天下界の無信仰者(イレギュラー)
二人で交わした約束を、果たすために!
「いい加減なことをほざくなよ無信仰者。貴様らのほざく未来とやらはまやかしだ。今を直視できないからまだ見ぬ明日に逃避しているんだろう? 不確定ゆえに可能性を信じているんだろう? だが無駄だ、お前たちに未来は決められないし作れない。認めろ! お前たちでは、未来を手に入れることはできない!」
「お前ならできるってか?」
「その通り」
ミカエルは自信を滲ませた。頭の中にはすでに理想の版図が広がっている。夢を叶える完璧な未来図だ。
「神による完全なる秩序。それは時間すらも掌握し、あらゆる出来事は管理され、幸福が均等に分配される。決まった明日に不安を抱くことなく、不公平も、不条理もない。誰も傷つかない世界だ。これが欲しいんだろ? なら与えてやるよ。天主に感謝し終わらない平和を享受しろ。そこで永遠に笑っていればいい」
誰かが言った。世界よ、平和になれと。世界中で叫ばれる願いがある。
だから与えようというのだ。平和を。戦争のない世界を。欲しいと言うから与えるものになんの不都合があるのか。
利害は一致している。阻まれる道理はない。
だが、この男は違った。
「そこで俺たちはどんな夢を見ればいいんだ?」
神愛が阻む。デュエットモードとなったことで白衣の姿となり、黄金のオーラを周囲に漂わせている。背後には聖霊と化したミルフィアが浮いていた。
ミカエルの語る理想論。それは確かにそうだろう。世界平和は人類の夢だ。誰も悲しまない、苦しまない。明日に怯えることなく地上は笑顔で覆われる。それは素晴らしいことだ。
けれど、そこに含まれていなければならない幸福がある。
「恵瑠は俺たちの友達だ。あいつと別れる未来など、俺は求めていない。そんな未来認めねえ!」
彼女と交わした約束がある。その約束を未来が阻むというのなら、
「完全な秩序? 幸福の分配? 知ったことか! あいつと一緒に笑える場所が、俺たちの未来なんだ!」
その未来を切り開く! まだ見ぬ明日を、望む明日にするために。
神愛の全身が黄金のオーラを発した。金色の風が周囲に広がる。その後、勢いよくミカエルを指さした。
「勝負だミカエル。未来は自分たちで切り開く!」
ずっと友達でいると約束した。それを叶える。絶対に。
そのために。
神愛はこの一戦に全力を注ぐ。
「本当に頭にくるよ……」
神愛から向けられる戦意を前にしてミカエルは辟易とした。鬱陶しいことこの上ない。
「どいつもこいつも……、なぜ理解できん!?」
呆れる。いつの時代になっても愚にもつかん輩とは現れる。世界を平和にするというのに、そこに自分の気に入らないものがあったくらいですべてを騙しているかのように騒ぎ立てる。それ一つを受け入れれば済む話を、今世紀最大の犯罪のように囃し立てる。
「まったく残念だ」
理解されない。いつだって。誰だって。目の前の敵も。かつての友も。裏切り、そして敵対した。仲間ですらもう自分に賛同しついてきてくれる者はいない。
そう、一人だ。味方なんていない。仲間なんていない。
だとしても。
それがどれだけ困難な道であろうとも、往くのだ、想いはまだ死んでいないから。
叫んでいるのだ、情熱が!
夢を叶えてみせる。
二人で交わした約束を、果たすために!
「いいだろう、勝負だ。そして私が勝つ! 神に仇なす無信仰者は消えるがいい!」
ミカエルから聖性な光が迸る。宇宙の闇を照らし彼は君臨していた。
「いくぞミカエル!」
神愛も叫ぶ。神性なる黄金の粒子が爆発すると炎上し、背後でいくつも吹き上がる黄金の炎柱が戦いの開始を告げていた。
負けらない。
絶対に負けられない。
激しい戦意と荒ぶる闘志を胸に秘め。
両者の激突が、ついに始まった。
「お前ならできるってか?」
「その通り」
ミカエルは自信を滲ませた。頭の中にはすでに理想の版図が広がっている。夢を叶える完璧な未来図だ。
「神による完全なる秩序。それは時間すらも掌握し、あらゆる出来事は管理され、幸福が均等に分配される。決まった明日に不安を抱くことなく、不公平も、不条理もない。誰も傷つかない世界だ。これが欲しいんだろ? なら与えてやるよ。天主に感謝し終わらない平和を享受しろ。そこで永遠に笑っていればいい」
誰かが言った。世界よ、平和になれと。世界中で叫ばれる願いがある。
だから与えようというのだ。平和を。戦争のない世界を。欲しいと言うから与えるものになんの不都合があるのか。
利害は一致している。阻まれる道理はない。
だが、この男は違った。
「そこで俺たちはどんな夢を見ればいいんだ?」
神愛が阻む。デュエットモードとなったことで白衣の姿となり、黄金のオーラを周囲に漂わせている。背後には聖霊と化したミルフィアが浮いていた。
ミカエルの語る理想論。それは確かにそうだろう。世界平和は人類の夢だ。誰も悲しまない、苦しまない。明日に怯えることなく地上は笑顔で覆われる。それは素晴らしいことだ。
けれど、そこに含まれていなければならない幸福がある。
「恵瑠は俺たちの友達だ。あいつと別れる未来など、俺は求めていない。そんな未来認めねえ!」
彼女と交わした約束がある。その約束を未来が阻むというのなら、
「完全な秩序? 幸福の分配? 知ったことか! あいつと一緒に笑える場所が、俺たちの未来なんだ!」
その未来を切り開く! まだ見ぬ明日を、望む明日にするために。
神愛の全身が黄金のオーラを発した。金色の風が周囲に広がる。その後、勢いよくミカエルを指さした。
「勝負だミカエル。未来は自分たちで切り開く!」
ずっと友達でいると約束した。それを叶える。絶対に。
そのために。
神愛はこの一戦に全力を注ぐ。
「本当に頭にくるよ……」
神愛から向けられる戦意を前にしてミカエルは辟易とした。鬱陶しいことこの上ない。
「どいつもこいつも……、なぜ理解できん!?」
呆れる。いつの時代になっても愚にもつかん輩とは現れる。世界を平和にするというのに、そこに自分の気に入らないものがあったくらいですべてを騙しているかのように騒ぎ立てる。それ一つを受け入れれば済む話を、今世紀最大の犯罪のように囃し立てる。
「まったく残念だ」
理解されない。いつだって。誰だって。目の前の敵も。かつての友も。裏切り、そして敵対した。仲間ですらもう自分に賛同しついてきてくれる者はいない。
そう、一人だ。味方なんていない。仲間なんていない。
だとしても。
それがどれだけ困難な道であろうとも、往くのだ、想いはまだ死んでいないから。
叫んでいるのだ、情熱が!
夢を叶えてみせる。
二人で交わした約束を、果たすために!
「いいだろう、勝負だ。そして私が勝つ! 神に仇なす無信仰者は消えるがいい!」
ミカエルから聖性な光が迸る。宇宙の闇を照らし彼は君臨していた。
「いくぞミカエル!」
神愛も叫ぶ。神性なる黄金の粒子が爆発すると炎上し、背後でいくつも吹き上がる黄金の炎柱が戦いの開始を告げていた。
負けらない。
絶対に負けられない。
激しい戦意と荒ぶる闘志を胸に秘め。
両者の激突が、ついに始まった。
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