俺の右手には力が宿っているのだが厨二病だと思われる件

清水 裕斗

エピソード8:初めて奪われた??

俺はしばらく何が起こったのか分からなかった。
ちょっとアンヌで遊んでたらいきなり……
き、キスなんかしてきて……
いや、別初めてとかではないから!!
アンヌの唇柔らかいなぁ〜とか考えてねぇーし!!
でも俺が不覚をとるとは……
いつもの俺だったらあれくらい避けれた筈だ!!
でもでも!!俺は別に体調悪くなかったし………
………もしかして俺、無意識に避けなかった?
ぅうっわぁ、、黒歴史だぁぁぁあ!!
ま、待てよ俺は不可抗力だから!!
いきなりキスした奴の方が悪いよな?
だったら話しは簡単だ訴えてやる!

「泉、、起きてってば」

ゆさゆさと揺さぶられてる様な感覚がある。
だが、今はそんな事どうでもいい!!
俺はアンヌを裁判にかけることで頭がいっぱいなんだ
そんな揺れ如きで俺が考える事を止めるとでも?
否、そんな事あるわけ……

「う〜ん、もしかして息が止まってるとか
だ、だったら人工呼吸しないと!!
僕は別にしたいわけじゃないけど君の為だから……
仕方ないよね?」

そう一人で身勝手な考えをしたアンヌ(勿論、泉に呼吸がある事に気付いていた)はまた泉の唇に自分の唇を重ねようと考えていた。

「仕方なくねぇぇぇ!!!
俺の純潔をかえせぇぇ!!」

余談だがこの時、泉が起きなかったら
先程の唇を重ねただけのキスとは違い舌が淫らにまじわる様な……いわゆるディープキスをされていた所だった
本当に不穏な空気を感じとった俺を褒めて欲しい!!

「なんで女の子が軽く男にキスとかするんだよ!」

「大丈夫だよ。僕も泉以外にはそんな事しないもん」

「だ、だからって俺とお前は今日初めて会ったに過ぎないじゃねぇかよ!!
なんでそんな奴に軽く唇をあげてんだよ!!」

「……僕と泉は前から知り合いだったよ
前とは髪の毛の色が変わってて分からなかったよ」

「いやいや、髪の毛の色でお前は人を認識してんのかよ」

「え?虫の顔をいちいち覚えてられるの?」

きっぱり言いやがった、コイツていうか
さっきとは打って変わってアンヌに玩具にされてるんだが俺。さっきまで少し弄んだら直ぐに泣いてた癖に!!
……あれ?今まで気づいてなかったけどさ
この辺り一面真っ白だね、あれ?
まるでこの世界に俺とアンヌしかいないような……
そういえばモモはどこいったんだ??
ここに居るのは俺とアンヌの二人だけだったのだ。

「モモはどこいったんだ?」

「モモは部室にいるよ」

「なんでモモは連れてこなかったんだ?」

「………だって…僕は泉としかキスしたくないから」

おい!その涙目と上目遣い可愛い過ぎじゃねぇか!!
く、この程度で俺が可愛いと思うだと、、
舐めんな!!家畜如きに俺が萌えるわけ……

ーー!?
コイツ、、手触ってきやがった!!!
なんでナチュラルに手触ってこれんだよ!!!

「ねえ、泉……僕の事覚えてない?」

「アンヌ……俺は、俺は」

「泉もしかして……」

「あぁ、俺は!!!」

「覚えててくれたの!!」

にぱっと嬉しそうな顔をしたアンヌが俺に抱きつこうとしたところで

「全く覚えてない!!!」

これまたクズの常套手段上げて下げる
おかげで嬉しそうにしてたアンヌは落ち込んでる。
今はいじけて地面をグリグリしてる。
いや、初めは知ったかぶりしよう思ってたんだよ
だけどアイツが俺に抱きついてこようとしたから(かぁ〜)
べ、別に俺は経験豊富なんだけどね!!
あ……あんまり触れられたらちょっと………

「ねぇ、本当に覚えてない?」

だから近づいてくるのやめてくれない!!
ドキドキなんてしないけどね!!
恥ずかしくもないけどやめてください!!

「じゃあ……思い出させてあげるよ」

「え?な、なにを?」

「実はここ過去がみれる空間なんだ
だから僕と泉が出会った過去を見せてあげるよ」

「ま、待て待てそもそもここに呼んだのは
生徒会のみんながいきなりやめちゃったから
その理由を見るためじゃなかった??」

「そんな事より僕との過去を思い出して欲しいの」

だからその上目遣いやめろって!!

「ま、待て待てそもそもなんでこんな空間とか
作れたんだよ。ほら、そっちの方が気になるから
教えてくれるかい!!」

「それも過去を思い出したら直ぐ分かるよ」

そう言って段々と近づいてくる
そして俺は後ろに後ずさりしてる。

ーー!?
後ろに壁!?

「この空間は僕の好き放題なんだよ
だから……諦めて」

何でもかんでも上目遣いしやがって
可愛いくないんだよ!!!
でも逃げられないのは本当みたいだ
ここは少しでも時間を稼ぐ!!!

「いやいや、まずは生徒会の奴が見たいなぁ〜
その過去も後でみるから、ね!!」

「うぅ〜、しょうがないなぁ」

そう言って更に近づいてきたアンヌ

「あの、アンヌさん?
なんで近づいてくるのでしょうか?」

アンヌは当たり前の様な顔をして

「そんなのキスするからに決まってるじゃん」

「いやいや、そんな事知らない知らない!!」

「安心して良いよ……
ディープキスしてあげるから」

何をどうしたら安心できるんだよ!?

「ちょっ、やめ、」

「ありがとう、泉も僕と二回もキスしたかった
なんて(ポッ)」

「いや、知らないから!!
知ってたらそんな事いわなムグッーーー」

指で俺の唇を抑えて小悪魔な顔で

「ダーメ、もう逃げられないよ」

と言い、近づいてきた。

「約束どおり初めは生徒会の事を見せてあげるよ」

ーーと言い唇が重なった。

「ん、はっ、はうっ、はぁーーー」

「ーーーはぁ、はう、、うっん、あっーー」




そこから俺の記憶は途切れて
以前の生徒会メンバーが揃ってた生徒会室に
いた。
目の前にはアンヌが居るが俺のことには気づいていない様だ。それはそうだろうな過去の出来事を見てるだけだからな、別に過去に戻ってる訳ではないしな。

「僕に触るな!!!
虫が僕に触って良いと思ってるの!!」

あっ、もう分かったわ
この態度だ………


 





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