女神様の告白を承諾したら異世界転移しました。

年中眠休

騎士道祭前日

明日、騎士道祭が始まる。

騎士道祭は簡単に言えば、自分をアピールして少しでも騎士団にコネを持つ為に生徒らは全力で競技を行う。種目は3つ障害物競走、バトルロワイヤル、1on1の試合。

1年から3年生まで全員が同じものを行い、アピールする。

今日は前日であり、休養日である。俺は最近、小雪、マナ、クーシュと一緒にいる事がと多い。今もあの小さな丘にいる。

因みに寮に戻らずに、あれをしたのはすぐにバレた上に指輪を見て、茶化された。多分、俺のルームメイトのナナシもこの2人と同じく気づいてはいるが、気にしてないのだろう。小雪との関係は一線を超えた事で何かが吹っ切れた。どういう訳でもなく節度ある付き合いをしてる。

「仁さんは騎獣は居るんですか?」
「いや、居ないけど。俺は魔力ないし、召喚も出来ないし。魔物を捕まえるとしても契約する為にも魔力が必要になるからな」
「じゃあ、ジンは障害物競走で敗退だね」
「ああ、そうだな」

騎士道祭とはあくまで騎士になりたい学生のものだ。俺は関係ない。つまりは、全くやる気がない。

「仁さんの活躍が見れると思っていたのに残念です」

そんな残念そうなオーラを出さないで欲しい。2人がジト目でこっちを見てるし。

「はぁ、そろそろ俺は寮に戻って寝る」
「なら、私も」
「いや、寮が違うだろ?」

更に残念そうな顔をする小雪。

「騎士道祭が終わったらまた遊び行こうな」
「はい!!」

花が咲いた様な笑みとなる小雪を見て、安心した。俺は寮に戻ると見せかけて、統率の部屋に向かった。

「失礼する」
「ご主人様?」
「シロか。元気にしてるか?」
「はいでした。レイア様、メイさんがとても良くしてくれるのでした」
「そうか」

俺は安堵した。最近は構ってやれてないしな。

「いいか?夫婦の片割れ」
「その言い方は辞めてくれ」
「呼び方など私の勝手だ。貴様の事だから誰にも見られてないな?」
「ああ、そういうことは慣れてる」
「行くぞ」

統率が指を鳴らすと、俺らは円卓の間にいた。四騎士に国王、アーサーもいる。 

そして

「お前もか」

黒い髪に黒い目をしたルームメイトもいた。学園に居る時とは雰囲気がまるで違う。少しだけ幼く、戦うことが楽しい雰囲気があったが今は感情を何一つもない。

「集まったな。よく来た。明日は騎士道祭だ。情報に皇国が密かに動き始めた。作戦を決行する。″ジョーカー″分かっているな?」

ナナシは頷くと、消えた。転移魔法では無いことは分かる。例えるなら闇に溶け込んだと言った方があっている気がする。

「仁、お主が今回の要だ」
「ああ、不安要素は夜叉族の潜伏が全く分かっていないことだ」
「分かっている。四騎士は派手に動けん。今、戦争となれば、鬼神の復活に手を貸すことになる」

今回はこちらも秘密裏でやる必要がある。理由として2つある。

・これをきっかけに戦争になれば皇国側の思うつぼになる
・こちらの作戦が成功すれば一時的にあちら側の動きを封じる事が出来る

俺は静かに頷いた。

嵐の前の静けさというに最も近い状況である。



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