THE. SCHOOL STORY

ユウエド

序説 1


「おはよう。」

聞こえてくる声は、いつも突然に、忘れた頃に。

「ん、モーニングコールは嫌いだった?。」

「普通の…モーニングコールをしてくれないかな。」

   眠い。

時計の針と歯車が地平線まである。
僕と彼は、止まっている半透明の大きな歯車の上にいた。

「なんでいつもヤバそうなところにしか読んでくれないんですかね…ぇ?。」

 と、半分キレながらぼやくようにつぶやく。
確か前回は三途の河だったような…エイプリルフールだからといってリアルすぎる死亡ドッキリをされた記憶を思い出す。

「いやなんでって…ほら、雰囲気って大切じゃん?普段見えていないものを背景にするとさ…」

「現実で普通にインターホン押してくれ頼む。」

マンションにて一人暮らしをする僕は、睡眠中以外の来客は大歓迎だ。

「えーだってせまいじゃないか。」

「いや6LDKの、リビング10畳って狭いん?。」

「あとなんかちょっと田舎っぽいし…。」

「街に用は無いからねー…旅館の板前のバイトにも結構慣れてきたし。」

「学校はいってるのか?。」

「学校?いや、行く必要ないでしょ。あの程度の内容、暇つぶしにやっとけばできそうだし、教えてもらうような事もないよ。」

「いやーほら、青春とか…色々あるやん?。」

「めんどくさそう。」

中学は1年の夏に世界が終わったことにより、そもそも入学してなかったことにされている。

残りの2年は異世界と田舎で過ごした。

あと、厳密に言えば一ヶ月ほど魔法学校のようなものに在籍していたので、青春の意味はなんとなく理解している。

「新しい何かを学べる場所は、ここ(現実)の学校ではないと思うぞ…もっとほら、騎士の学校とかさー。」

「お前より強い奴は学校なんかよりアウトロー勢の方が多いからなー。」

「やっぱり世界がアウトローになるしかないのかー…」

「何楽し…恐ろしいこと言ってんのよ。」

今、絶対楽しそうとか言おうとしたよな…と、思いつつそれはあえてスルーする。

「で、何の用だったの?。」

「ん、あー。」

少し笑っている…面倒なことを言ってきそうだ。

「学校に入学してもらう。あ、二年生からの途中編入学な?。」

「やだ、そして何故に?。」

「それは…え、ん?え、聞かされてないの?。」

「えっ。」

「えっ。」

…記憶を探るが、ここ最近で「高校」とかその辺の関連語はバイト先の旅館にくる客ぐらいからしか聞いていない。

「まだ言われてなかったのかーそーなのかー…信用されてないなのかもなー。」

なんだろう。すごく、煽られている気がする。
だが、この口調だと僕の知り合いから何かを知らされていない。という事実が分かるので、信用されていないとなると確かにこの煽り様にも合点がいく。

「誰の話をしているんだ?。」

その言葉を聞いた彼は、僕に真っ直ぐ視線を向け、少し笑った顔でこう言った。

「もしかしたら、あまり困らせたくなかったのかもしれないね…。」

その言葉を言い終える頃には、突然周りの歯車が回る速度が上がり、奥から「時」が迫ってくる。

その中心にいた僕は、その言葉だけを覚え、意識を失った。

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