THE. SCHOOL STORY

ユウエド

第壱説、一話

 入学式。

「寝た。」

クラス発表と顔合わせ。

「寝た。」

部活動紹介

「寝た。」

自己紹k…

「寝t…。」

「おーい誠かよ優ー…え、ネタァ?。え、今日何してたの?。」

「いや昨日夜更かししてねー。」

「夜更かし…あーアレは優だったのか?。」

「そそ、起こしたか?。」

「起きるに決まってるじゃない。え、誰が昇ってきたの?。」

「自分の目で確かめなDK。」

「こっわいなー…。」

 地獄から誰かが昇ってきたと聞けば厄介な事しか思い浮かばない。もっとも地獄から脱出した自分が悪いのだが。

「その時ばかりは解放できるんだよね?。」

「いや、おっさんが地獄ぐらいの奴らならそのままでオケとかほざきおおったから生身でなんとかせなあかん。」

「ええぇー…。」

「あと、朝は遅れたがこの学校にはいる。」

「…は?。」

「入学しているし、同級生。」

「地獄に同い年の奴お前ら以外にいたっけ?。」

「いなかった気がする。」

「優…お前は夜にあったんだよな?。」

「ああ、あったぞ?。」

 高確率で自分にとって不都合な相手が来ていると確信する。が、まだ害が無いので一概に昇ってきたモノが悪さをするモノであるとは言い切れない。

「リクト、そんなことより部室探すぞ。」

「…分かった。」







 学校の創設者と話し合った結果、優が部活を作ること。これが条件で多少ワガママなイレギュラー入学でも認めてくれるという話になっていた。

「優様。おはようござ…お爺様!?」

「ん、月詠つけて来たのか?。」

「あぁ、輝之に会いに行くとしったのでな。」

「輝さん月詠のこと普通に見えるんだね。」

「勿論です。先祖様のご加護と力を継いできましたから。」

「うむ。確かに。」

 そう言って月詠は輝之の目を覗き込む。そして満足げに笑みを浮かべて喜んで見せる。

「40年ぶりですね…優様。あの時言った通り、まったく容姿が変わっておらず…。」

「あん時は敬語使ってなかったじゃん。無理に使わなくてもいいよ。」

「優よ、コヤツは成長し、大人になったのだよ。」

「……お爺様…。」

 両方の頬をパンッと叩き、過去へと戻る。あの時は優の方が一つ年上だったにもかかわらず終始敬語を使わなかった。それを40年経ったからといって変える必要はない。

「優。久しぶり。」

「おう、久しぶり。」

「久しぶりだなy…。」

「いや月詠はまだ2年前でしょ。」

「人の子の時間では長いほうだとおもうのだが。」

「地獄と終末と創世を経験しているヤツのことを人の子だと思ってるなら人の子扱いしてもいいぞ?。」

「初めて会った時が人の子なら永遠に人の子扱いするだろう。」

 笑い声をあげる二人の会話に若干ついていけていない輝之は、優が神と同等の存在であるのではないかと感じた。と、…

「月詠、そろそろ話さない?。」

 「何をだ?。」

「迷ってないでさっさと言ってみたら?。」

「…。」

 優の鋭い視線が月詠を捉える。それは、かつて見たソレとは違う、圧倒的な光を感じる。目を合わせていない、ただの人である私ですら光を感じる。直接目を合わせられている月詠にはどう見えているのだろうか。

「…お前には敵わんな。」

「神様、しっかり。」

 余裕の表情で笑いかける優。彼は何者よりも一つ上にいるのかもしれない。

「優、今、葦原中国(あしはらのなかつくに)では怪異が発生している。」

「知ってる。」

「そしてそれは、高天原、黄泉国(たかまがはら、よみのくに)でも起きている。」

「キリスト界(天国、地獄)では起きてないの?。」

「起きているらしい。」

「ほかの世界でも起きてるの?。」

「日本だけらしい。」

「いや、日本管轄の世界。」

「全部は知らないが、聞いた限りでは大体起こっている。」

「原因は?。」

「言いにくいんだが…多分…。」

「あっ、俺らか。」

「えっ、」

「えっ?」

「うん?」

「い…や、え…そう…なのか?。」

「なんて言おうとしてたの?。」

「てっきり親父殿が原因だと。」

「ザギの手に余ったならデウスが来るんじゃない?。」

「それが、親父殿も、デウス殿も行方不明で…。」

「なら俺らだな。」

「…何かやらかしたか?。」

「この世界に入った俺たち3人は、そもそもここには存在しないもので、世界の認識と処理が追いついていないだけかもしれない。」

「…?」

「まあまあ、月詠、お前も知らない世界の構造のお話だ。それは理解しなくてもいい。」

「しかしお主ら3人のみでここまで世界を歪めることがあるのか?。」

 後ろから光を感じる。

「姉上…。」

「美火、久しぶり。」

「人間の名前で呼ぶな。今は天照大神d…。」

「んじゃあなんで脱走してきたみたいな雰囲気なの?。」

「…。」

 おもむろにスマートフォンを取り出し、高天原にいる彼女にチクろうと、アプリを起動する。

「よし連絡するからそこでおとなs…。」

「待て待て待て待て。」

 完全に人間の姿へと変わった天照大神は、必死それを阻止する。

「あーでも、美火、いい読みだと思うよ。叶も今は閉じて(能力封印)るし、リクトもそうだし…。」

「他にもきているということか!?。」

 月詠は少し喜んだような表情を見せる。只者ではないと聞けば、弟も喜ぶだろう。

「でもすっさー(須佐男) の耳み入ったらメンドそうだなー。」

「確かに…」

  天照大神がそう呟く。が、姿は人の子なので、「美火」というイメージでしか見えず、威厳は感じられない。

「…ッ。」

 空気の乱れ

 優はとっさに腰から棒を取り出し、全力で念を込める。

「さすが天、不意打ちも止めるか。」

 頭上では大きな手刀が棒によって止められている。
その手を見るに恐らく…

「すっさー…それ人(他人)にやるなよ?多分気絶するぞ?。」

 結構念を込めて受け止めたのだが、冗談で飛んできた手刀は熊をも気絶させる神気を帯びており、手は痺れている。

「弟よ、何か用か?。」

 月詠は兄の威厳を表に出す。須佐男は地に足を付き、兄の方へと目を向ける。

「兄者、私は天とシン(リクト)が現来(現実世界に訪れた)したと聞いてここに来ました。」

「他には何も聞いてないの?。」

今は人の子の姿をしている姉を見る。が、須佐男は美火と天照大神が同一人物であることに気づいていない。

「む、お前は?。」

「美火です。」

美火は苦笑いしながら優の方へと視線を向ける。

まだ人の子の姿である自分を教えていないようだ。そちらほのうが好都合であるのは見てわかるが、何故か月詠はこのことを知っている。

「優。この人達も来るってことは…もう分かるよね?。」

「いや分からんそして分かりたくない。」

 察するに、これは最初からずっと茶番劇をしていたということで、自然と兄弟が揃った的な感じにして、この面倒事をなんとかしてくれと頭を下げる気である。断らせないための策にしてはガバガバなので、きっと作戦は練っていない。

「察しのいい優なら分かるだろう。何故部活を作ることのみしか条件なかったのが何故かも。」

 月詠が説明をすると、美火と須佐男は納得した表情になった。どうやらこの二人は何も聞かされていないようだ。

「俺はあんまり働かないよ?。」

「優が自分で外に出てなんとかしにいって欲しいとは言っていない。学校で起こる怪異をできるだけなんとかしてほしいだけなんだ。」

「怪異ねー…でも今色々制限されているから強いの来たら負けるよ?。」

「できる限りでいいよ。なんとかならなそうなら先祖様方の力を借りるから。」

「本来なら我々がなんとかする問題なのでな。尽力しよう。」

 皆の視線が集まる。

 断れない空気が流れる。

 断るときは断る性格ではあるが、この話は別にそう面倒臭そうなものでもない。

「よし、分かった。」

「ありがとう。」

 制限されたなかでどこまでやっていけるのか、また、かつて習った怪異の知識をどう使うか。優はまんざらでもなく考えていた。

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