異世界に来た俺は自分の物語を始める

ハルト

呪われた剣リリアルガーデンと最後の意志

突然だがみんなに想像して欲しい。目を覚ました時豊かな胸と美少女に囲まれていい朝を迎えたことがあるかい?俺は、なかったっと……過去分詞でも使わせてもらおう。
たった今その状況に迎えられているのだから。
もし仮にこれが夢であるならそれもまた一興。
「大丈夫ですか?」
朝ってこんなに良かったかな?俺の朝は、起きると隣でパソコンからゲーム実況している人の動画が流れていたり流れなかったりしているがこんないい朝は、生まれて初めてだ。
「あ、うん。大丈夫。ところでここどこ?」
豊かな胸と美少女に囲まれているのは、いいけど見知らぬ天井だ。
「えっと、ここは、私の父のジャンがやってる店です。ここは、客間なんですけど」
何?ジャンさんの家だってことは、助けられたのか……。
「だ・か・らあの剣を返して欲しいんだよ!」
すると、客間まで聞こえるバカでかい声がした。
何だかやばい状況になっているのが分かる。
「そー言われてもなあの剣は、売ってしまったしな」
「あの剣は、呪われた剣なんだよ」
「ちっと待っとくれ」
ジャンさんがそー言うとこちらに歩いてくるのが分かった。
コンコンとドアを軽く叩く音を立てて中に入ろうとしていた。
「中に入るぞ」
「父さんいいよ」
そう応対する彼女。
ジャンさんは、中に入ってきてため息を1つついたあとに声を掛けてきた。
「レイ少しいいか。それにユミリアあんまりうちの客にちょっかい出すなよ」
てへっとベロを可愛らしくしかもあざとく見せるユミリアという名前の彼女は、近くにある椅子に座った。
「済まないがその呪われた剣を欲しいって客が現れたと思ったら返して欲しいと言われてな。俺もなんだかよく分からんのだがとりあえずその剣を見せてやってくれねーか」
頭を深く下げるジャンさんを見て俺もどうしていいか分から無くなってしまい了解をした。




綺麗に掃除された個室。
そんな個室に1人の人物がいた。
「えっとこの剣ですよね?」
「おお!まさにその剣。頼む俺にくれないか?俺がリリアルガーデンなんだよ!」
手を机のうに両手を八の字にしながら置きその真ん中に頭を深く下げた彼。
「えええええええええ!?……と、と、と、と、とりあえずこの剣が欲しい理由は、分かりました。ですが自分がこの剣を失うと戦いが出来なくなります」
「そこでだ、俺がその剣の代わりに剣を作ってやるよ」
「本当ですか?」
「あぁ、金もいらね。それにだ俺は、鍛治職人だ」
「でしたらこの剣の代わりにってことで分かりました」
俺は、あっさりと剣を渡承諾を得た。





このジャンさんの家には、武器を作る場所がありそこに引きこもって彼……リリアルガーデンは、作っている。

その間に俺は、客間に戻りユミリアと話をしていた。
「ところで悪いんだけどリリアルガーデンって何?」
ルンルン♪と鼻歌をしながら彼女ユミリアは、掃除をしていた所を引き止めた。ユミリアも掃除が終わったのか俺の隣にある椅子に座り込み話をした。
「呪われた一族って言われてます。それにリリアルガーデンもし彼がそーだとしたらかなりやばい状態です」
「呪われた一族?」
「はい。リリアルガーデンは、3代目です。リリアルリャードフ1代目のリリアル家を作ったと言われている男です。そして、リリアルレファードス2代目です。そしてリリアルガーデン3代目。1代目と2代目まで呪われた剣を作りその人気は、あっという間でした。その剣を求める人が沢山増えてしまいリリアル家では、金を持ってしまいその権力と金で人を雇っては、奴隷のように扱いそのまま死ぬまで働かせて呪われた剣を作らせていました。しかし、そんなリリアル家で、事件が起きました。1代目であるリリアルリャードフが死んだあとまるで呪われたように剣達は、その剣を買った人達に取り憑くようにその人達を意識がないようにとりつき誰もいない家を襲っては、剣で自分すらを殺しリリアル家では、呪われた一族と言われるようになりました」
ここまで聞くとこの異世界に来て初めて話した男性の話と、ぴったり合う。
「ですが2代目も死んでしまうと何故か3代目であるリリアルガーデンは、呪いの剣を作ることもせずリリアル家は、次第に潰れ今では、もうどこに行ったのかも分からずそして3代目が作った剣がレイさんが持っていた剣です」
「すげー話だな。ん?なんでそんなにユミリアは、知ってるんだ?この話結構知ってる人多いの?」
「いえ、騎士の人達も知りません」
ならどうして彼女は、知っているのだろうか?
「知っている理由は、私がリリアル家の娘ですから。ですから今の方がリリアルガーデン3代目だと直ぐに気づきました」
「えっ!?リリアル家の娘!?」
大声を上げてしまった。
「ですから私は、家を飛び出しさ迷う私をジャンさんが助けてくれて、事情も話しましたがそれでもいいよと言ってくれて、私を娘のように優しくしてくれました」
「そーだったんだなんかごめん」
「いえ謝らないでください」
そんな2人の会話にコンコンとノック音が聞こえた。
「邪魔するぞ。剣出来たぜ」
手に輝く剣がありリリアルガーデンと書いていたあの剣と同じ作りになっておりまさに作った本人の意志がどれだけのものかを剣で表してくれている気がした。
「すまんがこれ以上は、何も出来ない。呪われた剣を作ることなんて出来ない。呪われた剣を作ろやつなんて鍛治職人失格だ。でももう俺は、鍛治職人じゃない。最後の剣だ受け取ってくれ」
彼の気持ちが出ている剣を持ち手をゆっくりと持ち構える。
「かっこいいいいぃいいいぃぃ!」
大声で叫んだ。
「その剣この盾と合わせたらもっとかっこよくなるぜ」
「その剣で、私を守ってくれませんか?」
ぼそっとユミリアが何かを呟いたがその言葉を拾い上げるのは、誰一人いなかった。
「ごめん聞こえなかったもう1回言ってくれない?」
「いえなんでもないです」
えへへっと薄ら笑いをするユミリアが気になったが今は、それどころじゃなかった。
剣をどう構えるかポーズを決めていた俺にリリアルガーデンは、俺の肩に手を置き何かを口にした。
「俺の名前だがよ。リリアルガーデンって名前は、もう捨てたそれに本当の名前じゃない。俺の本当の名前は、カリア……リリアルカリアだリリアルガーデンってのは、本来俺に付けるはずだった名前だが母がもう鍛治職人にさせないと俺をそう名ずけただからこれからは、そー呼んでくれ」
「リリアルカリア……?いい名前ですねよろしくですカリアさん」
にっこりと微笑む俺を見てカリアは、安心したように俺を見つめる。





「ええ彼ですがものすごく進化していますよサリア様」
「そう。私に会えるのは、いつ頃かな?」
「きっと彼も立派な男になりますよ。サリア様に似合うような男に……」



こうして俺は、この新しい剣と旅をすることになった。
こんな締め方でいいの?
いっか。

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