いえ、リンとしても、守りたい。
自分の命がなくなっても。

ついにその時がやってきた。
僕の目の前に人だかりがある。
でも……
リンを守るためなら!僕は悪にだってなってやる!

レン「!?リン?」
ニコッ……僕は笑う
リンも笑ってくれた。死ぬ前に見れてよかった……

大人達「鐘がなる時に下ろすぞ!」

大人達「5!」

            「4! 」
          
            「3!」

            「2!」

            「1!」

ゴーン、ゴーン

リン「……ううっ、レン…うっうっ」

リン「レンぅぅぅぅ!!!!!」

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レン「ごめんね、リン...」

レン「ずっと、笑っててよ…
         僕のせいで泣いたの?」

レン「最後まで守れなくてごめんね……」



悪ノ召使     ~完~

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