女神様の告白を承諾したら異世界転移しました。
依頼
「ガキ、入るよ」
俺らが案内されたのはギルドマスターの部屋だった。
「誰がガキじゃ。わしはもう100歳を超えとる」
「僕は1000を超えてるよ。それでもガキじゃないと?」
「エルフと人族じゃ、元々の寿命が違うじゃろうが!!」
「クハハ、やっぱガキは弄ってて楽しいよ。場所を借りさせてもらうよ」
グロムはソファに座る
ギルドマスターの部屋の作りは社長室と似ている気がする。まぁ、行ったことはないが。作業用の机と椅子が奥にあり、手前にはソファが並んでいる。
「座りなよ」
俺らはグロムと向かい合わせに座る。
「トゥルエノさん。ひとつ質問していいですか?」
「グロムでいいよ。何かな?」
「では、僭越ながらグロムさん。貴方はハイエルフでは無いのですか?その金色の髪が証拠です」
小雪はグロムに右手で差しながら言った
「へぇー、人族の中にも勉強熱心な子が居たんだね。ガキは全く気づいて居なかったけど」
「小雪、ハイエルフってなんだ?」
「エルフは世界樹の森に国を持ちます。エルフの国『クラシオン』は全ての呪い、病を治す霊薬を作れたりするそうです。ハイエルフはクラシオンの王族に当たります。一般的なエルフは金髪以外の髪色となります」
なるほど。
「要はどうでもいいことだな。ささっと話を聞かせてくれ。つまらなそうなら、帰るだけだ」
「「「……。」」」
沈黙が流れた。
「ぷっ…くっはははははは。確かに君には関係ない話だ。仁君が興味があるのは小雪ちゃんのことくらいだろ?」
「確かに、俺は小雪以外に関心はない」
好きだし、使徒で小雪が死んだら俺も死ぬし
「ふぇっ!!?な、な、にを言ってるんですか」
小雪は名前と似合わず、よく赤くなるな。
「ククッ、そうか。小雪ちゃんにも関わる話だから聞いてくれるか?」
「ああ。その『杯』について何だろ?」
「そうだよ。あれが何か分かるかい?」
グロムの切り替えは早いな。感心する。
「死体から何かを吸い取る物としか言えない」
グロムは驚いた表情をする
「君はそれが見えたのかい?」
「見えたというより感じただな」
「なるほど。仁君は特殊な体質なのかもしれないね。それは生命だ。詳しく言うと一番純度の高い魔力だ」
「純度?」
「そう。人間ってさ、死ぬ前に最後の力を振り絞って寝たきりの人が立ち上がったり、目が覚めたりするだろ?」
「ああ」
「つまりは動物というのは最後に底力を見せるんだよ。その時に純度の高い魔力を出す。『杯』はそれを奪い取るものだ」
小雪の顔を見ると青ざめていた。
「小雪?」
「大丈夫です」
小雪の声からは覇気を感じない。よく見ると膝の上にある手は小刻みに揺れていた。
俺は小雪の手を握りしめた。
「仁さん…。」
「今の俺じゃこれしか出来ない」
「ありがとうございます」
「かっこいいね。仁君」
「うるさい、純度の高い魔力を集めてどうなる」
「鬼神の復活。若しくはまつろわぬ神かな」
つまりは神の復活の為の生贄が動物の生命か
「で、俺らにどうしろと?」
「君の見たオーガの情報と『杯』の情報を集めてほしい」 
「報酬は」
「1000万エルだ。前金500万エル。悪くない話だろ?」
「ふむ、俺的にはどっちでもいいが。小雪、どうしたい?」
「受けたいです。」
小雪の目から恐怖と義務感が入り交じったなんとも言えない気持ちが俺に伝わってきた。
「分かった」
「ありがとう。仁君、小雪ちゃん。じゃあ、これ前金ね」
机に出されたのは麻袋に入った金だった。正直、ポンと出すグロムには驚きだが、小雪のことが気掛かりで仕方がない
「確かに受け取った。どうやって、伝えればいい?」
「ギルドに手紙を出せばいいよ。危険が伴う可能性は高いけど頼むよ」
「ああ。じゃあ帰るか」
俺らとグロムはギルドの前で別れた。小雪は何かを考えながら、沈黙のままだった。その帰り道、俺の手を離すことは無かった。触り心地が抜群で離したくなかったのは別の話だ。
「仁さん、話があります」
俺らが案内されたのはギルドマスターの部屋だった。
「誰がガキじゃ。わしはもう100歳を超えとる」
「僕は1000を超えてるよ。それでもガキじゃないと?」
「エルフと人族じゃ、元々の寿命が違うじゃろうが!!」
「クハハ、やっぱガキは弄ってて楽しいよ。場所を借りさせてもらうよ」
グロムはソファに座る
ギルドマスターの部屋の作りは社長室と似ている気がする。まぁ、行ったことはないが。作業用の机と椅子が奥にあり、手前にはソファが並んでいる。
「座りなよ」
俺らはグロムと向かい合わせに座る。
「トゥルエノさん。ひとつ質問していいですか?」
「グロムでいいよ。何かな?」
「では、僭越ながらグロムさん。貴方はハイエルフでは無いのですか?その金色の髪が証拠です」
小雪はグロムに右手で差しながら言った
「へぇー、人族の中にも勉強熱心な子が居たんだね。ガキは全く気づいて居なかったけど」
「小雪、ハイエルフってなんだ?」
「エルフは世界樹の森に国を持ちます。エルフの国『クラシオン』は全ての呪い、病を治す霊薬を作れたりするそうです。ハイエルフはクラシオンの王族に当たります。一般的なエルフは金髪以外の髪色となります」
なるほど。
「要はどうでもいいことだな。ささっと話を聞かせてくれ。つまらなそうなら、帰るだけだ」
「「「……。」」」
沈黙が流れた。
「ぷっ…くっはははははは。確かに君には関係ない話だ。仁君が興味があるのは小雪ちゃんのことくらいだろ?」
「確かに、俺は小雪以外に関心はない」
好きだし、使徒で小雪が死んだら俺も死ぬし
「ふぇっ!!?な、な、にを言ってるんですか」
小雪は名前と似合わず、よく赤くなるな。
「ククッ、そうか。小雪ちゃんにも関わる話だから聞いてくれるか?」
「ああ。その『杯』について何だろ?」
「そうだよ。あれが何か分かるかい?」
グロムの切り替えは早いな。感心する。
「死体から何かを吸い取る物としか言えない」
グロムは驚いた表情をする
「君はそれが見えたのかい?」
「見えたというより感じただな」
「なるほど。仁君は特殊な体質なのかもしれないね。それは生命だ。詳しく言うと一番純度の高い魔力だ」
「純度?」
「そう。人間ってさ、死ぬ前に最後の力を振り絞って寝たきりの人が立ち上がったり、目が覚めたりするだろ?」
「ああ」
「つまりは動物というのは最後に底力を見せるんだよ。その時に純度の高い魔力を出す。『杯』はそれを奪い取るものだ」
小雪の顔を見ると青ざめていた。
「小雪?」
「大丈夫です」
小雪の声からは覇気を感じない。よく見ると膝の上にある手は小刻みに揺れていた。
俺は小雪の手を握りしめた。
「仁さん…。」
「今の俺じゃこれしか出来ない」
「ありがとうございます」
「かっこいいね。仁君」
「うるさい、純度の高い魔力を集めてどうなる」
「鬼神の復活。若しくはまつろわぬ神かな」
つまりは神の復活の為の生贄が動物の生命か
「で、俺らにどうしろと?」
「君の見たオーガの情報と『杯』の情報を集めてほしい」 
「報酬は」
「1000万エルだ。前金500万エル。悪くない話だろ?」
「ふむ、俺的にはどっちでもいいが。小雪、どうしたい?」
「受けたいです。」
小雪の目から恐怖と義務感が入り交じったなんとも言えない気持ちが俺に伝わってきた。
「分かった」
「ありがとう。仁君、小雪ちゃん。じゃあ、これ前金ね」
机に出されたのは麻袋に入った金だった。正直、ポンと出すグロムには驚きだが、小雪のことが気掛かりで仕方がない
「確かに受け取った。どうやって、伝えればいい?」
「ギルドに手紙を出せばいいよ。危険が伴う可能性は高いけど頼むよ」
「ああ。じゃあ帰るか」
俺らとグロムはギルドの前で別れた。小雪は何かを考えながら、沈黙のままだった。その帰り道、俺の手を離すことは無かった。触り心地が抜群で離したくなかったのは別の話だ。
「仁さん、話があります」
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