世界一の頭脳を持つ母と世界一力が強い父から生まれた双子

未完ちゃん

第8話 旅立ち

僕は今、ずっと探していた妹の凛を横に、来た道を引き返し歩いていた。
そして、凛は僕が凛を見つけてからもまだ泣いている。よっぽど怖い目にあったのだろうか、、、

「凛、大丈夫か?」

僕は凛を安心させるため、出来るだけ優しく、笑いかけた。

「うん、、、今はお兄ちゃんがいるから、大丈夫だよ。」

「そうか、、、。」

とても、大丈夫には見えないのに、凛は無理して涙を流しながら笑っている。
僕がさっき、おみくじを引いたところが見えてきた。

「お、おみくじをひくところがあるぞ?ひいてくか?」

「うんっ!」

嬉しそうに、おみくじをあさっている。
大吉〜大吉〜と言いながら、、、

「よしっ!これだっ!」

「お、決まったか?」

「うんっ!どれどれ〜、、、大吉!」

「お、良かったな。」

「お兄ちゃんもひこう〜?」

ひいてもいいけど、大吉ひいたしな、、

「いや、僕はもうひいたから大丈夫だ」

「そうなの?ひくの早い〜!それで、何だったの?」

まあ、凛を見つける前にひいてしまったからな、、、

「凛と同じで、大吉だよ」

「おー!」

「さあ、おみくじもひいたし、帰るか」

「うん、そうだね」

凛の涙がいつの間にか止まっていたことに、僕は安堵した。
再び歩き始めると、本坪鈴と鈴緒のある場所まで来て、後はあの妙な鳥居の道を歩けばいいだけだった。

「わあ、、見て、お兄ちゃん!鳥居の数、すごいあるし、大きいよ」

「ん?ああ、本当だ」

妙だ。僕が来た時は、こんなに、数もなかったし、大きくもなかった。
この鳥居は、見上げて、やっと、鳥居を認識できる大きさだった。
だが、それを凛に言って、不安にさせるよりは、黙っておこう。僕が来る時に、気づかなかっただけかもしれないし、、。

「お母さんと、お父さん、心配してるだろうね、、、」

「ああ、そうだな、、」

それから、しばらく沈黙が続いた。
しばらく歩いていると、神楽のステージが遠目に小さく見えた。そして、そこにいる、父と母の姿が見えた。

「お兄ちゃん!お母さんとお父さんがいるよ!早く行こっ!」

「ああ、そうだな」

ふと、何気なく、空を見ると、月が赤かった。
そして、月が赤い日の夜、鳥居をくぐると、異世界への扉が開き、異世界へと旅立つ。ということを何かの本に書いてあったことを思い出した。
とてつもなく、嫌な予感がした。
それを凛に伝えようとした時には、もう遅かった。
凛は、既に鳥居の外にいた。

「お兄ちゃん?行こう?」

「凛!」

「何?お兄ちゃん」

「手を伸ばせ!」

「えっえっ?」

凛は困惑しながらも、僕に向かって手を伸ばした。
しかし、遅かった。
僕が凛の手を掴んだときには、もう、凛は異世界へと、飛ばされそうになっていた。

「凛っ、、!」

「なっ何これぇ、、!!お兄ちゃぁぁぁん、、!」

パァァァァァァ!!
辺り一面が真っ白になっていく中、僕はなんとか、凛の手をひき、凛をなるべく近くに来させたところで、意識が途切れた。

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