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世界一の頭脳を持つ母と世界一力が強い父から生まれた双子

未完ちゃん

第51 救いのようで残酷な希望

うん……。
普通に考えて、まずほぼ間違いなく、①ではないだろう。
となると、②か③となってくるが……
などと、あれこれ考えているうちにいつの間にか懐中電灯が俺の手から凛の手へとその所在を変えていた。
まぁ、そんなことはどうでもいい……って!

「うわっ!!」



突然、辺り一面が白い光に包まれた。





……かのように見えたが、それは間違いで。
目が慣れてきて、
よくよく白い光に目を凝らしてみると、
白い光の正体は、幾多もの光る虫だった……

「これって……」

凛が岩肌に止まっていた光る虫に指を差し出し、虫が指に乗るように誘う。
凛の指にちょこんと乗った光る虫を間近に見てみる。

「これ、蛍、じゃないか??」

「えっ!?蛍!?蛍って洞窟にいるものなの!?」

「……テレビでニュージーランドやオーストラリアに土蛍という蛍がいると聞いたことがあるが……」

「へー!そーなんだ!じゃあこれってラッキーだね!!
って、あれ、それ・      ・って……もしかして、!」

「いや、そう・    ・決めつけるのはまだ早くないか?」

そう、"もしかして、ここは元の世界なのではないか"ということ。

それは救いのようで残酷な希望だ。

魔力のある世界では、いや魔力のある世界だからこそ、
蛍が洞窟にいるのは当たり前なのかもしれないし、
それに、この先に洞窟の出口なんて無くて、
入口が出入り口の役割を担ってる可能性だってあるんだ。
そう思う一方で、懐中電灯や、洞窟の土蛍など
わずか事から、ここは元の世界なのではという希望も捨てられずにいる。

「え〜、まぁ、そーかもだけど、お兄ちゃんは帰りたくないの??」

「帰りたいに決まってる!!      けど、」

そうだ。俺はずっと、あの世界に帰りたいんだ。けど、帰りたいと願う一方で……

「けど、何?」

「けど、けどな。正直な怖いんだよ」 

「怖い?何がっ?何が怖いの、お兄ちゃん!」

凛は理解できないって顔だ。
そりゃあそうだよな。帰りたいくせして、怖いだなんてなんなんだって話だ。

「……お前は元の世界に戻って、今まで通りに暮らせると思ってるのか??」

「??そんなの当たり前じゃん!!なんでそんなこと聞くの??」

「……俺は、そうは思ってないからだ。」

「え?」

「仮に、ここはもう元の世界だとしよう。
元の世界だとして、じゃあ俺たちのいるここは一体どこだ??
時が過ぎてなければ、ここはほぼ100%日本ではないだろう。
日本にこんな場所(蛍のいる洞窟)があると聞いたことがないからな。
しかし逆に時が過ぎたとするならばここが日本の可能性もある。
俺達がこの世界からいなくなってから、地殻変動等が起きて、こういう場所が出来ても不思議ではないからな。」


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