村人が世界最強だと嫌われるらしい
希望 3
王宮の前に辿り着いた烈毅達は、足早に門のそばへと近づいて行く。そもそも、なぜ王宮を目指したのかと言うと、リバースワールドは普通の世界よりもかなり広い。それ故、闇雲に動き回っても意味が無い。その為、キュウ達にエルフのいる場所や道のりを聞こうと思い立ち、ここまで来たのだ。
門へ近づいて行くと、二人の武装した兵士が立っていた。その二人は、こちらを見るなり、とても明るい顔をし、中へと案内してくれた。
「おぉ! お久しぶりでございます! ささ、きっとキュウ様達も喜ばれると思います!」
「ありがとう」
中へ入ると、兵士がキュウ様を呼びに行きますと言い、「キュウ様! キュウ様〜!」と走って行った。
その様子を見ていたナーシェは、「明るい国ね。こりゃ好きにもなるわよ」と呟く。そのつぶやきに、レーナ、ルノも頷きながら賛同する。
それから三分後、何やら騒がしい音が奥の方から聞こえてきて、何だなんだと身構えていると、階段の上から一人の『女性』が降りてくる。
「久しぶりじゃな烈毅殿! ミーシュ殿!」
「えーっと……誰?」
「童女を忘れたのか!? 一緒に旅をしたと言うのに!?」
「「えっ!?」」
「ま、まさかだけど……お前、キュウか!?」
「そうじゃ! やっと気づいてくれたのか!」
「う、嘘……私よりおっぱいがでかい……」
現れたのは、以前の小学生のような見た目のキュウでは無く、凛々しく、可愛く、美しく、出るとこが出た完璧な大人な女性へと変貌を遂げていたのだ。声も大人びており、金色のロングヘアーは、とても滑らかで美しい。
「烈毅、その人は?」
「こいつはキュウって言って、次期王女だよ。大人っぽいけど、中身は子供だから安心しな」
「誰が子供じゃ! 童女ももう立派な大人じゃぞ!?」
「何を言うてるのキュウ。あんたはまだ子供やろぉ?」
「何を言う母上!」
「烈毅はん、久しゅうなぁ。……ん?」
「お久しぶりです、ネキツさん。シェルドは元気ですか?」
「元気すぎて鬱陶しいくらいよぉ。それより烈毅はん、自分今半分理性ないやろ?」
その言葉を聞いた烈毅は、眉を顰める。後ろにいたナーシェ達も、なぜ分かったのか分からず、ネキツをじーっと見つめる。
「そう見つめられると嬉しぃなぁ」
「ネキツさん、なぜ分かるんです? 俺の理性が半分無いって?」
「簡単や。ウチのユニークスキル"神眼"。何でもお見通しってわけや」
「何でも、か……まさかとは思うけど?」
「ああ。見えてる。ただ、中身まではよぉわからん。だから、安心しぃ」
「ふぅ。それなら良かった」
「なんの事、烈毅?」
「いや、ちょっと見られたく無いものがあってさ……ほら、ね?」
「ああ、その事ね」
ナーシェはそう言い口を噤んだ。烈毅にとってそれはありがたい事であり、そしてネキツさんにも感謝をしている。
そうこうしていると、奥の方からさらにもう一人、見覚えのある顔が現れる。そして、彼は烈毅を見るなり、「おぉ! 久しぶりだな烈毅!」と声をかけ、猛スピードで烈毅の顔面に殴り掛かる。
烈毅は、その攻撃を笑顔で片手で止め、「久しぶり、シェルド」と言い軽く握手をした。
「な、何で殴りかかったの……?」
「ん? ああ、まあ最初の出会いもこんな感じだったからかな?」
「そうそう。烈毅と俺とはこういう挨拶でいいんだよ!」
「何それ……」
状況を理解できないナーシェは、頭を抱え込んでしゃがみ出した。それを見ていたルノが、「ま、まぁ分からなくもないよ」とフォローを入れている。
『烈毅、そろそろ本題に入るべきじゃないのか?』
「私もそう思う。烈毅、早急に話を進めるべきだ」
「ああ、そうだったな」
後ろでタイミングを伺っていたファイアとクルルはそういい、話を次に進めるよう促した。烈毅にとっても、それがいい事だと思っての発言だ。
「シェルド、少し頼みがあってここに来たんだけど、聞いてくれるか?」
「もちろんだ! 立ち話もなんだから、食事をしながらでどうだ?」
「そうだな、それでいいよ」
「童女は烈毅殿の隣で食べるのじゃ!」
「何言うてはるん、キュウ。隣はウチや?」
「え、俺の隣で食べないのネキツ……」
「あんたは食べ方が汚いから嫌やぁ。一人で食べて」
「泣きそう、俺」
「シェルド……お前も壮絶な人生を送っているんだな。可哀想に」
「烈毅、お前は隣で一緒に食べてくれるよな?」
シェルドは、烈毅の両肩に手を置き、半泣きの目で烈毅を見つめる。そんなシェルドを見て、可哀想になった烈毅は、シェルドに笑顔を向けると、シェルドの表情はパァーっと明るくなる。
「烈毅……!」
「俺はネキツさんとキュウに挟まれながら最高の食事にしようと思うよ」
「えぇぇぇぇぇえぇ!」
シェルドは、その場で大声で叫びながら泣き崩れる。流石にやりすぎたと思った烈毅は、「冗談だよ。二個どなりで座ってやるから」とさらに追い打ちをかけ、シェルドの心はバキバキに割れる。
それを見ていた一同は、声を揃えてこう言った。
「「「あーあ、泣かせちゃった」」」
門へ近づいて行くと、二人の武装した兵士が立っていた。その二人は、こちらを見るなり、とても明るい顔をし、中へと案内してくれた。
「おぉ! お久しぶりでございます! ささ、きっとキュウ様達も喜ばれると思います!」
「ありがとう」
中へ入ると、兵士がキュウ様を呼びに行きますと言い、「キュウ様! キュウ様〜!」と走って行った。
その様子を見ていたナーシェは、「明るい国ね。こりゃ好きにもなるわよ」と呟く。そのつぶやきに、レーナ、ルノも頷きながら賛同する。
それから三分後、何やら騒がしい音が奥の方から聞こえてきて、何だなんだと身構えていると、階段の上から一人の『女性』が降りてくる。
「久しぶりじゃな烈毅殿! ミーシュ殿!」
「えーっと……誰?」
「童女を忘れたのか!? 一緒に旅をしたと言うのに!?」
「「えっ!?」」
「ま、まさかだけど……お前、キュウか!?」
「そうじゃ! やっと気づいてくれたのか!」
「う、嘘……私よりおっぱいがでかい……」
現れたのは、以前の小学生のような見た目のキュウでは無く、凛々しく、可愛く、美しく、出るとこが出た完璧な大人な女性へと変貌を遂げていたのだ。声も大人びており、金色のロングヘアーは、とても滑らかで美しい。
「烈毅、その人は?」
「こいつはキュウって言って、次期王女だよ。大人っぽいけど、中身は子供だから安心しな」
「誰が子供じゃ! 童女ももう立派な大人じゃぞ!?」
「何を言うてるのキュウ。あんたはまだ子供やろぉ?」
「何を言う母上!」
「烈毅はん、久しゅうなぁ。……ん?」
「お久しぶりです、ネキツさん。シェルドは元気ですか?」
「元気すぎて鬱陶しいくらいよぉ。それより烈毅はん、自分今半分理性ないやろ?」
その言葉を聞いた烈毅は、眉を顰める。後ろにいたナーシェ達も、なぜ分かったのか分からず、ネキツをじーっと見つめる。
「そう見つめられると嬉しぃなぁ」
「ネキツさん、なぜ分かるんです? 俺の理性が半分無いって?」
「簡単や。ウチのユニークスキル"神眼"。何でもお見通しってわけや」
「何でも、か……まさかとは思うけど?」
「ああ。見えてる。ただ、中身まではよぉわからん。だから、安心しぃ」
「ふぅ。それなら良かった」
「なんの事、烈毅?」
「いや、ちょっと見られたく無いものがあってさ……ほら、ね?」
「ああ、その事ね」
ナーシェはそう言い口を噤んだ。烈毅にとってそれはありがたい事であり、そしてネキツさんにも感謝をしている。
そうこうしていると、奥の方からさらにもう一人、見覚えのある顔が現れる。そして、彼は烈毅を見るなり、「おぉ! 久しぶりだな烈毅!」と声をかけ、猛スピードで烈毅の顔面に殴り掛かる。
烈毅は、その攻撃を笑顔で片手で止め、「久しぶり、シェルド」と言い軽く握手をした。
「な、何で殴りかかったの……?」
「ん? ああ、まあ最初の出会いもこんな感じだったからかな?」
「そうそう。烈毅と俺とはこういう挨拶でいいんだよ!」
「何それ……」
状況を理解できないナーシェは、頭を抱え込んでしゃがみ出した。それを見ていたルノが、「ま、まぁ分からなくもないよ」とフォローを入れている。
『烈毅、そろそろ本題に入るべきじゃないのか?』
「私もそう思う。烈毅、早急に話を進めるべきだ」
「ああ、そうだったな」
後ろでタイミングを伺っていたファイアとクルルはそういい、話を次に進めるよう促した。烈毅にとっても、それがいい事だと思っての発言だ。
「シェルド、少し頼みがあってここに来たんだけど、聞いてくれるか?」
「もちろんだ! 立ち話もなんだから、食事をしながらでどうだ?」
「そうだな、それでいいよ」
「童女は烈毅殿の隣で食べるのじゃ!」
「何言うてはるん、キュウ。隣はウチや?」
「え、俺の隣で食べないのネキツ……」
「あんたは食べ方が汚いから嫌やぁ。一人で食べて」
「泣きそう、俺」
「シェルド……お前も壮絶な人生を送っているんだな。可哀想に」
「烈毅、お前は隣で一緒に食べてくれるよな?」
シェルドは、烈毅の両肩に手を置き、半泣きの目で烈毅を見つめる。そんなシェルドを見て、可哀想になった烈毅は、シェルドに笑顔を向けると、シェルドの表情はパァーっと明るくなる。
「烈毅……!」
「俺はネキツさんとキュウに挟まれながら最高の食事にしようと思うよ」
「えぇぇぇぇぇえぇ!」
シェルドは、その場で大声で叫びながら泣き崩れる。流石にやりすぎたと思った烈毅は、「冗談だよ。二個どなりで座ってやるから」とさらに追い打ちをかけ、シェルドの心はバキバキに割れる。
それを見ていた一同は、声を揃えてこう言った。
「「「あーあ、泣かせちゃった」」」
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