村人が世界最強だと嫌われるらしい
旧友に会いに行こうと思います 1
「それなんだが……」
烈毅は、少し言うことを躊躇う。
「どうしたの?」
「いや……その……」
うーんうーんとひたすらうねる。こんな光景は珍しく、ルノでさえ見たことはない。
「こんな烈毅初めて見た」
「ルノも初めてなのね……これはそうとう嫌なことに違いない」
「嫌ってことはないんだがなぁ……そいつとはちょっと取っ付きにくい奴でなぁ……」
「なんだ、烈毅も苦手な相手はいるのか?」
「いや、俺はもう慣れたんだがお前らがなぁ……」
「なんだ、もうイライラするから早く言え!」
「わかったよ……」
一度咳払いをして、深呼吸をする。
「勇者に会いに行こうと思います」
「…………」
「ほらやっぱりこうなる」
「ちょっと待ってくれ。勇者に会う? お前状況が分かってるのか?」
「分かってるよ。だからフードで身を隠しながら……」
「アホか!」
「違う、話を聞け」
「何も違わん! この状況で町に行くのは死にに行くのと同じだ!」
「だから、勇者は勇者でも、それは俺の旧友何だって」
「ほえ?」
思わず、怒っていたレーナから気の抜けた声が漏れる。
「そいつはナーシェって言って言うんだけどさ……」
「へぇ〜、ナーシェって言うんだ…………え? ナーシェ? ナーシェって、あのナーシェ=クレンズウェル!?」
「やっぱ知ってるか……」
「あ、当たり前だ! この世界で知らぬ者はいないんだぞ!?」
「まぁ会ったのは最近なんだけどさ……」
「それ、私聞いてないわ?」
レーナとミーシュは驚いて腰を抜かし、ルノはなぜだかかなり怒っている。
『烈毅……お前はつくづくアホな奴だな……』
「う、うるさい!」
それから一旦落ち着き、話を纏める。
「まぁ話せば長いんだが短くまとめると、困ってるところを助けた訳だ。それから仲良くなったわけ」
「それは何時なの? なんで私に隠してたの?」
「いやだってなぁ……黙ってて欲しいって言われたからさ……」
「それで、ナーシェさんは今何処にいるか分かるの?」
「それは何とかしてみせるよ」
「何とかって……」
「まぁとりあえず、お前らは今日も特訓を続けなさい。もう少しいる予定だったけど、もう場所もバレたから移動しないとファイアにも迷惑だし」
『別に我は構わんが……』
「いやいや、ここに攻められたらお前のお気に入りの巣が潰れるかもだからな」
『それは困る』
「なら、今日を最後にするか。ファイア、レーナには一度本気で戦ってやってくれ」
『死ぬぞ?』
「殺さない程度に。それと、ルノにも少し厳しめに頼む」
『お前が言うのなら仕方ない。なら二人とも、外へ行くぞ』
そう言って三人は外へ出て、今日の特訓を始める。ミーシュは、特にする事もないらしく、俺に付きそう事になった。
「ミーシュ、今から少し静かにしていてもらえるか?」
「ん? 別に構わないけれど……」
「頼む」
そして烈毅は壁に寄りかかって座り込み、目を閉じてユニークスキルを発動する。
スキル名は念話。どんな場所にいても、好きな時に会話が出来る便利能力だ。さらに、声に出す必要も無いので、周りに聞かれる問題もない。
念話を発動させて三秒後、すぐに声が聞こえてく。
「あっ、この感じは烈毅!?」
「あ、ナーシェ? 俺だけど分かる?」
「き、貴様今どこで何をしてる!?」
「すまん。今ちょっと世界から逃げててなぁ……」
「それは知っている! どこにいるかと聞いているんだ!」
「ちょっと赤龍の巣穴に……」
「なにィィィィィィィッ!? 大丈夫なのか!?」
「ああ、大丈夫。ファイアとは友達だし」
「そ、そうなのか……それで、私に話しかけて来たということは、何かあったのか?」
「まぁ大したことは無いんだけど……」
「何だ言ってみろ」
「俺と一緒に旅に出ないかい?」
「行くっ!」
「即答!? 別に無理しなくてもいいぞ……?」
「いや、だって……貴様のためなら……どこへでも……」
「何もぞもぞしてんだ? この念話はっきり伝えないと聞こえないんだよ? もっかい言って?」
「な、何でもないわ!」
「うるさ! ……じゃ、じゃあとりあえず今から行くけど、お前今どこにいるの?」
「赤龍の巣穴に向かってる途中」
「まさか、軍率いてないよね?」
「……率いちゃってる」
「じゃあお前やっぱ連れてかない」
烈毅は、少し言うことを躊躇う。
「どうしたの?」
「いや……その……」
うーんうーんとひたすらうねる。こんな光景は珍しく、ルノでさえ見たことはない。
「こんな烈毅初めて見た」
「ルノも初めてなのね……これはそうとう嫌なことに違いない」
「嫌ってことはないんだがなぁ……そいつとはちょっと取っ付きにくい奴でなぁ……」
「なんだ、烈毅も苦手な相手はいるのか?」
「いや、俺はもう慣れたんだがお前らがなぁ……」
「なんだ、もうイライラするから早く言え!」
「わかったよ……」
一度咳払いをして、深呼吸をする。
「勇者に会いに行こうと思います」
「…………」
「ほらやっぱりこうなる」
「ちょっと待ってくれ。勇者に会う? お前状況が分かってるのか?」
「分かってるよ。だからフードで身を隠しながら……」
「アホか!」
「違う、話を聞け」
「何も違わん! この状況で町に行くのは死にに行くのと同じだ!」
「だから、勇者は勇者でも、それは俺の旧友何だって」
「ほえ?」
思わず、怒っていたレーナから気の抜けた声が漏れる。
「そいつはナーシェって言って言うんだけどさ……」
「へぇ〜、ナーシェって言うんだ…………え? ナーシェ? ナーシェって、あのナーシェ=クレンズウェル!?」
「やっぱ知ってるか……」
「あ、当たり前だ! この世界で知らぬ者はいないんだぞ!?」
「まぁ会ったのは最近なんだけどさ……」
「それ、私聞いてないわ?」
レーナとミーシュは驚いて腰を抜かし、ルノはなぜだかかなり怒っている。
『烈毅……お前はつくづくアホな奴だな……』
「う、うるさい!」
それから一旦落ち着き、話を纏める。
「まぁ話せば長いんだが短くまとめると、困ってるところを助けた訳だ。それから仲良くなったわけ」
「それは何時なの? なんで私に隠してたの?」
「いやだってなぁ……黙ってて欲しいって言われたからさ……」
「それで、ナーシェさんは今何処にいるか分かるの?」
「それは何とかしてみせるよ」
「何とかって……」
「まぁとりあえず、お前らは今日も特訓を続けなさい。もう少しいる予定だったけど、もう場所もバレたから移動しないとファイアにも迷惑だし」
『別に我は構わんが……』
「いやいや、ここに攻められたらお前のお気に入りの巣が潰れるかもだからな」
『それは困る』
「なら、今日を最後にするか。ファイア、レーナには一度本気で戦ってやってくれ」
『死ぬぞ?』
「殺さない程度に。それと、ルノにも少し厳しめに頼む」
『お前が言うのなら仕方ない。なら二人とも、外へ行くぞ』
そう言って三人は外へ出て、今日の特訓を始める。ミーシュは、特にする事もないらしく、俺に付きそう事になった。
「ミーシュ、今から少し静かにしていてもらえるか?」
「ん? 別に構わないけれど……」
「頼む」
そして烈毅は壁に寄りかかって座り込み、目を閉じてユニークスキルを発動する。
スキル名は念話。どんな場所にいても、好きな時に会話が出来る便利能力だ。さらに、声に出す必要も無いので、周りに聞かれる問題もない。
念話を発動させて三秒後、すぐに声が聞こえてく。
「あっ、この感じは烈毅!?」
「あ、ナーシェ? 俺だけど分かる?」
「き、貴様今どこで何をしてる!?」
「すまん。今ちょっと世界から逃げててなぁ……」
「それは知っている! どこにいるかと聞いているんだ!」
「ちょっと赤龍の巣穴に……」
「なにィィィィィィィッ!? 大丈夫なのか!?」
「ああ、大丈夫。ファイアとは友達だし」
「そ、そうなのか……それで、私に話しかけて来たということは、何かあったのか?」
「まぁ大したことは無いんだけど……」
「何だ言ってみろ」
「俺と一緒に旅に出ないかい?」
「行くっ!」
「即答!? 別に無理しなくてもいいぞ……?」
「いや、だって……貴様のためなら……どこへでも……」
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