村人が世界最強だと嫌われるらしい
とりあえず特訓だ! 1
「おいおい、なんで俺が村人って広まってるわけ?」
行く先々で村人だの何だのと影で言われ、正直気が滅入りそうだ。
「あんときからレーナは外に出てねぇし……」
そんな事を気にしてもいられまいと、帰りながら掲示板を見て行こうと立ち寄る。
「ほうほう。A級のモンスターか……げっ、こっちはS級!? どうやってそんなのに出くわして帰ってこれたわけ? これは……俺の顔? この顔の人物、村人であり、この世界最強の力の持ち主…………」
汗が溢れ出す。目を擦ってもう一度、じっくり見てみる。
「なにかの間違えだろ。ここまで隠してこれたし、何より誰にも喋ってなんか……」
再度読み直すが、やはり見間違いなんかでは無かった。烈毅は猛烈に焦る。
すると、後から三人パーティーの冒険者が来て、掲示板を見始める。
烈毅はバレないようこっそり顔を隠しながら帰ろうとすると、一人の男冒険者がこう呟く。
「はー? 村人が最強? 誰だよこんなガセ流してる脳内お花畑クソ野郎は」
「いやいや、それ本当らしいぞ?」
「何だよそれ。その村人が何したってんだよ?」
「いやなんでも、先日感じ取った殺気あるだろ? どうやら、それはその村人がやったらしいぞ? それで、一瞬にしてモンスターを気絶させたとか」
「ありえねぇって! もしそんな奴いたら、俺がこの自慢の剣で確かめてやるっての!」
烈毅は足が止まり、少しその場で考え込む。
もし、この事を流せるものがいたとしたら、デルノゼかルノかレーナ。だが、ルノとレーナは絶対にない。残るとすればデルノゼだが、あいつは飛んでいったきり見てはいない。
そうこう考えていると、後から女性が訪ねてくる。
「ねぇ、貴方、さっきちらっと顔が見えたけどあの掲示板の人じゃないかしら?」
見られてた!? なかなか鋭い目をしてるねぇ。それにこの声の感じ、可愛いと見た!
「い、いや違……う……」
まぁ、その、なんだ。俺の口からは何も言えない顔だった。ビックリしすぎて開いた口が塞がらなかった。
「いやでも、そっくりだし……」
「世界にソックリさんは幾つも存在するそうだぞ?」
「そうかしら……」
そう話し合っていると、話し声が聞こえたのか、さっき剣でどうのと言っていた男冒険者が、近寄ってくる。
「なになに? お前があの掲示板のやつか? なら、俺と手合わせしてみよーぜ?」
何こいつ。こいつ絶対ダンジョンで先突っ走って死にそうになってワンワン泣くタイプのやつだ。
「いや、俺に戦う強さなんてないし……」
そうあたふたとしていると、その男冒険者は剣を抜き、烈毅に向かって剣を振り下ろす。
馬鹿だろ!
烈毅は咄嗟にその斬撃を避け、一歩後ろに下がる。その時、顔を隠していた買い物袋を下げてしまったため、顔を見られてしまう。
「ああ! てめぇやっぱりあの掲示板のやつじゃねーか!」
「チッ……めんどくせぇ!」
烈毅は買い物袋をギュッと握りしめ、全速力で家に戻る。それに追いついてこれない三人組は、飽きられまいとずっと烈毅を探し回る。
家の扉を勢いよく開け、レーナとルノを担ぎ、その場から立ち去る。
状況が読めないレーナは、烈毅に問う。
「お、おい! どうしたんだ急に!?」
「俺が村人だってバレた! ここにはもう居られねぇ!」
「なんでだ!?」
「お前が俺を嫌ったように、強い村人なんて皆嫌うんだ。だからもう、ここには住めねぇ!」
ルノは相変わらず寝続け、レーナはその言葉にぐうの音も出ない。
すぐ様町を抜け出し、どこか遠くの森へと逃げ込んだ。
その後、烈毅の噂は波紋を広げ、各町へと知られていく。
これには世界中の人が驚き、誰もが烈毅の事を恐れた。なぜなら、村人はこの世界では最弱であり、戦う能力なんて皆無だ。いくら村人が束になろうと、冒険者には絶対に勝てない存在だからだ。
だがそれが今日この日覆ったのだ。皆はそれを信じたくはなかった。だから、皆は烈毅を嫌悪する。
森へ逃げた烈毅は、だいぶ深くまで来たところで止まり、二人を降ろす。
「おい烈毅、なぜ私まで連れてきたのだ?」
「…………お前にはもう一つ話そうと思うことがある」
「なんだ?」
「お前の師匠の事だが、あいつに剣を教えたのは俺だ。まぁ俺は武器モテないから、素手で戦いながら教えたけど」
「なっ……! 師匠をアイツ呼ばわり!? と言うか、師匠を教えたのが烈毅!?」
それが理解出来なかったのか、目を回しながらその場で気絶してしまった。
行く先々で村人だの何だのと影で言われ、正直気が滅入りそうだ。
「あんときからレーナは外に出てねぇし……」
そんな事を気にしてもいられまいと、帰りながら掲示板を見て行こうと立ち寄る。
「ほうほう。A級のモンスターか……げっ、こっちはS級!? どうやってそんなのに出くわして帰ってこれたわけ? これは……俺の顔? この顔の人物、村人であり、この世界最強の力の持ち主…………」
汗が溢れ出す。目を擦ってもう一度、じっくり見てみる。
「なにかの間違えだろ。ここまで隠してこれたし、何より誰にも喋ってなんか……」
再度読み直すが、やはり見間違いなんかでは無かった。烈毅は猛烈に焦る。
すると、後から三人パーティーの冒険者が来て、掲示板を見始める。
烈毅はバレないようこっそり顔を隠しながら帰ろうとすると、一人の男冒険者がこう呟く。
「はー? 村人が最強? 誰だよこんなガセ流してる脳内お花畑クソ野郎は」
「いやいや、それ本当らしいぞ?」
「何だよそれ。その村人が何したってんだよ?」
「いやなんでも、先日感じ取った殺気あるだろ? どうやら、それはその村人がやったらしいぞ? それで、一瞬にしてモンスターを気絶させたとか」
「ありえねぇって! もしそんな奴いたら、俺がこの自慢の剣で確かめてやるっての!」
烈毅は足が止まり、少しその場で考え込む。
もし、この事を流せるものがいたとしたら、デルノゼかルノかレーナ。だが、ルノとレーナは絶対にない。残るとすればデルノゼだが、あいつは飛んでいったきり見てはいない。
そうこう考えていると、後から女性が訪ねてくる。
「ねぇ、貴方、さっきちらっと顔が見えたけどあの掲示板の人じゃないかしら?」
見られてた!? なかなか鋭い目をしてるねぇ。それにこの声の感じ、可愛いと見た!
「い、いや違……う……」
まぁ、その、なんだ。俺の口からは何も言えない顔だった。ビックリしすぎて開いた口が塞がらなかった。
「いやでも、そっくりだし……」
「世界にソックリさんは幾つも存在するそうだぞ?」
「そうかしら……」
そう話し合っていると、話し声が聞こえたのか、さっき剣でどうのと言っていた男冒険者が、近寄ってくる。
「なになに? お前があの掲示板のやつか? なら、俺と手合わせしてみよーぜ?」
何こいつ。こいつ絶対ダンジョンで先突っ走って死にそうになってワンワン泣くタイプのやつだ。
「いや、俺に戦う強さなんてないし……」
そうあたふたとしていると、その男冒険者は剣を抜き、烈毅に向かって剣を振り下ろす。
馬鹿だろ!
烈毅は咄嗟にその斬撃を避け、一歩後ろに下がる。その時、顔を隠していた買い物袋を下げてしまったため、顔を見られてしまう。
「ああ! てめぇやっぱりあの掲示板のやつじゃねーか!」
「チッ……めんどくせぇ!」
烈毅は買い物袋をギュッと握りしめ、全速力で家に戻る。それに追いついてこれない三人組は、飽きられまいとずっと烈毅を探し回る。
家の扉を勢いよく開け、レーナとルノを担ぎ、その場から立ち去る。
状況が読めないレーナは、烈毅に問う。
「お、おい! どうしたんだ急に!?」
「俺が村人だってバレた! ここにはもう居られねぇ!」
「なんでだ!?」
「お前が俺を嫌ったように、強い村人なんて皆嫌うんだ。だからもう、ここには住めねぇ!」
ルノは相変わらず寝続け、レーナはその言葉にぐうの音も出ない。
すぐ様町を抜け出し、どこか遠くの森へと逃げ込んだ。
その後、烈毅の噂は波紋を広げ、各町へと知られていく。
これには世界中の人が驚き、誰もが烈毅の事を恐れた。なぜなら、村人はこの世界では最弱であり、戦う能力なんて皆無だ。いくら村人が束になろうと、冒険者には絶対に勝てない存在だからだ。
だがそれが今日この日覆ったのだ。皆はそれを信じたくはなかった。だから、皆は烈毅を嫌悪する。
森へ逃げた烈毅は、だいぶ深くまで来たところで止まり、二人を降ろす。
「おい烈毅、なぜ私まで連れてきたのだ?」
「…………お前にはもう一つ話そうと思うことがある」
「なんだ?」
「お前の師匠の事だが、あいつに剣を教えたのは俺だ。まぁ俺は武器モテないから、素手で戦いながら教えたけど」
「なっ……! 師匠をアイツ呼ばわり!? と言うか、師匠を教えたのが烈毅!?」
それが理解出来なかったのか、目を回しながらその場で気絶してしまった。
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