異世界に来た俺は自分の物語を始める

ハルト

猛獣の討伐戦

暗い洞窟に光る牙に鋭い目で、相手を睨み付ける。
うおおおおおおおおおおおお!
と、洞窟の中を震えさせるほど吠える猛獣。
黒い毛で覆われており洞窟の中で、今まで大人しく暮らしていたが何かあったのか興奮状態になっていた。



こと代わり直ぐに倒せれるようなモンスターを俺は、倒していた。
レベル0な上にスキルが無く今は、ただモンスターを狩ることしか頭の中には、なかった。
レベル0の俺が倒せるモンスターなんてほとんど居ない。
倒したモンスターは、その場で倒れ込み持ち帰って売ることが出来る。
ジャンさんの店を出て森の中一人で狩りをし始めること1時間程度は、経っているだろう。
倒したモンスターの数は、約20体だ。
この数は、かなり少ないだろうが今の俺にとって見れば上出来の方だと言える。
しかし、中々レベル1になるなど厳しい試練だった。
まぁ悪い夢でも見ているのだろうと何度も挑戦したがやはり使える事などなかった。
逆に何も出来ない。
今までニートをしていた俺にこれだけの運動させるなど死に等しい。
これまでの行いを恨みたい。
木下で休憩をとることにした。
手持ちが真っ赤な剣を直し左横の腰に直してから座った。
倒したモンスター達を貰ったバックに直した。
普段ジャージで過ごしているため何故かこの異世界にもジャージで過ごさなければならない。
どうしてだろうか。
「とりあえず休憩したらジャンさんのところ行ってこいつら売るか。今日の飯代には、なるだろうな」
そんな計画を立てつつ透き通る風を感じながら空を見上げた。
青い空は、今までモンスターと戦ってきた俺に懐かしの日本を思い出させる。
日本は、確か4時、5時だろうがこちらは、まだ1時を回ったところだろう。
そんれぐらい明るかった。




バックを背負いながらジャンさんのところまで向かった。
暑いというよりは、涼しく過ごしやすい環境だった。
ジャージもボロボロになってしまい何とか村が見えてくる位置まで来た。
階段を下りジャンさんの店まで向かったつもりなのだがどうしてか迷子になってしまった。
「そーだったな場所まだ把握してなかったんだ」
適当に歩いたらいつか着くだろうと行き当たりばったりなことを思いながら俺は、前に前にどんどん足を進めていく。
「おいレイ何やってるんだ?」
声をかけてきたのは、上半身裸で見た事のある格好に禿げた頭を太陽が照らして光っている。
そうつまりジャンさんがそこにたっていた。
「ジャンさん良いところにいました。実は、ジャンさんの所に行ってモンスターを売ろうかなと思っていたんですけどまさか迷子になりまして 」
「そうかならついてくるといいよ 」
「ありがとうございます 」
横に並んで店まで着いていくことにした。
こうやって横に並ぶと身体付きや身長など全てが全く違うのだと思い知らされる。
「ところでジャンさんどうしてここに? 」
「あぁ、買い物してんだよちょうどここ通らなかったらレイお前に会うことなんて出来なかったから良かったな」
「まじでありがたいですよ。それにモンスター20匹捕まえたしこれで今日のご飯は、なんとか出来るかなと思ってるんですけど ね」
「まぁモンスターによるが泊まるところあるのか? 」
「いえ、宿なんて見つかってないですよ 」
「なら、わしの所にこい。小屋ぐらいなら貸してやるぞ 」
「まじですかありがとうございます。この恩は、一生忘れません」
「忘れるなよ。それはいいけど着いたぜ」
横を見るとさっき来た店の看板が見える。やっと着いたのだ。
店の中に入って行くと早速モンスターを売ることにした。
バックから倒したモンスターを取り出し見せた。
「どうですか?」
そう声をかけると顔をぐっと何かやばいものをゲットしたかのような反応を見せるジャンさん。
「お前凄いな。これは、あの封印されたバキラの子供達だ」
「バキラってなんすか? 」
「なんだ知らねーよか?バキラってのはな、昔かしお前が行ったあの森の奥にバキラっていう猛獣が居てよ。このモンスターの何十倍の大きさを持っていて、10メートル近くあるんだが牙も一瞬で食いちぎり手なんて人を簡単に踏み潰すことが出来るんだが、その子供達を討伐するとは……さすがにわしもこれを見るのは、久しぶりだの 」
無我夢中で、ただレベル上げのために倒していたモンスターは、何やら凄いモンスターらしくバキラは、このモンスター達の親でありこのモンスター達は、虎型をしていて、まさに凶暴だった。
幸いなことこのモンスター達がまだそこまで強くなかったため倒せたが確かに今ふりかえってみると凶暴だった。
しかし、人を簡単に踏み潰すことができるのは、かなり危険なモンスターだ。
「昔バキラは、ある冒険者によって封印されていたんだがまさか復活しているということは、ないだろうな……このバキラの子供達が出た場所に案内してくれ」
「分かりました」
何やら危険信号が出ているらしい。
ジャンさんは、剣を持ち鞄を持ちその鞄の中に丸い玉を入れ始めた。
何かの餌なのだろうかまぁ今は、そんなこと言ってる場合じゃない。
俺とジャンさんは、猛ダッシュで、森に向かっていた。
「いいかもしバキラが出た場合だが早速と逃げるぞ。わしらじゃあ勝てない。騎士を呼びに行きできるだけ遠くに逃げるいいな!」
物凄い慌てているジャンさんを見るのは、初めてかもしれない。
「分かりました」
森の中に入っていくと冒険者であろう人達が見えた。
しかし、何か様子がおかしく倒れ込んでいる人もいれば剣を構えて親権に戦っている人もいた。
こんな最弱の森でこんなに傷をおう事など余りないと思える。
倒れ込んでいる人に近くと左目にでかい引っ掻き傷があった。
この手の大きさは、まさにバキラなのだろうか。
「あんたら冒険者か?悪いことは、言わねーそいつを抱えて逃げてくれ。バキラが現れたんだよ。今どこにいるか分からねーけどよ 」
ものすごく震えているもう1人の、冒険者が口にしたのは、バキラという言葉だった。
つまり封印されたはずのバキラが復活したのだ。
前から全長10メートル近くある木を倒しながら何かが近づいてくる。
大きな爪に全体が黒い毛に覆われており大きな牙に虎型のモンスター。
つまりバキラが森の奥から現れた。
「いいかお前ら騎士を呼んでくるんだ。この怪我をした人を連れて逃げるぞ」
「ジャンさん悪いですけどここからは、俺がお取りになりますその間に逃げてください 」
「馬鹿なこと言うな!あいつは、騎士団でも討伐するのは、困難だと言われたモンスターだ!」
「ですがここで一人残らなかったら皆全滅します。俺なら心配ないです」
諦めたのかジャンさんは、「よし分かった 」と言いながら怪我をした人ともう1人の冒険者を連れて逃げた。
「しかしまぁ残ったのは、いいけどよ死にたくは、ねーぞこのくそあまぁ! 」
全身が震える。
うおおおおおおおおおおおおと吠えるバキラを前に今、討伐戦が始まった。

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