THE. SCHOOL STORY
第壱説、二話
 夢を見ているのだと思う。
未来の夢なのだろうか、時の列が先を指しているように見える。
二つの世界に城と城
翼   と   刀   と   龍    と    不死鳥   …
決して交わることのない二つの世界が見える
二つの世界から一つずつ光が見える
運命ではない、宿命でもない何かが二つの光を引き寄せあう
重なり合った光は、二つの世界を繋げる。
そして光は繋がりながらこちらへと向かって来る。
「…そっか、…だからアイツらは僕を知っていたのか。」
それは僕から見れば過去。彼らから見れば未来に起こる出来事のお話である。
 リクトと部活の話をしていたが、やがてそれも終わり、別の話となった。
「あの二人も来ているのか?。」
「過去から来てるっぽい。」
「…過去?。」
「なんだ、まだ見てないのか。」
「見たら一発で分かるからいなかったと思う。」
 リクトの眼は全ての真を見る。なんでも見えてしまわないように意図的に見えなくしていることもあるが、もし、あの二人が目の届く範囲にいるなら一瞬で分かるだろう。
「でも、え、過去から来てるの?。」
「俺たちと初めて会った時、アイツはあの時より弱いのはなんでだ?と言ったんだ。今の俺たちと会っているなら何故そう言って来たか理解できる。
「…つまり、僕らと彼らの時が合わさるのは学園を卒業して、彼らが巻き込まれた後…ってことになるな。」
「ん?いや、1年ぐらいで向こうから合わせにくるんじゃないかな?確かあの時、学校には一年しか居なかったって言ってたし。」
「わざわざ残りの2年分を過ごしにくるのかな?。」
「俺たちと同じ時に来て針を合わせるってことは、少なくとも一番最近にみた彼らと同じ状態で来るはずだからー…時の概念は超えてるんじゃないかな?。」
 時の概念を超えると、老化はせず、時の感じ方も大きく変わる。2年程外出、と聞いても概念超越者は長さを感じない。
 「ま、1年。一年経てばあとはどんちゃん騒ぎの毎日さ。」
「……察した。」
リクトは察した。僕らと時が合っていない者たちが次々と来るということを。その眼で。
「さっ、明日から部活つくるぞー。」
「おー。」
 
この世界に帰って来てから二週間。制限された力と身体能力を少しでも上げるべくトレーニングをしていた。
 相手が「人」ならなんとかなるレベルまでは強くなれたが、かなり無理をしたので学校では寝てしまった。
 恐らくリクトも同じぐらいトレーニングしている筈だ。
が、この疲労は別件やらなんやら色々あったせいでできたものだ。リクトに負けているわけではない。
 そんなことを考えながら歩いていると、自分の部屋についていた。
「帰宅時のみ使えるってだけでも結構楽なのかな…。」
 無想、座標転移。
本来は知っているところなら自然消滅、生成による移動ができるとても便利なものなのだが、今の優は帰宅の時のみしかできないよう制限を受けている。
 自室の前
旅館の仕事…今日は非番だったなー…
寝るか
 畳んでおいた布団に目を向け、歩み寄る途中、ほのかに味噌の香りがした。
「叶ーいるのかー?。」
「おかえり、優。」
 叶が味噌汁を作っているようだ。
料理ができるという話は聞いたことがないが、味噌の香りが旅館のものと同じなので、ここの誰かから作りかたを教えてもらったのだろう。
「ありがとう、助かる。」
「疲れてる?。」
「多少…でも結構マシな方かな。」
「いつも大変だn…」
「内七割が叶さん原産なんですがそれは。」
「…知らない。」
「よっしまってろ今今まで起こった苦労出来事の表を作ってy」
「はい。」
 目の前に味噌汁が置かれている。
その後ろから、叶がまっすぐ僕を見ている。しのほの言わずに食べてみてという心の声が聞こえたような気がしたので、表を作るのは諦めて、食べることにした。
「いただきます。」
 まず香りは…、ここの味噌だけあってかなり良い。が、なにやらかすかに別の匂いもする。
 具材はここのものだ。厳選された野菜、山菜。豆腐は自分で切ったのか、ここのプロたちの断面と大きさとは違う。
 味は…良い。かなり良い。が、エナジードリンクを死ぬほど薄めた時に感じるソレと同じ感覚を感じ、問いかける。
「叶、とても美味しいよ。」
「よかった。」
「で、」
 「ん?」
「なに混ぜたの?。」
「えなじー…どりんく?。」
「どのぐらい混ぜたの?。」
「全部。」
「……ん?。」
 ごく一般的な量の味噌汁だ。市販のエナジードリンクを全部入れたのならそれは味噌汁ではなくエナジードリンクだろう。だが、エナジードリンクの味は微かにしかせず、分かる人以外には絶品の味噌汁で終わりそうな味である。
「エナジードリンクをどうやって混ぜたの?。」
「水分だけを飛ばした後に栄養素のみが残るように遠心分離して…。」
「オッケィ聞いたところまで理解した。」
 味噌汁よりもそちらに手間をかけていることがおかしくて、少し笑った。
「優、最近疲れてるから。」
 たしかに、リジェネはかかっていないので疲労は蓄積されやすい。
「ここには薬草もある。エナジードリンクよりもそっちの方が味的にはいいから、次やるならそっちで頼む。」
「うん。」
未来の夢なのだろうか、時の列が先を指しているように見える。
二つの世界に城と城
翼   と   刀   と   龍    と    不死鳥   …
決して交わることのない二つの世界が見える
二つの世界から一つずつ光が見える
運命ではない、宿命でもない何かが二つの光を引き寄せあう
重なり合った光は、二つの世界を繋げる。
そして光は繋がりながらこちらへと向かって来る。
「…そっか、…だからアイツらは僕を知っていたのか。」
それは僕から見れば過去。彼らから見れば未来に起こる出来事のお話である。
 リクトと部活の話をしていたが、やがてそれも終わり、別の話となった。
「あの二人も来ているのか?。」
「過去から来てるっぽい。」
「…過去?。」
「なんだ、まだ見てないのか。」
「見たら一発で分かるからいなかったと思う。」
 リクトの眼は全ての真を見る。なんでも見えてしまわないように意図的に見えなくしていることもあるが、もし、あの二人が目の届く範囲にいるなら一瞬で分かるだろう。
「でも、え、過去から来てるの?。」
「俺たちと初めて会った時、アイツはあの時より弱いのはなんでだ?と言ったんだ。今の俺たちと会っているなら何故そう言って来たか理解できる。
「…つまり、僕らと彼らの時が合わさるのは学園を卒業して、彼らが巻き込まれた後…ってことになるな。」
「ん?いや、1年ぐらいで向こうから合わせにくるんじゃないかな?確かあの時、学校には一年しか居なかったって言ってたし。」
「わざわざ残りの2年分を過ごしにくるのかな?。」
「俺たちと同じ時に来て針を合わせるってことは、少なくとも一番最近にみた彼らと同じ状態で来るはずだからー…時の概念は超えてるんじゃないかな?。」
 時の概念を超えると、老化はせず、時の感じ方も大きく変わる。2年程外出、と聞いても概念超越者は長さを感じない。
 「ま、1年。一年経てばあとはどんちゃん騒ぎの毎日さ。」
「……察した。」
リクトは察した。僕らと時が合っていない者たちが次々と来るということを。その眼で。
「さっ、明日から部活つくるぞー。」
「おー。」
 
この世界に帰って来てから二週間。制限された力と身体能力を少しでも上げるべくトレーニングをしていた。
 相手が「人」ならなんとかなるレベルまでは強くなれたが、かなり無理をしたので学校では寝てしまった。
 恐らくリクトも同じぐらいトレーニングしている筈だ。
が、この疲労は別件やらなんやら色々あったせいでできたものだ。リクトに負けているわけではない。
 そんなことを考えながら歩いていると、自分の部屋についていた。
「帰宅時のみ使えるってだけでも結構楽なのかな…。」
 無想、座標転移。
本来は知っているところなら自然消滅、生成による移動ができるとても便利なものなのだが、今の優は帰宅の時のみしかできないよう制限を受けている。
 自室の前
旅館の仕事…今日は非番だったなー…
寝るか
 畳んでおいた布団に目を向け、歩み寄る途中、ほのかに味噌の香りがした。
「叶ーいるのかー?。」
「おかえり、優。」
 叶が味噌汁を作っているようだ。
料理ができるという話は聞いたことがないが、味噌の香りが旅館のものと同じなので、ここの誰かから作りかたを教えてもらったのだろう。
「ありがとう、助かる。」
「疲れてる?。」
「多少…でも結構マシな方かな。」
「いつも大変だn…」
「内七割が叶さん原産なんですがそれは。」
「…知らない。」
「よっしまってろ今今まで起こった苦労出来事の表を作ってy」
「はい。」
 目の前に味噌汁が置かれている。
その後ろから、叶がまっすぐ僕を見ている。しのほの言わずに食べてみてという心の声が聞こえたような気がしたので、表を作るのは諦めて、食べることにした。
「いただきます。」
 まず香りは…、ここの味噌だけあってかなり良い。が、なにやらかすかに別の匂いもする。
 具材はここのものだ。厳選された野菜、山菜。豆腐は自分で切ったのか、ここのプロたちの断面と大きさとは違う。
 味は…良い。かなり良い。が、エナジードリンクを死ぬほど薄めた時に感じるソレと同じ感覚を感じ、問いかける。
「叶、とても美味しいよ。」
「よかった。」
「で、」
 「ん?」
「なに混ぜたの?。」
「えなじー…どりんく?。」
「どのぐらい混ぜたの?。」
「全部。」
「……ん?。」
 ごく一般的な量の味噌汁だ。市販のエナジードリンクを全部入れたのならそれは味噌汁ではなくエナジードリンクだろう。だが、エナジードリンクの味は微かにしかせず、分かる人以外には絶品の味噌汁で終わりそうな味である。
「エナジードリンクをどうやって混ぜたの?。」
「水分だけを飛ばした後に栄養素のみが残るように遠心分離して…。」
「オッケィ聞いたところまで理解した。」
 味噌汁よりもそちらに手間をかけていることがおかしくて、少し笑った。
「優、最近疲れてるから。」
 たしかに、リジェネはかかっていないので疲労は蓄積されやすい。
「ここには薬草もある。エナジードリンクよりもそっちの方が味的にはいいから、次やるならそっちで頼む。」
「うん。」
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