ギャグ特化異世界ライフwith妖精
14 シロナのコンプレックス
休憩がてら公園らしきベンチに座っていた。
「これからどうすればいいんだろ?」
「あんだけ武器買ったのに迷うところ!?」
「いやでも〜、こんだけお金あったら〜、そんなに〜、働かなくても〜、いいんじゃないかな〜」
「いやでも…、まぁ、言われてみればそうなのかな…?」
「そうに違いないよ〜。ていうか、わたしたち寝る場所さえないんだよ?」
「あ、言われてみれば確かにそうだったね…」
「おまけに、まともなご飯も食べてないし、なんならこの国の文化すら知らないし」
「じゃ、じゃあまずはどこかでゆっくり休もう?」
何その発言。ちょっと卑猥な響きがある。そう思うのは私だけ?
「そうだねー。シャワーでも浴びたいね」
「それは大賛成!」
シロちゃんはいきなり乗り気になった。
ていうか、この世界にシャワーあるんだ…。いや、あってもおかしくないか。魔法あるし。
「そうと決まったら良い宿を探そう!」
シロちゃんは高らかに宣言しているが使うのは私のお金なのだが。
「じゃあしゅっぱー——」
急にシロちゃんが口を開いたままその場で固まった。
「え?何?どうした?」
「な、なななんでもないよ!?」
そう言いながらもやはり目はそらしたまま、冷や汗もダラダラと流している。
「?」
しかし、原因はすぐに判明した。
公園には、私達以外の人間も当然いるのだが、その中に少年と白い犬がボール遊びをしていた。
「シロ!取ってこい!」
「ワウ!」
そしてその犬がボールを取って少年の元へ戻ると、少年は「よしよしよし!」と言って、犬の方は嬉しそうに尻尾を振っている。
なんだ、和やかな光景じゃないか。そう思ってアイテムボックスから解体用のナイフを取り出し近くの木の幹に投げる。…がしかし刺さりはせず根元に落ちてしまう。
「よーし、シロちゃん取ってこーい!」
「楽しむな!!!」
シロちゃんはよほど嫌なのか泣いてしまった。
「そ、そんなに嫌だった?ごめんね?」
「いじめだ!先生に言ってやる!」
そ、そんなー…。
「ご、ごめんってば!もう二度とやらないから!ね!?シロちゃん!?」
「うわぁあああ!シロちゃん言うなぁあ!」
だ、だめだ…。どうすれば…?
すると、騒ぎを聞きつけたのか少年と犬がやって来た。
「どうしたの?」
「ワォゥ」
シロちゃんはその声を聞いた瞬間私の胸に飛び込んで来た。
え、なに?
「いやぁあああ!!!いぬぅうううう!!!」
この子忙しいな…。
少年と犬は困惑した様子で顔を合わせていた。
「お騒がせしました〜」
ナイフをサッとしまい、苦笑いを浮かべつつ私は逃げました。
逃げた先、ギルドに併設された酒場にて。
「ふん!サクラなんてもう知らない!」
「まぁまぁ、お酒でも飲む〜?」
「飲む!」
え、飲むの!?ていうか飲んでも大丈夫なの!?私達まだ未成年だよ!
「おねーさん!桃果汁ください!」
あ、なんだジュースか…。てか、桃ジュースって…、可愛すぎかよ。
「じゃあ私はミルクコーヒーで」
「な!!?コ、コーヒー!?」
シロちゃんは『驚愕を隠しきれない!』といった顔で私の注文を脳内で反芻しているようだった。
「あんれー?シロナちゃんはコーヒー飲めないのー?お・こ・さ・ま。だね!」
まぁ、私もミルクコーヒーしか飲めないけどね!
「ぐぬぬ…!」
よほど悔しいのだろうか。悔しさから顔を歪めている。……でもそんな顔もかわいいよ!
しかし、私の微笑みはシロちゃんにとっては悪魔にしか見えないらしい。
「おねーさん!やっぱりブラックコーヒー追加で!」
「な!?」
それはあまりにも無謀が過ぎる!それともこの世界のコーヒーは別の何かなのか!?やめてくれ!私も桃大好きだから!なんなら桃缶の残り汁まで飲みきる人だからぁ!
「お待たせしましたー」
 持ってこられたカップには真っ黒い液体と淡い黄色の液体が入っている。ただし、妖精用に調整されているのかもう一つの薄茶色の液体が入ったカップよりふたまわり以上は小さい。
私はミルクコーヒーを一口…うん、普通のミルクコーヒーだね…。てことは…。
シロちゃんは覚悟を決めた表情で、コーヒーを口に含む。瞬間、電流が走ったかのように顔から足先までピンと伸び、そのまま硬直する。
しかし、彼女の目は諦めの色には染まらない。
彼女は一度姿勢を戻して——飲み込んだ。
そのまま、カップの中のコーヒーを全て飲みきってしまった。
…私は、自然と拍手を送っていた。
カチカチと鳴る彼女の口からは、
「ど、どうよ?こここのくらい余裕よ!」
と…。
「…分かったよ。うん、分かった」
いや何が分かったの?自分でもわからん。
ただ一つ言うことがあるならば、
「まぁ、私の奢りだから普通は全部飲みきるよね。うん」
「………それもそうだね」
ていうか、そんなことよりも知りたいことがあるのだけれども。
「ちょっとお聞きしてよろしおすか?」
「?よろしおすよ?」
「…”シロちゃん”って、呼ばれたくない?」
「!い、いやあれは…、うーん、まぁ呼ばれたくはない、かな?」
そっかー。まじかー。そうだったのかー。そうだよねー。うん。分かる。だと思ったもん。
「……じゃあさ、今度からシロナと呼ばせていただきたく存じます。あ、それかシロたんで」
「シロナ!で!お願いします」
あ、やっぱりシロたんはダメなのね。
「了解しました。シロナー」
「う、なんかちょっと恥ずかしいかも」
「シロナーはかわええなー」
「ちょっと語呂よくするのやめて!」
「ごめんなーシロナーすまんなーシロナー」
やばい。ちょっと楽しくなってきちゃったんだけど。
「やめてってば!」
「シロナーはよく怒るなーもっと楽しく生きようやー」
「もういい!知らない!」
「まーまーシロナーは直ぐ拗ねんなー。……。あれ?シロナさーん。え?うそ、え?」
その後、ケーキを奢るまで口を聞いてもらえなかった。
「これからどうすればいいんだろ?」
「あんだけ武器買ったのに迷うところ!?」
「いやでも〜、こんだけお金あったら〜、そんなに〜、働かなくても〜、いいんじゃないかな〜」
「いやでも…、まぁ、言われてみればそうなのかな…?」
「そうに違いないよ〜。ていうか、わたしたち寝る場所さえないんだよ?」
「あ、言われてみれば確かにそうだったね…」
「おまけに、まともなご飯も食べてないし、なんならこの国の文化すら知らないし」
「じゃ、じゃあまずはどこかでゆっくり休もう?」
何その発言。ちょっと卑猥な響きがある。そう思うのは私だけ?
「そうだねー。シャワーでも浴びたいね」
「それは大賛成!」
シロちゃんはいきなり乗り気になった。
ていうか、この世界にシャワーあるんだ…。いや、あってもおかしくないか。魔法あるし。
「そうと決まったら良い宿を探そう!」
シロちゃんは高らかに宣言しているが使うのは私のお金なのだが。
「じゃあしゅっぱー——」
急にシロちゃんが口を開いたままその場で固まった。
「え?何?どうした?」
「な、なななんでもないよ!?」
そう言いながらもやはり目はそらしたまま、冷や汗もダラダラと流している。
「?」
しかし、原因はすぐに判明した。
公園には、私達以外の人間も当然いるのだが、その中に少年と白い犬がボール遊びをしていた。
「シロ!取ってこい!」
「ワウ!」
そしてその犬がボールを取って少年の元へ戻ると、少年は「よしよしよし!」と言って、犬の方は嬉しそうに尻尾を振っている。
なんだ、和やかな光景じゃないか。そう思ってアイテムボックスから解体用のナイフを取り出し近くの木の幹に投げる。…がしかし刺さりはせず根元に落ちてしまう。
「よーし、シロちゃん取ってこーい!」
「楽しむな!!!」
シロちゃんはよほど嫌なのか泣いてしまった。
「そ、そんなに嫌だった?ごめんね?」
「いじめだ!先生に言ってやる!」
そ、そんなー…。
「ご、ごめんってば!もう二度とやらないから!ね!?シロちゃん!?」
「うわぁあああ!シロちゃん言うなぁあ!」
だ、だめだ…。どうすれば…?
すると、騒ぎを聞きつけたのか少年と犬がやって来た。
「どうしたの?」
「ワォゥ」
シロちゃんはその声を聞いた瞬間私の胸に飛び込んで来た。
え、なに?
「いやぁあああ!!!いぬぅうううう!!!」
この子忙しいな…。
少年と犬は困惑した様子で顔を合わせていた。
「お騒がせしました〜」
ナイフをサッとしまい、苦笑いを浮かべつつ私は逃げました。
逃げた先、ギルドに併設された酒場にて。
「ふん!サクラなんてもう知らない!」
「まぁまぁ、お酒でも飲む〜?」
「飲む!」
え、飲むの!?ていうか飲んでも大丈夫なの!?私達まだ未成年だよ!
「おねーさん!桃果汁ください!」
あ、なんだジュースか…。てか、桃ジュースって…、可愛すぎかよ。
「じゃあ私はミルクコーヒーで」
「な!!?コ、コーヒー!?」
シロちゃんは『驚愕を隠しきれない!』といった顔で私の注文を脳内で反芻しているようだった。
「あんれー?シロナちゃんはコーヒー飲めないのー?お・こ・さ・ま。だね!」
まぁ、私もミルクコーヒーしか飲めないけどね!
「ぐぬぬ…!」
よほど悔しいのだろうか。悔しさから顔を歪めている。……でもそんな顔もかわいいよ!
しかし、私の微笑みはシロちゃんにとっては悪魔にしか見えないらしい。
「おねーさん!やっぱりブラックコーヒー追加で!」
「な!?」
それはあまりにも無謀が過ぎる!それともこの世界のコーヒーは別の何かなのか!?やめてくれ!私も桃大好きだから!なんなら桃缶の残り汁まで飲みきる人だからぁ!
「お待たせしましたー」
 持ってこられたカップには真っ黒い液体と淡い黄色の液体が入っている。ただし、妖精用に調整されているのかもう一つの薄茶色の液体が入ったカップよりふたまわり以上は小さい。
私はミルクコーヒーを一口…うん、普通のミルクコーヒーだね…。てことは…。
シロちゃんは覚悟を決めた表情で、コーヒーを口に含む。瞬間、電流が走ったかのように顔から足先までピンと伸び、そのまま硬直する。
しかし、彼女の目は諦めの色には染まらない。
彼女は一度姿勢を戻して——飲み込んだ。
そのまま、カップの中のコーヒーを全て飲みきってしまった。
…私は、自然と拍手を送っていた。
カチカチと鳴る彼女の口からは、
「ど、どうよ?こここのくらい余裕よ!」
と…。
「…分かったよ。うん、分かった」
いや何が分かったの?自分でもわからん。
ただ一つ言うことがあるならば、
「まぁ、私の奢りだから普通は全部飲みきるよね。うん」
「………それもそうだね」
ていうか、そんなことよりも知りたいことがあるのだけれども。
「ちょっとお聞きしてよろしおすか?」
「?よろしおすよ?」
「…”シロちゃん”って、呼ばれたくない?」
「!い、いやあれは…、うーん、まぁ呼ばれたくはない、かな?」
そっかー。まじかー。そうだったのかー。そうだよねー。うん。分かる。だと思ったもん。
「……じゃあさ、今度からシロナと呼ばせていただきたく存じます。あ、それかシロたんで」
「シロナ!で!お願いします」
あ、やっぱりシロたんはダメなのね。
「了解しました。シロナー」
「う、なんかちょっと恥ずかしいかも」
「シロナーはかわええなー」
「ちょっと語呂よくするのやめて!」
「ごめんなーシロナーすまんなーシロナー」
やばい。ちょっと楽しくなってきちゃったんだけど。
「やめてってば!」
「シロナーはよく怒るなーもっと楽しく生きようやー」
「もういい!知らない!」
「まーまーシロナーは直ぐ拗ねんなー。……。あれ?シロナさーん。え?うそ、え?」
その後、ケーキを奢るまで口を聞いてもらえなかった。
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