エロゲーをレビューしてみた。思い出も含めて。

小夜子

第55話「エロゲあるある」




あるあるその① 年齢を明確にしない


エロゲでは建前上、作品中で性行為を行うキャラクターは18歳以上ですとされている。どんなに子供っぽいキャラだろうが、「算数わかんなーい」というキャラがいたとしても18歳以上だ(笑)とはいえ、学年の違いなどで年齢差は必ず出て来る。それを回避するために年齢は公開しない事が一般的だ。「お姉ちゃんの一つ下です」等と何歳か聞かれても数字で歳を答えないなど工夫されている。また、年齢が判別しやすい高校・大学などの言い方もしない。〇〇学園付属・本校といった表記で誤魔化している。恐らく、付属は中学or高校、本校が大学ではないかと思うのだが。アニメ版になるとこの部分は〇〇学園高等学校に変更されていたりすることも。




あるあるその② 主人公の顔が前髪に隠れている


これはエロゲーのみならず、ギャルゲーなんかでもよくあった表現。
主人公の顔は必ず前髪に隠れ、表情がわからないのだ。
なるべく主人公=自分という没入感を出すために個性を抑える為の措置だろう。
ただ、近年では顔出し主人公が流行りらしく、前髪で顔の隠れた主人公はかなり減った印象を受ける。




あるあるその③ 血の繋がった妹・義理の妹


そもそも妹キャラクターとは女心がわからない兄に女の子ならではのアドバイスを与え、攻略キャラの仲を取り持つお助けキャラだ。それ以外はドジっ子を演じ、物語のテンポをよくする為の存在だった。それが2001年のアニメ「シスタープリンセス」で1人の兄に12人の妹(!)という、当時のオタク達には最大級のインパクトを与えた作品が登場。妹萌えブームはこの時から始まり、助言キャラから攻略対象キャラクターとして昇格した。攻略対象となる以上、血の繋がった妹では結婚できない為、義理の妹という設定が流行った。シスタープリンセスのゲーム版でも感情度の高さで血縁END、非血縁ENDの2パターンが存在する。ただ、近年では血の繋がった妹でもHシーンがあるなど血縁の有無はさほど関係ないようだ。




あるあるその④ コンドーム描写がない


普通、Hをする時は妊娠を避けるためにコンドームを使う。
だが、エロゲーではそのコンドーム描写がなく、ほとんど中出しだ。
コンドームをつけずに中出しすれば妊娠する可能性は極めて高い。
なのにコンドーム描写のあるエロゲーはかなり少ない。
しかし、何故か妊娠しないという異常事態(笑)
しかも妊娠するのはメインヒロインではなく、大抵サブキャラ(製作者側が一番お気に入りのキャラクターだと思う)が多いという理不尽。




あるあるその⑤ 主人公がやたらモテる


これはギャルゲーでもよくあるけど、主人公補正と言ってもいいだろう。
特に何かをしたわけでもなく、成績がめちゃくちゃ良い訳でもない。
にもかかわらず、カリスマ性なのか、やたらモテる主人公設定。
また勉強ができないにも関わらず、遊びの事や相談事を女友達からされると具体的なアドバイスをする切れ者だったりする。何故、それを勉強に回さないのか。
これもやはり主人公補正だろう。




あるあるその⑥ 親が仕事で海外に単身赴任、もしくは故人


主人公に親がいると、自宅に彼女を呼んでHするというのは難しい。
かといって、ラブホはバイトもしてない学生には難しい。
そもそも学生がラブホを利用することには否定的な意見があるだろう。
そういった制約を無くすため、親が旅行もしくは海外で仕事をしていたり、過去に病気や事故で亡くなっていたりする。これは漫画でも多い主人公の家庭環境の一つだと言える。




あるあるその⑦ 主人公は一人暮らし


エロゲ主人公は一人暮らしの場合が多い。
だが、完全に一人ではなく、身元引受人の叔父さん・叔母さんが近所に住んでいたりする。お金のやりくりは親が死んでいれば遺産で、親が海外なら仕送りで生活していることになる。大概、「無駄遣いはあまりしないので生活に支障はない」と当たり障りのない文章で語られることが多い。で、主人公の家で悪友と遊んだり、彼女連れ込んでHシーンに入ったりするというパターンが多い訳だ。




あるあるその⑧ いただきますが日課


現実の一人暮らしの場合、家に自分しかいないので大概無言だ。
だが、ゲームで独白ばかりだと味気ないので主人公は独り言が多い。
だから家で一人でメシを食う時も必ず「いただきます」という。




あるあるその⑨ ろくに運動してないのに大一番で大活躍


普通、体力とは日々のトレーニングで鍛えるものだ。
トレーニングを全くしていない人間の体力は当然、鍛えた人よりも低い。
エロゲの主人公って大概、運動はしていない。
運動部に所属していないし、体力トレーニングもしていない。
にもかかわらず、大一番で大活躍する。
体力ない癖にプロ顔負けの攻撃で切り抜けたり、ボスを一撃で倒したり。
何でもかんでも火事場の馬鹿力だけで済むと思うなよ主人公。




あるあるその⑩ 性に関する知識が乏しい


男はHな本を読んだり、漫画だったり、ネットなどで性を知る。
筆者はアニメ「キューティーハニー」(リメイク版)で異性に意識・興味を持つようになった。まあ、そんな事はどうでもいいが。性に関する知識は男の場合はH本やエロマンガ、ネット等で調べて身につけていくものだ。
しかし、主人公にはそういった知識が乏しい場合が多い。
まだ若い男子なら異性に興味があるのは当然だ。
にも関わらず、性に関する知識が乏しい。
乏しいし、経験もない童貞のくせにHシーンで女性キャラから「実は慣れてるんでしょ?」と絶賛されテクを褒められるという……。




あるあるその⑪ バイト先は飲食店


主人公がバイトをすると飲食店が多い。
コンビニだったり、ファミレスだったり。
恐らく、キャラの個性が遺憾なく発揮できる場所だからだろう。
一般作品だと「WORKING!!」が良い例だ。
ファミレスのエロゲ作品も多数出ていたりする。
しかし、そういうのを遊んで自分もできるだろうと思ってはいけない。
「けいおん!」「バンドリ」を見たから俺もバンドできるだろう。
「ラブひな」で景太郎が東大合格したから俺も東大合格目指す!
「風夏」で主人公がバンドでプロになる為に学校を辞めたから、俺も学校辞めてバンドして食っていくわ!等と思ってはいけない。やるにしても現実とフィクションを混同してはいけないぞ。現実とエロゲは違うのだ。ご注意を。




あるあるその⑫ ヒロインはご近所さん


特に幼馴染のヒロインはご近所さんが定番だ。
例えば、ヒロインが主人公宅の隣の家にいて、2階の窓を開けて、主人公とヒロインが会話を楽しんだりとかは定番シュチュ(会話する時は夜が多い)




あるあるその⑬ 主人公の悲劇設定


過去の記憶がない(後の伏線)悲惨な経験をしている(親が事故で死んで苦労した、親に捨てられた、以前の恋人が病気や事故で亡くなったor殺害された)など。物語の展開上、更に酷い悲劇設定が起きたりすることも。




あるあるその⑭ 部活もしていないのに後輩に慕われる


普通、部活に入ってそれなりに頑張っていれば後輩に慕われる(人にもよるが)
それはわかるが……主人公は部活にも入っていないのに後輩に慕われるエロゲーが多い。これは「センパイ!」と呼んでくれる可愛い後輩好きのユーザーが多い為だろう。何もしてないのに後輩から慕われるって人生がチート過ぎるんだが(笑)




あるあるその⑮ 朝、起こしに来るから安心して起きない主人公


主人公が大好きな女キャラ(特にヒロインや幼馴染)は朝、必ず起こしに来る。
しかし、恋人でもない異性の部屋に行くのはいくら好意があるとはいえ、ハードルが高い。にも関わらず、甲斐甲斐しく起こしに来てくれる。主人公は必ずキャラが起こしに来るのを知っているので惰眠を貪る。それを叩き起こされる。主人公が起きたらキッチンに行き、簡単な手料理を作る。着替えを済ませ、起きてきた主人公と一緒に食事をする。何気ない会話をしたり、テレビのニュースを見たりした後、一緒に学校まで登校する。もうほとんど夫婦だよね、これwwwwwww




あるあるその⑯ 帰り道はゲーセンかCDショップか本屋



主人公の一人での帰り道はゲーセンかCDショップが多い。本好き主人公も多いので本屋に行く場合も。もっと他に行く場所ないのかよ……。




あるあるその⑰ 授業中寝すぎ


エロゲ主人公は授業中は寝る。酷い場合はサボる。授業中、真面目に勉強することはまずない。以前の少女漫画ではイケメン君が授業をサボるのがカッコイイとされていた。最近では頭がいい、顔がいい、運動もできる&料理もできるパーフェクトな男子が人気だ。女子にモテモテな癖に他の女など眼中にもなく、恋愛対象はヒロイン(主人公)しか興味がないという。まずあり得ない。現実では絶対そういう奴は女食いまくってるから。




あるあるその⑱ 髪は注意されない


学校物の場合、風紀委員がよく「校則違反よ!」と声を荒げ、制服のチェックをしたり、変なものを持ってきていないか鞄を調べたりする。だが、一つ疑問がある。エロゲでは髪が緑色、赤色、金髪などのキャラも多い。エロゲに限らず、アニメでもそういうキャラは珍しくない。にも関わらず、髪色は注意されない。なんで?




あるあるその⑲ いくらでもHする主人公


1度射精してもすぐに回復する。
2度、3度と射精しまくる主人公。
化物すぎる性欲だわ。




あるあるその⑳  Hシーンに安っぽいBGM


これ本当に勘弁して。萎える原因だから。
いっそ無音の方がいいかもしれん。




あるあるその㉑ 一気に放課後


授業の描写は割愛されることが多い。
「そして、放課後になった」という一文ですぐに放課後、夜、就寝。
一日がすんごく短い。

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