紫電の英雄 ヴァイオレット レジェンド

北村佳

第2話『魔法で最強』



読んで下さり本当にありがとうございます!
定期的に更新して行きたいと考えているのでよろしくお願いします。





ヴィエルン士爵家 の騎士 及び使用人達が寝泊まりする館に爆音が轟いた。

「状況を説明しろ!」
ヴイエルン家当主がいない場合などでの騎士達のまとめ役としている大隊長の1人が大声で叫んだ。
「状況を説明します。」そこに隊員の一人が現状の報告に来た。見張り役の目撃証言などによるといきなり天から光の柱が降りてきて屋敷が半壊したとの事だった。その際広がった火は雨によって鎮火され、屋敷内部にいた使用人の避難も完了しているとのことであった。屋敷内にヴァイエルン士爵家の方々がいなかったことがが幸いであった。
「被害状況を正確に確認するためにも第1小隊は外に集合するように伝えろ」それを聞き終えた隊員は即座に行動にでた。
ロイの存在は知っているものは多くいるが皆口に出す事が無いため知らない隊員もかなりいる。先程報告にきた隊員も知らない人の1人だ

「なんだこれは…」
それは屋敷の東側の半分が瓦礫の山となり見るも無残な姿となっていた。そして報告によるとただ1人未だに避難が完了していない人物がいてしかもその方の自室が光の柱が降りた真下だということだった。
「望み薄か…」

そしてロイの死がヴァイエルン家に伝わるのは数日後の事だった。
 





ロイ・ヴァイエルンは街道の脇で倒れ込んでいた。

ロイがヴァイエルン家を後にした日から数日が立ち 始めは意気揚々と進んでおり8日も歩けば着くと考えていたが食料は疎か水すら持ってきていなかったロイは3日目にして動けなくなっていた。

「みずぉー…」
街道を馬車が何度か通って行ったが助けてくれる人は疎か止まってくれる人すらいなかった。
そこにまた 1台の馬車がこちらに向かって来るのが見えた。
(どうせ通り過ぎるだけだろう…)と思っていたがその馬車はロイの前で止まり御者と思われる女性に続き荷台から2人の武装した男が降りてきた。
「エマさん盗賊かも知れませんよ?もし盗賊だったら罠かもしれませんし…」
「いいえ、盗賊でしたらこんないい服を着ているとは考えられません、チェイスさん荷台から水を持ってきてくれますか?」
男が疑わしそうにロイを見ながらも渋々荷台の方へと歩いて行った。

「大丈夫ですか?」とその女性はロイを見ながら話しかけてきた。
そして戻ってきた男から水を受け取りロイに渡してきた。
ロイはもらった水を一気に飲みほした。
「ありがとうございます助かりました」
「いえいえ、困っている人を助けるのは当たり前です。しかしどうして倒れていらっしゃたのですか?」
「食料を持ってこなかったものでお腹がすいて動けなかったのです」
そう話すと少し驚いたあと笑って食料を分けてくれた。

「本当にありがとうございました、この恩はいつか必ず返します」
「気にしないでください」そう笑顔で答えてくれた。

「まだ名乗っていませんでしたね 、私は
エマ・アーノルドです 貴方はなぜこんな所に護衛も付けっず食料も持たずにいたのですか?」
ロイの家のこと そしてここに来た経緯を誰かに教えることはロイが生きているとバレる危険が有るため話すことは出来ない さらにヴァイエルンという名を語ることも出来ないのだ
そこで前世の名前を名乗ることにした。

「私はフィン、フィン・マックールです
そして ここにいた経緯は話すことはできません」
後ろの男二人が何か言いたげだったがエマ・アーノルドの言葉でその言葉を噤んだようだ
「分かりましたマックールさん 詮索はしません」

エマ・アーノルドは、ヴァイエルン領の少し北に行ったところにあるオージュ村から薬草をディラナに売りに行くところだったらしい。
武装した男二人、チェイスとノックはエマ・アーノルドに護衛として雇われた冒険者たちだそうだ。

フィンは前世のでは国に仕え魔王と戦ってきたため 前前世の記憶があるからでもあると思うが冒険者に少なからず憧れがあった。最もこの世界での冒険者がフィンが思っているような物かどうかは分からないが。

「マックールさんはどこに向かっているんですか? 」

「フィンと呼んでもらって結構ですよ 私もディラナに向かっているところでした」 

「分かりました でしたら私の事もエマと呼んでください ディラナに向かうのでしたらご一緒しませんか?馬車でもあと2日かはかかる距離です食料の事もありますし」

フィンにとってもありがたい誘いで 断る理由もないのでお願いしようとした時に その言葉を遮るように護衛の男から声がかかった。

「エマさん流石にそれは無用心ってもんじゃないですかね?そこまでするのは流石に馬鹿ってもんですぜ」もう1人の男も「移動中無防備な時に襲われるかも知れませんし」

「フィンさんにおそわれる…」

「エマさんなんか言いやしたか?」

「え!いや!いや!何も言ってませんよ!
それよりフィンさんの服装も盗賊が着るようなものじゃありませんし 何より武器も持っていませんから大丈夫だと思います!」

小さな声でエマさんが何か言ったような気がしたが気のせいだったらしい

「俺はエマさんに雇われている身なんでエマさんが決めたならそれにしたがいますぜ」

そしてフィンを同行させる事で話がまとまった。

エマがフィンを助けてから今までフィンを見るエマの顔は乙女のそれだということに気づいたものはそこには誰もいなかった。




舗装されていない街道を1台の馬車が走り抜ける 。右側には 森が、左側には平野が広がり清々しい風が吹きつけていた。

そんな平和な旅は終わりを告げてきた。
森の方の木々の隙間から馬車の前に1匹の巨大な熊が出てきた

「おいおい!あんなんどうやって戦えって言うんですぜ!?ジャイアントベアーの相手が出来るのはシルバー以上の冒険者ぐらいしかいなですぜ!」
エマの護衛の一人チェスが震える声で言った 
ジャイアントベアーは冒険者たちで知らない人がいないくらい危険な存在としてその名を轟かせている魔物である
見た目は大きな熊であるが手から伸びている爪の長さが普通の熊とは別物だと教えてくれる
「何故こんなところに…」エマも絶望の中で吐いた言葉であった。護衛に着けている冒険者はカッパーの冒険者達でありジャイアントベアーと戦えるとは到底思えない

エマは最後の賭けとして馬車を捨てて逃げる事を選んだ 商品が無くなってしまうが死んでしまうよりはましであった

「逃げましょう!」その言葉に2人が相槌を打ったが1人否定した人がいたフィンである
「あいつは完全に私たちを見ています全員が逃げにれるとは到底思えません」

ジャイアントベアーは確実にエマたちを狙っていたためフィンだけならまだしも全員が逃げ切れるとは思えなかった。

そう言ってフィンだけがジャイアントベアーの方に歩いていった。普通だったら武器も持たず向かっ行くフィンを止めるべきで無駄死にするだけだと思うのだがその背中を見ていると大丈夫なきがしてしまい言葉を発することが出来なかった。そして結末は一瞬だった。

フィンが足を開き屈んで拳を引いた。フィンを中心に暴風が吹き紫色の電気が体から出ているそして次の瞬間、爆音が轟いた。
ジャイアントベアーの腹部に大きな穴が空きそのまま地面に倒れてて行った

フィンは元の世界で世界最強の存在だった多少の弱体化は有るが素手でも下級の魔物なら瞬殺できる。だが 今回の魔物はエマたちの会話からかなり強力な魔物だとわかる。そんな魔物に素手だけではいくらフィンでも不安があった。だがこの世界では魔法が使えることを思い出す。そして今回は前前世の漫画やアニメを参考にイメージした武術を元の世界での知識をフル活用して自分の肉体に電気を纏わせることで常人では見えない程の速さと威力の拳となってジャイアントベアーに一撃を喰らわせた。
  
何今の!?エマの目にはらに爆風と爆音が響いたあとジャイアントベアーの腹部に大きな穴が空いていた。護衛の冒険者も同じ様で呆然と立ち尽くしていた。

脳の機能が取り戻してきたエマはやっと言葉を発することが出来た。
「何今の!?」
チェイスとノックも同じ気持ちらしくフィンに問いかけた。

「何って…殴っただけです。」

そんな単純な話では無かったジャイアントベアーはシルバーパーティーが協力してやっと勝てるような魔物だそれが1人と男に一瞬で倒されたそれも素手で。

「フィンさんって高ランクの冒険者かなんかなんですか?」

今の状況に理解が追いついている訳では無いが高ランクの冒険者なら自分たちに出来ないようなことが出来てもおかしくないと納得しようとして かけた言葉だったが

「いや、普通の村人です」

「…」

「そんなわけないだろこんなことできるやがただの村人のはずが無いだろ!」

「まあまあ、チェイスさん助かったのですしいいじゃないですか。フィンさんにも事情があるのでしょうし」
エマの言葉でその場は収ったのであった。




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