蝉
1話
高校2年の夏。夏休みの一週間前。
今は昼休みだった。
既に大学受験に向けて勉強している奴らが、教室には沢山いた。
ご立派なことだと、内心拍手しながら僕は机に顔を伏せた。
笑ってしまうのを堪えるためだ。
____こんなに勉強しても意味ないんじゃないの。
そんな考えが頭をよぎってはにやけが止まらなかった。
「ゆうやくん」
机に突っ伏していると、右側から声が聞こえた。
女の声だ。
「なに」
女の方を見ると、同じクラスの相田だった。
「いや、何してるのかなって。心配で来たの」
しょうもねぇ要件。
「はぁ、ありがとう。じゃ、僕もう帰るね」
バッグを持ち、席を立つ。
「あ、いや待っ…」
「なにか他に用があったの??」
「…カラオケ、この後どうかな…なんて」
相田を詰めるような口調の僕に対して、相田はもじもじと僕をカラオケに誘った。
こういう小動物みたいな奴は嫌いじゃない。
「誰が来るの?」
相田は、若山と基山と言った。
若山は、とにかかうるさい女。
基山は、髪を汚く染めたチャラい男。
パス、って言うのをぐっと堪えて行ってみるかと考えた。僕は極力無駄なことはしたくないが、あぁいう奴らみたいなゴミ人間を間近でみることで自分により一層自信がつけられる。そして何よりも今日は本当にやることがない。
「いいよ、参加する。僕あの2人とは合いそうにないけど」
彼女はまるで花の蕾のような顔をして
「あっ、全然いいよ。」
と言った。
「じゃあ行こうか。どこで集まるの?」
そんな会話から始まり、僕と相田の関係は深まっていった。
今は昼休みだった。
既に大学受験に向けて勉強している奴らが、教室には沢山いた。
ご立派なことだと、内心拍手しながら僕は机に顔を伏せた。
笑ってしまうのを堪えるためだ。
____こんなに勉強しても意味ないんじゃないの。
そんな考えが頭をよぎってはにやけが止まらなかった。
「ゆうやくん」
机に突っ伏していると、右側から声が聞こえた。
女の声だ。
「なに」
女の方を見ると、同じクラスの相田だった。
「いや、何してるのかなって。心配で来たの」
しょうもねぇ要件。
「はぁ、ありがとう。じゃ、僕もう帰るね」
バッグを持ち、席を立つ。
「あ、いや待っ…」
「なにか他に用があったの??」
「…カラオケ、この後どうかな…なんて」
相田を詰めるような口調の僕に対して、相田はもじもじと僕をカラオケに誘った。
こういう小動物みたいな奴は嫌いじゃない。
「誰が来るの?」
相田は、若山と基山と言った。
若山は、とにかかうるさい女。
基山は、髪を汚く染めたチャラい男。
パス、って言うのをぐっと堪えて行ってみるかと考えた。僕は極力無駄なことはしたくないが、あぁいう奴らみたいなゴミ人間を間近でみることで自分により一層自信がつけられる。そして何よりも今日は本当にやることがない。
「いいよ、参加する。僕あの2人とは合いそうにないけど」
彼女はまるで花の蕾のような顔をして
「あっ、全然いいよ。」
と言った。
「じゃあ行こうか。どこで集まるの?」
そんな会話から始まり、僕と相田の関係は深まっていった。
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