女神様の告白を承諾したら異世界転移しました。

年中眠休

奴隷と言えば…あれしかないよね

目が覚めると、隣の小雪が寝ていた。

と言っても添い寝しただけだから疚しい気持ちなど…。

まあ、ある。小雪は恋人で大好きな人で逆にないと可笑しいと思う。小雪は俺を抱き枕として使っていて色々と当たっている。俺の顔は真っ赤になってるに違いない。

「仁さん…おはようございましゅ」
「オハヨウ、あれ、小雪さん何してるのかな?」

小雪は俺の胸板に顔を押し付ける。

「仁さんの匂いがしゅる」

完全に寝ぼけてる。俺が知ってる小雪は大胆じゃない

てか、何で添い寝してるんだ?


ーーーーーーーー
昨日の夜

「仁さん、いいですか?」
「zzz」
「先に起きれば気づかれませんよね?」

小雪は仁に抱きついて目をつぶった。

ーーーーーーーー

「仁さん…おはようございます」
「目が覚めたか?」

小雪は背を向けるだけでベッドから出ようとしない。

「はい、そ、の〜すみません。勝手に布団に潜り込んで…。」
「何で謝んだ?可愛い恋人が布団に入り込むのなんて嬉しいだろ」

後ろを向いていた小雪を抱きしめた。独り占めしたくなる可愛いさだな。マジで。

そんな朝の始まりだった。



ーーーーーーーー
朝食、パンと卵とサラダ。全部、小雪のお手製だ。小雪は家事が全般出来る。俺も何となく出来る。

「小雪、この世界には奴隷が居るのか?」
「はい、います。何でですか?」
「いや、俺がいつも隣に入れるとは限らないし。小雪にボディガードみたいなのを付けたいなと思って」

俺は小雪の使徒となって、小雪の居場所がなんとなく分かるようになった。

「私は仁さんがいれば十分です」

小雪は頬を膨らませる。

「もうひとつの理由としては、俺らはゴリ押しが出来てもそれ以外に対応出来ない」

俺と小雪はほかの人より数段強いかもしれない。

が、罠などのまわりくどいやり方をされると一瞬で崩れると思う。

「確かに仁さんの言う通りですが…その」
「?」
「奴隷は「女性にするつもりだ」
「ダメです」
「何で?男の方が小雪は気を使うだろ?」
「ダメです。仁さんがその魅力的な方に目移りしてしまうかもしれないじゃないですか」
「………。」
「痛い!!?じ、仁さん」

俺は小雪にデコピンした。
何この可愛いすぎる生物は。まぁ、俺も男だと小雪がそいつを好きなるのは嫌だとか思ってたけど、小雪の方がそれを心配してたんだな。本心は…。

「俺は小雪以外にこんな気持ちなる事はないよ。これに誓って」

俺は胸に手を当てながら言った。

「そうですよね…。では、準備が終わり次第行きましょう」
「ああ」

俺らはグロムから貰った金を持ち、屋敷を出た。

「小雪?白いローブは」

小雪は俺が小雪に似合っていたので衝動買いした着物だった。

「ありますよ。けど、この着物にも同じ魔法を付与してるので耐久性は変わりません。仁さんもこちらの方が好みだと思ったので」
「確かに似合ってて可愛いけど、他の奴には見せたくない」

それを聞いた小雪は真剣な表情でこちらを見つめてきた。

「私は仁さん以外見てません。私は仁さんのものです。仁さんは私のものです。なので他人の目など気にする必要はないです」
「そっか、可愛いよ。小雪」

真剣な表情から花が咲いたような笑顔になった。

「ありがとうございます。仁さん」

俺は自然と小雪の手を握っていた。

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街の中心から少し離れた場所にそれはあった。

「これが奴隷館か」
「はい」

見た目はかなりボロい木造の建物だ。
歩く度に床が軋む音がした。中に入ると、蛇のような顔をした男が現れた。

「いらっしゃいませ。今日はどのような奴隷をお求めで」
「斥候、敵への警戒などが出来る女」
「なるほど、わかりました。では、こちらにおかけ下さい」

男は俺らをソファに座らせ奥へと消えていった。

数分後

「お待たせ致しました。これから1人ずつ連れて参ります。少し話した後に買う判断をしてください」
「分かった」
「全部で3人です」
「ああ、小雪もいいか?」
「はい」

俺と小雪と奴隷達の面談が始まった。

1人目は冒険者の経験のある人だった以上。

2人目、いかにも悪巧みが得意そうな人だった以上。

3人目、

「お願いでした」

その子は耳が白く獣のものであり、尻尾があった。

「獣人ですか」
「はい。私は家族から連れさられたのでした」
「なるほど。人攫いにあって奴隷になったと」
「そうでした」

何故に語尾が全部、でした?

「何が出来るかを聞いていいか?」
「鼻と耳が聞くので広範囲の探知が出来るのでした」
「武器は使えるのか?」
「短剣が使えるのでした」

獣人の少女は淡々と心を持たない人形のようだった。

ほかの2人は借金で奴隷落ちになった。言うなれば自業自得だったので同情をする気はないが、この子はまだ俺より年下にも思えるほどか弱い。それが人攫いにあったので同情する余地はある。

まぁ、俺には関係ないけど

「小雪?」
「仁さんこの子じゃダメですか?」

小雪は完全に同情している。上目遣いにうるうるした目を向けてくる。

はぁ、俺は小雪にめっぽう弱い

「分かった、買おう」

斥候など関係なく同情で買うことになったのだった。




文量が多いけど、メインの文量よりほぼ2人のイチャつきでした(笑)

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