最強剣士の息子は最強魔法師を目指す模様です

クラゲラボ

入学①

「ショーン…ショーーン、朝よー。起きなさーい。」

四月三日日曜日、今日も階段の下からお母さんに起こされた。最近は起こされることがよくある。僕は目を擦りながら、自室から出て一階の洗面台へと向かった。
うわぁっ、髪ボサボサだ。洗面台の鏡に写った自分をみて、寝ぼけながらそう思った。黒髪ストレートの僕の髪は、寝癖ですごいことになっていた。顔を洗い、うがいをし、寝癖を直す。朝一でこれをしないと気持ち悪い。
その後、キッチンへと向かった。

「おはよう」
「おはよう。ショーン急ぎなさい。もう7:30になるわよ!そろそろ、フランくんとアリアちゃんが来る頃だよ?」
「うん」

僕は返事も適当に、キッチンにある机の椅についた。そして、朝食を取り始めた。ハード系のパンとサラダ、それにスープと牛乳。僕は無心でがっついていた。

コンコン…コンコン

「はぁーい。」

玄関のドアノッカーが二回なった。洗い物をしていたお母さんは、手を止め玄関へと向かう。僕はというと朝食をそこそこに、階段を駆け上り自室へと向かう。

「あら、久しぶりね!二人ともおっきくなって。制服もよく似合ってるわね。お母さん嬉しっ。」
「ショーン君は居ますか?」
「そーだったわね!すぐに呼んでくるから。『ショーン急ぎなさーい。フラン君とアリアちゃんが来たわよー。』ごめんね。あの子ったら、まだ支度が済んでないのよ!ちょっと待っててね。」

玄関先で聞き慣れた二人の声がきこえた。フランとアリアだ。慌てながら自室へと入った僕は、ハンガーに掛けてあった制服に初めて袖を通す。二色の濃い青のチェック柄のズボンに、白シャツ、濃い青のネクタイと薄めの青のブレザー。ブレザーの胸には校章が刺繍され、二の腕辺りにブロンズ色のローマ数字の1が付いている。
『うわぁー、似合わねぇ…。着なれてないだけか?』着終わった僕は姿見で自分を見てそう思う。
『おっといけねぇ。下で二人を待たせてるんだった。』若干感傷に浸っていた僕は、我に帰る。そして、机の上に置いてあった学校指定の濃い青の鞄を持ち階段を駆け下りる。

「おそーい。二人を待たせたのだから、ちゃんと謝りなさいよ。」
「うん。じゃあ行ってきます。」

わざと二人に聞こえるように言うなや!という突っ込みをギリギリのところで飲み込んで、家を出た。

玄関を開けると、そこには見慣れた二人が待っていた。

「やぁ、ショーン!おはよう。」
「おはよう、ショーン。早起きしないとだめだぞ!」
「ごめーん!昨日も夜遅くまで特訓してたから、寝坊しちゃった。」
「もうっ!特訓はいいけど、今日から初等部の学生なんだから自分のことは自分でしないとだぞ!」

腰に手をあて、ほほを真ん丸と膨らませながらいきなりお説教してきた。

「わるい。明日からは気を付けるから、この通り!!」

僕は、頭を深々と下げて謝った。

「約束だからね!」
「うん」

初めに挨拶をしたのはフラン君ことフランチェスコ・トラジャ。僕と同い年の9歳。知り合いはみんな愛称でフラン君って呼んではいるが、列記とした王家の跡取り息子だ。
髪は茶髪のストレート、顔立ちは整っていてやせ形、身長はこの歳の平均身長よりも10㎝は高い。
因みに僕は、大体平均身長で135㎝位だ。まぁ今度身体測定も有るだろうから、その時はっきりするか。
次にいきなりお説教をかましてきた金髪美少女がアリアちゃんことアリア・トリエラ。
アリアのお母さんはヘンリー国王の妹で、これまた王家の血筋を引いている。
なぜ、庶民の僕が王家の子供と友達かというと、お母さんが王宮魔術研究室で働いているからだ。この国では、親が共働きの家庭は、父方か母方のどちらかの仕事場に子供を連れていってもいいというシステムがある。それで、お父さんの男だけのむさ苦しい仕事場に連れていくのをお母さんが嫌がって、王宮にほぼ毎日行っていた訳だ。
そんなこんなで、僕は二人と王宮で知り合い、友達となった。まぁ友達になるまでの過程はいつかまた追々と。

「それじゃぁ、行こうかっ。入学式の日から遅刻というのもあれだしね。」
「しゅっぱーつ!!」
「行こう。」

フランの一言に元気よく答えるアリアだか、一方の僕は寝起きでまだそんな元気が出ていない。とわ言いつつも返事をし、僕達一行は国営のトラジャ学園第一学校へと向かった。

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