村人が世界最強だと嫌われるらしい
抜けられずの島 1
烈毅の無理難題な意見によって一行は、神に会うべく手段を見つけるために、その次の日の早朝にファイアの背中に乗り、メルクリア国を去ったのだった。
この異世界が、元いた地球と同じ作りなら、必ず同じ位置に孤島がある。烈毅はそこを目指すべく、今は空の空中散歩を楽しんでいた。相変わらずナーシェは、ゲロを空中に吐き出しながら気絶している。
『それで烈毅、本当にこのルートでいいのか? 我はメルクリアから出た事がないからわからんぞ?』
「ああ、大丈夫だ! 多分この先に孤島が……って話してたら、見えてきたぞ!」
そこには、人が住んでいなさそうな小さな孤島があり、四方は全て海に囲まれ、陸の面積は大勢が住むには狭く、少人数が住むにはかなり丁度いいサイズだ。場所で言うなら、小笠原諸島辺りだ。
『あそこなら、周りの奴らは攻めては来ないだろう』
「ああ! それが狙いだよ。それに、考える時間が今は欲しい。あそこなら先住民もいないだろ」
『だな。なら、到着したら、我は食糧確保でもして来るとする』
「おう、ありがとな!」
それから孤島に到着する。
その島は、名も無き孤島で、実際何があってどんな生物がいるのかは、誰もわからない。それだからここを選んだ。そんな所に、好き好んで住むやつなんていないだろうし、いたとしても、情報網が無いため、烈毅のことを知ってる者もいないだろうという判断だ。
到着するやいなや、ミーシュが「海だ……こんなに綺麗な海は初めてだ!」と大はしゃぎし、ルノ、レーナも同じように飛び跳ねている。ナーシェは、相変わらずゲロを砂浜の上に撒き散らしている。
烈毅も、海を一望する。透明度が物凄く高く、下手すれば海底まで見えるのではないかと思ってしまうレベルの綺麗さだ。無数の魚が泳いでおり、波は静かな音を立てている。
そうして見渡していると、何か海の底で光るものを見つける。キラキラと光るそれは、何故か吸い込まれそうな程に美しく、勝手に足が動き出してしまいそうだった。
「あれ、綺麗だなぁ……だけど、海で戦闘になったらめんどいしな……」
陸だけでなく、勿論海にもモンスターは存在する。むしろ、自由に動けない分、海の中のモンスターの方が厄介なのだ。
「ま、どれくらい深い場所にあるかもわからないし、あれは無視しよう」
そう言い、烈毅は皆を呼び集め、ナーシェを担ぎ、ジャングルへ入る事にした。
ここの陸は八割はジャングル。二割は砂浜といった感じで、上からでは何があるのかは確認出来なかった。そのため、ジャングルへ明るいうちに潜入するのだ。
草を掻き分けながら進み、バラバラにならないよう手を繋ぎながら歩く。その際、烈毅の手を誰が握るかを三人で壮絶な争いを始めたが、それはジャンケンで決めさせ、結局勝ったのはルノだった。レーナとミーシュは、舌打ちをして、仕方なく後ろへ続く感じで列になった。
小鳥の囀りが聞こえなければ、虫の鳴き声も聞こえない。静かすぎて逆に恐ろしく思えるが、襲ってくる者がいないと考えれば、少し気が落ち着いた。
それから、一時間ほどずっと直進しながら進んでいると、波の音が微かに聞こえて来る。
「あ、もう海か……」
そして砂浜に抜ける。だが、ここで異変に気づく。その砂浜を見ると、幾つもの足跡がある。誰かがいたのかと警戒したが、歩いている中で気配は無かった。それに気づいたルノ達も、「足跡……?」とひっそりと呟く。
「もしかしたら……」
烈毅は、再び来た方向のジャングルに入っていき、また一時間ほどひたすら直進する。そして出た場所は――
「同じ……場所」
もしかしたら、直進したのが悪いのかもしれないと思った烈毅は、次はルノ達をここで待っていてもらい、一人で行くことにした。
そして再びジャングルに入る。次は、木に矢印を彫って、どの順番に来たかを分かるようにする事にした。右、左……と、後には戻らないように気をつけながら進んで行く。すると、再び波の音が聞こえて来る。それと同時に聞こえてきた音に、烈毅は絶句する。
ルノ達の話し声だ。烈毅は後ろを振り向くと、木に矢印が彫られていた。さらに驚くべき事は続く。
その彫った矢印が、みるみるうちに、消えていくというよりは、治っていくと表現したほうが正しいだろうか。
烈毅は、来ては行けないところに来てしまったと、瞬時に察知した。
烈毅は、脱力しきったまま歩き、ルノ達の元へ向かう。そして、烈毅に気づいた三人は、烈毅の青ざめた表情を見て、その状況を察する。
「お前ら、すまん……ここは、来てはいけなかったのかもしれない」
「どうして?」
「多分、この反対の砂浜には絶対に辿り着けない」
「大丈夫よ、砂浜を歩いていけば!」
そしてそれを行動に移す。だがそこでも、同じ現象が怒る。
砂浜を歩いていったレーナとミーシュの姿が見えなくなったと思ったら、すぐ後ろから「嘘!?」という驚きの声が聞こえる。
「もしかしたら、この地に足を踏み入れた事が間違えだったのかもしれない」
「まって、じゃあ戻れないの?」
「わからない。ファイアが戻って来ない限りは無理だ」
「そんな……」
この異世界が、元いた地球と同じ作りなら、必ず同じ位置に孤島がある。烈毅はそこを目指すべく、今は空の空中散歩を楽しんでいた。相変わらずナーシェは、ゲロを空中に吐き出しながら気絶している。
『それで烈毅、本当にこのルートでいいのか? 我はメルクリアから出た事がないからわからんぞ?』
「ああ、大丈夫だ! 多分この先に孤島が……って話してたら、見えてきたぞ!」
そこには、人が住んでいなさそうな小さな孤島があり、四方は全て海に囲まれ、陸の面積は大勢が住むには狭く、少人数が住むにはかなり丁度いいサイズだ。場所で言うなら、小笠原諸島辺りだ。
『あそこなら、周りの奴らは攻めては来ないだろう』
「ああ! それが狙いだよ。それに、考える時間が今は欲しい。あそこなら先住民もいないだろ」
『だな。なら、到着したら、我は食糧確保でもして来るとする』
「おう、ありがとな!」
それから孤島に到着する。
その島は、名も無き孤島で、実際何があってどんな生物がいるのかは、誰もわからない。それだからここを選んだ。そんな所に、好き好んで住むやつなんていないだろうし、いたとしても、情報網が無いため、烈毅のことを知ってる者もいないだろうという判断だ。
到着するやいなや、ミーシュが「海だ……こんなに綺麗な海は初めてだ!」と大はしゃぎし、ルノ、レーナも同じように飛び跳ねている。ナーシェは、相変わらずゲロを砂浜の上に撒き散らしている。
烈毅も、海を一望する。透明度が物凄く高く、下手すれば海底まで見えるのではないかと思ってしまうレベルの綺麗さだ。無数の魚が泳いでおり、波は静かな音を立てている。
そうして見渡していると、何か海の底で光るものを見つける。キラキラと光るそれは、何故か吸い込まれそうな程に美しく、勝手に足が動き出してしまいそうだった。
「あれ、綺麗だなぁ……だけど、海で戦闘になったらめんどいしな……」
陸だけでなく、勿論海にもモンスターは存在する。むしろ、自由に動けない分、海の中のモンスターの方が厄介なのだ。
「ま、どれくらい深い場所にあるかもわからないし、あれは無視しよう」
そう言い、烈毅は皆を呼び集め、ナーシェを担ぎ、ジャングルへ入る事にした。
ここの陸は八割はジャングル。二割は砂浜といった感じで、上からでは何があるのかは確認出来なかった。そのため、ジャングルへ明るいうちに潜入するのだ。
草を掻き分けながら進み、バラバラにならないよう手を繋ぎながら歩く。その際、烈毅の手を誰が握るかを三人で壮絶な争いを始めたが、それはジャンケンで決めさせ、結局勝ったのはルノだった。レーナとミーシュは、舌打ちをして、仕方なく後ろへ続く感じで列になった。
小鳥の囀りが聞こえなければ、虫の鳴き声も聞こえない。静かすぎて逆に恐ろしく思えるが、襲ってくる者がいないと考えれば、少し気が落ち着いた。
それから、一時間ほどずっと直進しながら進んでいると、波の音が微かに聞こえて来る。
「あ、もう海か……」
そして砂浜に抜ける。だが、ここで異変に気づく。その砂浜を見ると、幾つもの足跡がある。誰かがいたのかと警戒したが、歩いている中で気配は無かった。それに気づいたルノ達も、「足跡……?」とひっそりと呟く。
「もしかしたら……」
烈毅は、再び来た方向のジャングルに入っていき、また一時間ほどひたすら直進する。そして出た場所は――
「同じ……場所」
もしかしたら、直進したのが悪いのかもしれないと思った烈毅は、次はルノ達をここで待っていてもらい、一人で行くことにした。
そして再びジャングルに入る。次は、木に矢印を彫って、どの順番に来たかを分かるようにする事にした。右、左……と、後には戻らないように気をつけながら進んで行く。すると、再び波の音が聞こえて来る。それと同時に聞こえてきた音に、烈毅は絶句する。
ルノ達の話し声だ。烈毅は後ろを振り向くと、木に矢印が彫られていた。さらに驚くべき事は続く。
その彫った矢印が、みるみるうちに、消えていくというよりは、治っていくと表現したほうが正しいだろうか。
烈毅は、来ては行けないところに来てしまったと、瞬時に察知した。
烈毅は、脱力しきったまま歩き、ルノ達の元へ向かう。そして、烈毅に気づいた三人は、烈毅の青ざめた表情を見て、その状況を察する。
「お前ら、すまん……ここは、来てはいけなかったのかもしれない」
「どうして?」
「多分、この反対の砂浜には絶対に辿り着けない」
「大丈夫よ、砂浜を歩いていけば!」
そしてそれを行動に移す。だがそこでも、同じ現象が怒る。
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