エロゲーをレビューしてみた。思い出も含めて。

小夜子

第12話「ホワイトブレス」

キャッチコピー(自作)「良作になれなかった、準良作」




これは筆者が高校時代に2000円という安さにつられてソフマップで購入したもの。
舞台となっている街(神奈川県藤沢市)があり、背景の描き方は非常に丁寧で綺麗。
キャラクターの絵も良く、冬の雰囲気もよく出ている。
OPも素晴らしく、歌と背景がマッチしていて素敵だ。
ストーリーはその街を舞台に主人公はクラスメイト、後輩、従姉、尊敬できる人。
そんな人達に囲まれて楽しい生活を送っていた。
この日々がいつまでも続けばいいのに。
だが、主人公は幼い頃に患っていた病気が再発し…というストーリー。
最初は良作からと思ったが、違った。




このゲームが名作になれなかった点はシナリオにある。
文章の説得力というか、書き方に何の魅力も感じないのだ。
丁寧な背景に負けている拙い文章だと言っていい。
ライトノベルでも一般小説でも、その作者の独特の言い回し、感情表現、表現方法があり、それで物語が成立しているからこそ人は文章を読んで面白いと思えるのだと筆者は思っている。だが、あまりにもシンプルすぎて表現も何もない霞のような文章では正直、印象に残らないし、感動もしない。




それはどのシナリオも共通でBGMや背景など雰囲気から「ここは感動させたいんだろうな」という製作者の意図が見えるが、全然感動も涙すら出ないのだ。
「いい音楽と景色だなー」という感想だけでマウスクリック(笑)
第一、主人公が病気だという伏線はほぼ何もない。
序盤で入院している誰かをお見舞いしているクラスメイトの姿があるが、
それが主人公とは思えないようになっているので、伏線とは言い難い。




さて、このゲームでは7つのPHASEで構成されている。
序盤の中心となるPHASE2では「行動選択」「アドベンチャー」とあり、行動選択では朝・昼・夜の時間帯をどのヒロインと過ごすのかを決める。顔アイコンが出ているので、攻略したい子だけを選ぶといい。アドベンチャーでは選択肢をきちんと選ぶ。その繰り返しで最終的に一番多く行動選択した女の子のフラグが立ち、ルートに行くことができる。割と簡単なので初心者にはいいかも。




人気があったのか、PS2、PSP版も出ている。全年齢版には没キャラになっていたキャラを復活させ、登場させている。更にそのキャラも出してエロゲー版でも出ていることから一定数の人気はあった模様。ただ、名作になれなかったのはやはり文章が原因ではないかと思う。ストーリーがもう少し重くても良かったかもしれないな。正直、色々惜しい作品である。




ブランド  F&C FC02
発売日  2004-07-23
商品群 限定版/PKG版/10584円
限定版/PKG版/9504円
通常版 /PKG版/9504円
通常版 /PKG版/7344円
通常版 /DL版/2990円


中古なら2000円以下程度。



原画 橋本タカシ
シナリオ 草薙こうたろう
音楽 OdiakeS
声優 夏野こおり(一ノ瀬 美緒) , 風音(柊 歩) , 草柳順子(春日 美乃) , 一色ヒカル(遠峰 凪沙) , かわしまりの(浅葉 ののか、一ノ瀬 弥生)
ルネッサンス山田(鳳 刹那)
Back麗男(橘 泰昭) , 東十条(一ノ瀬 雅人) , 西田こむぎ(春日 洋子) , AYA(声優)(柊 郁) , 桜川未央(春日 太平) , 関和美(那由他 みかん) , 滝沢アツヤ(美馬 祐士郎)
その他 癸乙夜(ロングデモ)



データはErogameScape -エロゲー批評空間-より抜粋。









          

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