亡霊軍艦からの脱出

11月光志/11月ミツシ

艦長室にて

先生からの告白に全員に一瞬その場が固まる。
はぁ?!どうすんのこれ、詰んだ?詰みました。これ

「どどど、どうするんですか?先生」

副部長が動揺しながらそう質問する。
確かに脱出しようにもしばらく迎えの船は来ない。
先生はしばらくの沈黙後こう答えた。

「ここで助けを待っても、船員に見つかれば殺される可能性もある。脱出方法を探すためもう一回分かれるぞ」

確かに今までの証言から聞けばここにいては殺される可能性がある。脱出方法を探すのが妥当だろう。

「何かあったらここに集合だ、いいな?」


先生たちから別れた。
俺と友人の甲斐は艦長室?と呼ばれていた場所の廊下にいる。
骸骨の船員が現れたら物陰や部屋に身をひそめる。地味だがこれが助かる方法なのだ。
甲斐は廊下でいろいろ探っている。だが廊下には棚などが置いてあるだけで特にめぼしいものがな……

「おい鍵があったぞ」

………、どうやら鍵を見つけたらしい。
まぁ、そりゃぁあるだろうな。だって艦長室、鍵かかってたもん

『ガチャ』

分厚い鉄の扉が、「ギー」言いながら開いた。と同時に椅子の上に無残な姿になっている人間の姿があった。
歳もわからないほど腐敗が進んでいた。死因は近くに拳銃があったので恐らく…。
服装からして恐らくこの骸骨が艦長だろう。
そう思った瞬間艦長の骸骨が一瞬で消えた。

「「な?!」」

俺と甲斐が同時に声を上げる。艦長が座っていた席はかすかに濡れておりさっきまで誰かが座ってたような感じがした(実際座っていたが)

その後俺たちは静かにこの部屋を探索した。目立つものは特になかったが隣接している部屋で拳銃と弾薬が未使用のまま発見できたのは不幸中の幸いだろう。おかげで骸骨船員に抵抗できる方法ができたのである。
そしてこの部屋から退室しようとしたその時、部屋の外で複数の足跡が聞こえた。

『急げ!侵入者を捕まえろ!抵抗した場合はその場で射殺も許可されている。いち早く見つけろ!』
「おい、まずいぞ。鍵をかけているからここで芋るという方法もあるけど、女子グループのほうは…」
「ああ。だがしばらくは出ないほうがいい」

だがもし、もしもここにいることがばれたら、対空砲で撃ち込まれる可能性もある。
いや、さすがにそれはあり得ないだろう。と思っていたが次の瞬間外から聞こえてきた声に背筋が凍った。

『残りは2人だ!抵抗した場合捕まえたやつらを12.7mmで撃ち殺せ!』

俺たちは顔を見合わせ身震いをした。
そして救出を心の中で決意した。いや必ず救出すると。

「…………行ったか?」
「ああ、恐らくな。どうするまずいことになったぞ」
「そ、そうだな。彼女のためにも…」
「ちょっと待てお前、彼女いたのか?!」

友人の(ある意味)衝撃的な発言に絶叫してしまう。
…いや今はそんな時間ではない。無事帰ったらじっくり聞かせてもらおうか、無事帰れたらな。

「まぁいい、っでどこへ行くんだ?」
「うーん、漫画などでは船底が多いが…、そこに行くか?」

そういやこいつ大の映画好きだったな。だが可能性はある。
俺たちは艦橋から船底行くとした。

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